賃貸vs持ち家購入、徹底比較!どっちがお得?生涯コストもシミュレーション

家は賃貸か持ち家か。マイホームを持つことに意義はあるのか、それはただの幻想なのか。賃貸と持ち家のどちらが良いのかは、様々な視点から比較することが大切です。
それぞれのメリットデメリットは人によって変わることもあります。自分のライフスタイルにはどちらが合うのか、じっくり考えてみましょう。
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賃貸、持ち家の何を比較する?
そもそも賃貸と持ち家をvs形式でどっちが優れているか比べるときに、どんな基準でその良し悪しを見て行けばいいのでしょうか。いくつか候補となる基準を上げてみましょう。
お金
とても重要な基準です。お金で比べるときは最低でも「総額」「初期費用」「ランニング費用」の3つの視点を持ちましょう。どれかひとつだけで優劣は決められません。またお金のカテゴリーのひとつとして「資産価値」という基準でも比較してみましょう。
スペック
住宅性能による比較です。各居室の設備や建物の構造、気密性などで賃貸、持ち家の違いを比べます。
住み心地
住宅の住み心地のうちスペック以外に該当するものでの比較です。セキュリティ面、サービス面などのほか、住環境にも違いがあるのであれば、それも比べるポイントのひとつになります。
柔軟性
ライフスタイルや住まいに対する指向が変わったときに住まいのほうがどれだけ柔軟に変われることができるか、その可変性を比較するものです。無理や我慢が少ないほうが、評価としては高くなります。
賃貸のメリット
お金に関する賃貸のメリットは初期費用が安く済む点です。ひと昔前の「敷金礼金各2ヵ月分」のような物件は今では珍しくなり、初期費用はかなり抑えられるようになっています。初期費用が安いということはお金を貯める努力が少なくて済むということです。今稼いだお金の使い道がはっきりとあるなら、賃貸のほうが合っているでしょう。
柔軟性も賃貸が誇るメリットのひとつです。家族が増えて家が狭くなった、あるいは子どもが独立して無駄なスペースを持て余すようになったというようなときに、簡単に次の住まいへと移ることができ、無駄なストレス、お金が発生することを防ぎやすいです。また、築浅へのこだわりがあるなら住み替えによって常に築浅物件へ住み続けることもできます(持ち家では現実的ではないでしょう)。
自分自身のライフスタイルの変化に対応しやすい点もあります。結婚したばかりのときと、子どもが2人、3人といるときでは理想の住まいは変わります。将来子どもが独立して夫婦ふたりに戻った時は、また別の希望を住まいに持っているかもしれません。その時々のスタイルにあった家を選ぶなら、賃貸のほうがやはり手軽です。
賃貸派の意見
- 賃貸なら常に最新の設備の物件に住める
- 新築で購入しても10年も経てば古くなってしまう
- 近所にトラブルメーカーが住んでいても、引っ越せば済む
- 固定資産税を払う必要がない
賃貸のデメリット
デメリットの最たるものは、家賃をどれだけ払ってもその家は自分のもの(資産)にはならないということです。持ち家なら売却によってそれまでの住居費を取り戻せるチャンスがありますが、賃貸ではそのような機会は訪れません。
住宅性能も賃貸用の物件と分譲用の物件を比べたら、分譲用のほうがしっかりした作りになっていることがほとんどです。災害への備えや気密性、断熱性という点では賃貸に分が悪くなります。
資産にならないことは悪?
資産を持つとその税金を払わなければなりません(固定資産税)。また資産を一定のレベルで保全するためにはメンテナス費用も必要です。相続の際にはその資産を巡ってトラブルになることも考えられます。
このように資産はただ持つのではなく、どのように持つかも重要です。適切に管理、保全できない資産を持つくらいなら、一生資産を持たずに賃貸住宅を渡りあるくこともマイナスとばかりは言えないでしょう。
柔軟性を求めるにはコストが必要
賃貸の優れた点で気に入らなければ簡単に引っ越しすることができる、という点が上げられます。仕組みや気もちの面では持ち家からの引っ越しに比べれば容易かもしれませんが、そのためにはコストを負担しなければなりません。持ち家の比べ初期費用がかからない賃貸ですが、柔軟性のメリットを追い求めて引っ越しを何度も繰り返したら、結果として家を買うときの初期費用と大差ない金額を支出していることになる可能性はあります。
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持ち家のメリット
家は高いですが、生きていくには常に必要なものです。住居費の総額という点では借り続けるよりも買ってしまうほうが安く済むことのほうが大半です(賃貸との費用比較については後述します)。またローンを完済してしまえばそのあとのランニング費用はかなり抑えられますので、老後を考えたときは大きなメリットです。
また、住宅購入は経済を活性化させる効果があるため、国の経済対策の一環として手厚くもてなされている部分も見逃せんません。住宅ローン控除やすまい給付金、各種税金の軽減措置などが豊富で、今は本来かかるはずの費用よりもぐっと少ない金額で家を手に入れられます。これらの制度をしっかりと使いこなすことが賢い家の買い方です。
スペックや住み心地の面では持ち家に分があることがほとんどです。特に集合住宅(マンション)ではセキュリティ面や管理人さんがいることでの住み心地の向上などを多くの物件で得られるはずです。24時間ゴミを捨てられるメリットが得たくて、分譲マンションを選ぶという人もいるほどです。
持ち家派の意見
- 夫に万が一のことがあったら、住宅ローンの支払いが団体信用生命保険でカバーされるので、安心して暮らせる
- 老後、収入が無くなっても、住むところには困らない
- 同じ金額をはらうと、賃貸よりも広くて設備のグレードが高い家に住める
- 家が資産になる
持ち家のデメリット
持ち家のデメリットは賃貸に比べてリスクが大きくなることです。住宅ローンを借り入れるならそのリスクを取らなければなりませんし、万が一住宅が欠陥住宅の類だったとしてもそれを受け入れる覚悟(損害賠償を求めることも含め)が必要です。災害の多い日本ですから、マイホームがその被害に合ってしまう可能性もゼロではありません。
将来どうなるかわからないという意味でのリスクは環境についても同様です。
隣人とのトラブルや、近所に大型施設ができて騒音がひどい、と言ったときに簡単には解決できないのが、家を持ってしまうことのマイナス要素です。
それって本当? 持ち家のよくある噂を検証
持ち家にも柔軟性はある?
持ち家は簡単に住む場所を変えられないという意味で柔軟性に欠けると言われますが、家に手を加えて住み心地の改善を図れるという点では、持ち家のほうが有利です。設備のグレードアップや間取りの変更、一戸建てなら外壁の色を変えてみたり、庭に離れや物置を設置することも可能です。また、住まなくなった家を貸して賃料収入を得るという選択肢もあります。必ずしも持ち家がフレキシブルではない、とは言えないでしょう。
スペック重視派には分譲賃貸という選択肢も
住宅性能を比較すると分譲住宅に分があることは異論がないでしょう。ただしそのメリットを享受するのであれば、必ずしも買うという方法にこだわる必要はありません。分譲マンションの一室が賃貸として出されることは珍しくありませんし、注文住宅として作られたハイグレードな一戸建てが何らかの事情で賃貸市場に出回ることもあります。住み心地という点でも購入者と同レベルの恩恵を得られます。
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生涯コストで比較
実際にどのくらいコストが違うのでしょうか?それぞれの目安となる費用を50年間住んだ場合の概算で算出してみました。
持ち家で50年間の居住費用
頭金ゼロで住宅ローン返済を毎月12万円(金利1.25%)で返済期間を35年とした場合、4,080万円の物件を購入することが可能です。しかし、同じ持ち家でも、マンションなのか一戸建てなのかによっても生涯コストは大きく変わります。マンションのほうが管理費や駐車場代が必要になるため、費用が高くなりがちです。
コスト | マンション | 一戸建て |
---|---|---|
物件価格 | 4,080万円 | 4,080万円 |
ローン利息 | 960万円 | 960万円 |
住宅ローン減税 | -400万円 | -400万円 |
購入時諸費用 | 120万円 | 120万円 |
管理費 | 600万円 | 0万円 |
修繕積立/修繕費用 | 900万円 | 600万円 |
駐車場代 | 600万円 | 0万円 |
室内リフォーム費用 | 200万円 | 200万円 |
固定資産税 | 550万円 | 350万円 |
合計 | 7,610万円 | 5,910万円 |
※管理費:1万円/月、修繕積立金:(マンション)1.5万円/月(一戸建て)1万円/月、駐車場代:1万円/月として試算
コストではありませんが、住宅ローン減税による効果を年40万円×10年=400万円とした場合、所得税や住民税から直接400万円が税額控除されるため、生涯コストから差し引いて計算します。
税制上の手厚い支援がある点は購入の強みでお得感を得られます。また今回のシミュレーションには入っていませんが、最大50万円の支援がある「住まい給付金」制度もあります。住まい給付金は所得や居住地域によって支給額が変わるため、ご自身の条件のもとで計算してください。
賃貸で50年間の居住費用
賃貸は家賃12万円が住み続ける限り永遠に発生します。このシミュレーションでは同じ家に住み続け2年に1回の更新料の支払いがあるものとしていますが、引っ越しをするならその引っ越し費用や都度発生する敷金礼金のことも考慮する必要があります。しかし、修繕費用やリフォーム費用、固定資産税などの税金は大家さんが負担するため、借主の費用負担はありません。
コスト | 賃貸マンション | 賃貸一戸建て |
---|---|---|
家賃 | 7,200万円 | 7,200万円 |
更新料 | 300万円 | 300万円 |
管理費 | 600万円 | 0万円 |
駐車場代 | 600万円 | 0万円 |
合計 | 8,700万円 | 7,500万円 |
1年ごとの推移で比較してみる
具体的に毎年いくらの費用が必要で、累積した生涯コストがどのように増えていくのか見てみましょう。金銭的に持ち家と賃貸でどちらがお得なのか、考えるヒントになります。
マンションの場合
持ち家の場合、住宅ローンの返済が終わるまでは毎年の負担は大きいですが、ローンを完済してしまえば、年間コストは大幅に減ります。今回のマンションのケースでは、42年目で賃貸が持ち家の生涯コストを上回ることがわかります。
一戸建の場合
一戸建てもマンション同様に、ローンを完済してしまえば、年間コストは大幅に減ります。今回の一戸建てのケースでは、38年目で賃貸が持ち家の生涯コストを上回ることがわかります。
住み心地や条件で比較してみる
上記シミュレーションでは賃貸は毎月の家賃12万円、購入は4,080万円の物件を、比較の際の足並みをそろえる条件として設定しました。
この条件の場合、それぞれどのような家に住めるのでしょうか。集合住宅を例に考えてみましょう。
東京で家賃12万円となると都区部では1LDK~2DKくらいの広さになるでしょう。家族で住むには少し狭いかもしれません。ファミリータイプを求めるなら市部や隣接する県まで視野に入れる必要があるでしょう。
購入予算4,080万円はどうでしょうか。新築マンションの価格はここ数年上昇基調にあり、首都圏では平米単価の平均は90万円くらいと言われています。単純計算するとおよそ45平米くらいのマンションがこの予算で手に入る新築マンションの限界です。70平米を超えるマンションを探すなら中古住宅になるでしょう。築16~20年くらいになると70平米を少し超える部屋が4,100万円前後で取り引きされています。首都圏であればこの価格帯の物件がターゲットになるかもしれません。物件にもよりますが、分譲マンションの設備はそもそもグレードが高いので、この年代のマンションでも賃貸住宅の設備と比べてそれほどの見劣りはないでしょう。
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資産価値が異なる
忘れてならないのが、生涯のコストだけでなく、手元に残る資産価値が異なるということです。もちろん資産価値は、持ち家にしかありません。不動産の資産価値は、土地と建物に分けられますが、建物は劣化するごとに資産価値が低下していきます。一戸建ては25年~30年、マンションは45年~50年で建物の資産価値はほとんどなくなってしまいます。しかし、それはあくまで税制上の考え方であって、欲しい人がいる限り、値段が付きます。
老後はどちらが安心?
持ち家か賃貸かを考えるときに老後の安心感というのも、大きな判断基準となるでしょう。この場合、持ち家のほうが圧倒的に有利です。その理由は以下のようなものが考えられます。
固定費が抑えられる
住宅ローンを完済していれば、毎月の住宅にかかる固定費は持ち家のほうが抑えられます。老後のメイン収入を年金に頼るなら固定費が少なくなることは家計管理上は大きなメリットです。
資産として利用できる
資産価値が期待できる不動産であれば、それを利用する方法が検討できます。不動産を担保にお金を借り入れ、亡くなった後にその売却金で借入金を返済するリバースモーゲージなどはその代表例です。ただし、リバースモーゲージは対象となる住宅がかなり限定されることや、長生きした場合には存命中であっても全額返済が求められ家を失う「長生きリスク」がある点には注意しなければならないでしょう。
賃貸にもまったくメリットがないわけではありません。収入が少なくなったときや配偶者のどちらかが亡くなったときなどに、その時々の状況に合わせた家への住み替えは柔軟性がある賃貸ならではです。ただし、独居の高齢者は家を借りづらいという問題がありますので、その点をクリアできるかどうかが鍵となります。
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あなたに向いてるのはどっち?
最後に向き不向きで、賃貸と持ち家のどっちを選んだほうが良いかを考えてみましょう。衝動で行動しがちな人、その時々のパッションを重視する人なら賃貸のほうが行動に移しやすいので、向いていると言えます。ただし持ち家だからと言って不自由な訳ではありません。持ち家の資産メリットを有効活用すれば、より自由な生活が手に入ることも考えられます。ここで大切なことは計画性です。家を買うこと、資産を有効活用するうえでは、計画的な人ほど持ち家の適性がある考えられます。
ライフスタイルによる色分けは可能でしょうか。たとえば独身生活をずっと続ける人と、子どもがたくさんいる家族で向き不向きを考えてみましょう。この場合は、供給数に注目してみるのもひとつの方法です。一般的に賃貸物件は単身者向けのものが多くあります。住宅街のアパートはもちろん、都心でも不動産投資用のワンルームタイプの物件が賃貸利用者のために多数供給されています。反対に持ち家のメインターゲットはファミリーです。マンション・一軒家と物件の種類も選べますので、条件にはまるものは持ち家の方が見つけやすいかもしれません。
会社員であれば会社から家賃補助があるなかで家を買うことはもったいないと感じる人もいるかもしれません。また転勤がある会社ならそうした点も購入を思いとどまる要因となりそうです。今の住宅に不満がないのであれば、焦って家を買う必要はないでしょう。その場合でも老後のことを考えて一定の資金は用意しておいたほうが安心です。年齢が高くなると住宅ローンの返済期間が短くなり、毎月の返済費用が高くなることは頭に入れておきましょう。
まとめ
- 40年以上住むなら買ったほうが生涯コストは節約できる可能性が高い
- 持ち家は資産になる
- 夫に万が一のことがあっても保障される住宅ローンは、家族には安心
- お金に余裕があるなら、賃貸に住み続けるのもアリ
- 賃貸なら、近隣トラブルがあっても気軽に住み替えできる
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大学卒業後、IT企業勤務を経て、不動産サイトの運営に携わる。プライベートでは、中古マンションの購入、売却、リフォームを経験し、マンション管理組合の理事を務める。趣味は、中央線沿線の街歩き。コンシューマ向けサイトから、IT、医療の専門メディアまで手掛けた経験を活かし、不動産の専門的な内容をわかりやすく伝えられるように心がけています。