液状化とは?発生するメカニズムと対策

液状化とは?発生するメカニズムと対策

東日本大震災をきっかけに「液状化」が注目を集めるようになりました。以前は「流砂現象」という名称を用いられていたことからも、砂地で多く発生する現象であることが分かっています。少なくとも、自分が住んでいるところでは起こってほしくないもの。液状化の基礎情報や、土地を購入する際のチェック方法などについて、お話します

液状化とは

液状化とは、地震の激しい揺れによって地盤が液体のようにドロドロした状態になることです。
液状化する砂地盤は、地下水の圧力が高く水分を多く含んでいます。砂の粒子が地震の振動によりバラバラになるため、水に浮いた状態になります。

その後、液状化により、建物が傾いたり沈下したり、地下埋設物などの浮き上がりなどが生じるのです。

液状化の起こりやすい場所

砂粒と砂粒の隙間が多く、地下水面が地表に近ければ近いほど、液状化が発生しやすくなります。つまり、海岸に近い埋立て地や水田を埋め立てた新興住宅地などは、液状化が発生しやすいです。

また、建物の重量が軽く直接基礎が採用されている木造住宅は、建物の傾きや沈下などの被害が生じる可能性が高いです。

液状化の被害状況について

・東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、最大震度7、死傷者2万人以上の、未曽有の被害をもたらしました。甚大な被害をもたらした大津波と並んで報道されたのが、液状化現象。1都6県96市町村、計23,000軒を超える規模の被害は、世界最大規模の液状化被害と言われています。

・千葉県浦安市で発生した液状化現象

東京湾岸と江戸川の三角州を埋め立てて造られた市である千葉県浦安市では、市内の約8割、約9,000棟の住宅が、液状化現象により深刻な被害を受けました。

・​​​​東京都心部の液状化について

特に東京都心部は、東京湾の埋立地が多いことから、大地震の際に液状化が起こりやすいと考えられています。関東大震災級の地震が首都圏で起こった場合は、湾岸の高層住宅に多大な被害が起こるおそれもあります。

近年の研究では、河川を埋め立てた跡地や、池があったところ、水田を埋め立てて開発した住宅地なども発生しやすいことが分かってきました。

水田地帯に砂を敷き詰めて造られた住宅地である埼玉県久喜市は、東日本大震災のときには内陸部であるにもかかわらず大きな被害に遭っています。

土地を購入する際の液状化対策

・地盤の固さを確認する

液状化の被害が広く知られてから、住宅購入の際には「地盤の固かたさ」をもチェックポイントに挙げられるようになりました。
水田の埋立地ではないか、河川が流れていた跡はないか、など、液状化になりそうな土地の経歴を調べるのです。

・​​​​ハザードマップの活用

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」を活用するのもひとつの方法です。 ハザードマップは、地震などの自然災害による被害を予測した範囲を地図に表しています。

・​​​​地盤安心マップを活用する

2014年からは、地盤情報の「見える化」を促進することを目的として、地盤の強弱や災害履歴、土砂災害危険箇所など、様々な地盤情報をひとつの地図上で閲覧できる「地盤安心マップ」の無料提供を開始しています。 住所を入力すれば、その土地の状態を目で見て知ることができます。

液状化はいわば土台部分に関わる自然現象であり、中途半端な対策では被害を繰り返すおそれもあります。

・地盤調査や地盤改良工事の実施

一戸建て住宅を建築する際は、地盤調査は不可欠なものになりました。 また、液状化地域にありながら被害を受けなかった住宅には、天然砕石などにより地盤改良が行われていたことが分かっており、購入した土地が液状化地域にあった場合は地盤改良工事も施すことになります。

・状況に応じて液状化関連サービスを利用する

地盤改良の必要性が高まったことに伴い、液状化関連サービスを行う企業も現れました。「地盤調査の結果、地盤改良工事が必要」と判定された地盤データを第三者の立場から再判定する「地盤セカンドオピニオン」を主力商品として事業展開している「地盤ネット」では、建築士資格を有する専属の「地盤インスペクター」が、住宅地盤に関する体系的な知識をもとに、地盤対策工事が適正に施工されているか検査します。

液状化対策の工法

・排水工法(グラベルドレーン工法)

地盤中に砕石柱を打ち込み、地震時に発生する間隙水圧の上昇を抑えて液状化を防ぐ工法です。間隙水圧消散工法や砕石パイル工法とも呼ばれています。

・締固め工法(サンドコンパクションパイル工法)

地盤内に砂杭を打ち込み、振動などを用いて地盤の密度を大きくする工法です。液状化対策では多く採用されている工法で、強固な地盤に改良することができます。

・固結工法(深層混合処理工法)

セメントや石灰などを土中に入れ、科学的結合による軟弱地盤を固結させ、変形の抑制および液状化防止する工法です。

・地下水低下工法(ディープウェル工法)

井戸掘削機を用いて、地下水を水中ポンプで汲み上げ、地下水位を低下させる工法です。重力により地下水を集水できるため、重力排水工法とも呼ばれています。

土地の購入前に土地の履歴や状態などを十分に知った上で、住宅を建てるのであれば、プロの手も借りて地盤改良・強化工事を確実に行うなど、しっかりと対策を取りたいものです。

液状化した土地, もしくは液状化しやすいエリアの土地売却について

液状化が発生した土地は、地盤改良工事が必要になるケースがほとんどですが、液状化した土地や液状化リスクのある土地の売却は可能です。

ただし、売却価格は相場よりも低くなる傾向にあります。

一方、液状化リスクがあるというだけであれば、売却価格が必ず下がるわけではありません。災害リスクは土地の鑑定価格に織り込まれている場合もあるためです。液状化が発生した土地の地盤改良工事は、原則、買主が負担しなければなりません。

早く売却したい場合は、買取専門の不動産業者に相談するのもひとつの手段です。

液状化した土地を売却する際に生じる責任

・宅建業者の重要事項説明

過去に液状化した土地を売却する際、宅建業者は災害歴として宅地建物取引業法上の重要事項説明を行う必要があります。

・契約不適合責任

場合によっては、売主に「契約不適合責任」が生じるおそれがあるのです。

民法562条には、契約不適合責任について以下の規定が記載されています。

「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」

つまり、引き渡された土地が契約の内容に適合しない場合、売主に対し追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、解除権の4つの請求が可能です。

民法改正前は「瑕疵担保責任」として規定されていましたが、改正により「瑕疵」から「契約の内容に適合しない」という内容に変更されました。

液状化による契約不適合責任は、裁判で否定される可能性もあります。
過去には、東日本大震災による液状化で被害を受けた千葉県浦安市の分譲住宅地の住民が、分譲販売した不動産会社に対し、損害賠償を求めた訴訟で、住民の上告を退ける決定が下されています。(東京地裁;損害賠償請求事件、事件番号:平成24(ワ)2725号・平成25(ワ)34608号、裁判年月日:平成26年10月8日​​)

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執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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