ホームインスペクション(住宅診断)とは?費用の相場は?本当に必要ある?

竹内 英二
監修: 不動産鑑定士 竹内 英二
ホームインスペクション(住宅診断)とは?費用の相場は?本当に必要ある?

住宅の購入前や、自宅の売り出し前にホームインスペクション(住宅診断)を行うことで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。ここではホームインスペクション(住宅診断)とは、実際にどれくらいの費用がかかるのかについて説明していきます。

家の売却を考えて、この記事を読んでいる方は、不動産一括査定がおすすめです。下のフォームを入力すれば、 複数の会社の査定結果を比較 できるので、 高く・早く 売れる可能性が高まります。

  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

ホームインスペクションとは

ホームインスペクション(住宅診断)とは、既存住宅状況調査技術者登録講習を修了した建築士(インスペクターまたは既存住宅状況調査技術者という)が、第三者的な立場から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、概算費用などを算出する検査のことです。

ホームインスペクションが行われるのは、不動産が売買されるタイミングが多いです。 家を売る人がホームインスペクションを行う目的としては次のようなことが考えられます。

  • 住宅の状態を把握し、それに合った価格を設定するため
  • 住宅の状態に問題がないことを担保し、売却をしやすくするため
  • 引き渡し後に買主とのトラブルを避けるため

ホームインスペクションをして、住宅の状態に問題がないことが分かれば、売主は安心して売却することができます。希望価格で売却したり、短期間での売却が期待できるため、ホームインスペクションをして良かった、ということになります。

一方で、住宅の状態に問題があった場合は、話しがややこしくなります。修繕が必要な場合には、売却前に修繕費が発生します。修繕費の発生をプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかは価値観にもよります。問題個所を修繕して売却すれば、売却後に契約不適合責任を追及されるリスクを下げることができます。契約不適合責任とは契約内容とは異なるものを売ったときに、売却後に買主から損害賠償等を追及される売主責任のことです。売却後に買主に不具合箇所を発見されるよりは、売却前に売主が不具合箇所を発見して修繕した方が安心と考える人もいます。

このように、売主によるホームインスペクションは結果次第でその後の取り引きに与える影響が変わってきます。とりわけ結果が悪かった場合、マイナスの振れ幅が大きくなるリスクがあるため、住宅の状態に自信のないときほど、ホームインスペクションに対しての態度は消極的になってしまいます。

家を買う人の立場からもホームインスペクションを考えてみましょう。買う人がインスペクションを行うなら、購入を決める前です。インスペクションの結果をその住宅を買うかどうかの判断材料とします。結果が良ければ購入への後押しとなりますし、購入後も安心して住むことができます。

結果が納得のいくものでなかったらどうなるのでしょうか。ホームインスペクションをした費用は当然返ってきませんので、買わないことを決めるために数万円の費用を出費したということになります。ホームインスペクションを行う対象が1件、2件程度であればともかく、これが10件近くともなるとかなりの金額がかかってしまいます。ただし、不具合が隠された物件を購入せずに済んだという点はメリットといえます。また、ホームインスペクションが終わるまでの間にその物件が別の人に買われてしまうかもしれません(これを避けるには、ホームインスペクションを行う前に、結果が出るまでは売却をストップしてもらうことを売主に承諾してもらう必要があります)。

このように、売り手にとっても買い手にとっても一長一短な側面があるのが、現在のホームインスペクションです。

ホームインスペクションの診断方法は、基本的には目視を中心とし、屋根や外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を診断します。欧米では広く普及しており、近年、日本でも急速に普及しはじめています。

日本ホームインスペクターズ協会によると、一般的に「ホームインスペクション」と呼んでいるのは、主に目視で住宅のコンディションを把握して報告するという業務のことです。比較的短時間で、可能な範囲で行う「一次診断」になります。外壁や基礎に不具合の 兆候は見られないか、室内に雨漏りの形跡はないかなどを目視で確認し、建物のコンディションを診断依頼者に書面で提示します。さらにホームインスペクションではわからない項目で懸念があるものは、二次診断の必要性を診断依頼者に説明することもあります。

2018年4月の宅地建物取引業法の改正で、ホームインスペクション(法律上は「建物状況調査」)について以下の点が定められました。

  • 媒介契約締結時に不動産会社がホームインスペクションをする会社の紹介に関する事項を記載した書面を依頼者に交付すること。
  • 重要事項説明の際に、対象の不動産がホームインスペクションをしたかどうか、した場合はその調査結果を伝えること。
  • 売買契約の際に、基礎、外壁等の現状を当事者が互いに確認し、それを書面にすること。

これ以前はホームインスペクションを知っている人だけがその利用を検討するという状態でしたが、現在の取り引きではホームインスペクション(建物状況調査)について少なくとも1回は検討、確認の機会が設けられています。

このように日本ではまだ始まったばかりのホームインスペクションですが、ホームインスペクションの発祥の地とされるアメリカでは、取り引きの大半でホームインスペクションが行われています。実施の主導権は買主にあり、契約後に実施して問題があればキャンセルも可能と言われています。今後、日本でも契約不適合責任が定着すれば、ホームインスペクションも徐々に普及していくものと予想されます。

ホームインスペクションの費用の相場は?

日本ホームインスペクターズ協会によると、建物面積が100平米(約30坪)程度のホームインスペクション(住宅診断)で2~3時間かかります。

料金は、ホームインスペクションを行う会社によって異なります。いくつかの会社のホームページ等から確認すると、費用は次の表程度になると思われます。

対象 診断方法 費用の目安
一戸建て 目視診断 5万円~7万円
一戸建て 詳細診断 7万円~13万円
マンション 目視診断 4万円~6万円

目視調査では、床下や屋根裏にも入って確認を行い、レーザーレベルによる建物の傾きの調査も行います。オプションとして、追加料金を支払うと給排水管路検査を行う場合もあります。

また、新築では内覧会への同行をセットプランとして提供している会社もあります。詳しくは各社のホームページ等を確認してください。

ホームインスペクションを実施するメリット

ホームインスペクションを行う売主、買主のメリットはすでにいくつか説明しましたが、ここでは買主がホームインスペクションを実施するメリットをさらに深掘りしてみましょう。

ホームインスペクションの実施は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約(以下:瑕疵保険と言います)、買主の住宅ローン控除の利用へと道筋を立てることができます。

住宅ローン控除は知っている人は多いと思います。住宅ローンを利用して家を購入すると、一定期間、年末残高の0.7%が税額控除として戻ってくる制度です。利用条件は中古の場合、「登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以降の家屋」という基準があります。この設定より古い物件でも別の条件を満たせば利用できるケースもあります。その条件のひとつが「瑕疵保険が付保されているもの」です。

瑕疵保険を付保するには、「建物が新耐震基準を満たしていること」と「ホームインスペクションに合格していること」の2つの条件を満たす必要があります。新耐震基準とは昭和56年(1981年)6月1日以降の耐震基準のことです。つまりホームインスペクションを依頼する際に、瑕疵保険の付保に必要な調査をあらかじめ念頭にいれておけば、ホームインスペクションを単体の調査として終わらせずに、瑕疵保険の付保、買主の住宅ローン控除の利用へと繋げられる可能性が出てくるのです。この場合、ホームインスペクションの調査内容が瑕疵保険の調査内容を含んでいることが必要になるので、調査会社へその旨を説明しその基準に沿った調査をしてもらう必要があります。会社によって対応の是非も変わってくるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

上記は住宅ローン控除を利用するためのテクニカルな進め方ですが、もちろんその大前提としてホームインスペクションによって購入する中古住宅の安全性を確認できるメリットがあることは言うまでもありません。

ホームインスペクション実施の注意点

実際にホームインスペクションを行うときは次のようなことに注意しましょう。

売主の立場で気を付けること

ホームインスペクションを行うかどうかは売主の判断です。前述の通りホームインスペクションをすることでプラスになることもあれば、マイナスの影響を及ぼすことも可能性としては否定できません。ただし、調査を受けると決めたなら、調査や結果に対する隠し立ては厳禁です。

買主の立場で気を付けること

間に入る不動産会社の存在も重要です。ホームインスペクションに理解のある会社もあれば、この制度を面倒だと感じできるだけ触れないで済ませようとする会社も存在します。また、十分な知識を持ち合わせない担当者に当たってしまう可能性もあります。不動産会社に任せっきりにせず、自分でも最低限の知識は身につけておいたほうが良いでしょう。

インスペクターの力量にも注目

ホームインスペクションは専門の会社へ依頼するケースが大半ですが、実際に調査を行うのはその会社の社員とは限りません。提携する建築家などを診断士として派遣することも多いです。適切なホームインスペクションを行うには、インスペクターが「既存住宅状況調査技術者の有資格者」であり、かつ、「保険法人の登録事業者」であることが必要です。

結果が出るまでの時間に注意

ホームインスペクションは依頼から調査、結果報告まで最短でも1週間、通常であれば2週間程度はかかります。中古の売買でホームインスペクションを利用する場合はこの時間に注意が必要です。たとえば買主の要望でホームインスペクションをした場合、結果報告があるまでは別の取り引きができない条件なら、売主にとっては機会損失になります。反対に別取り引きが認められていると、調査結果が出る前にその住宅が売れてしまうリスクを買主は抱えることになります。トラブル防止の観点からも、買主売主双方がメリットデメリットを理解し、同意しておく必要があります。

新築ならホームインスペクションは不要?

これまでホームインスペクションは中古取引の際に行われることが多いと説明してきましたが、建売などの新築でも利用するケースはあります。たとえば欠陥工事の発見に必要なのは物件が新築か中古かではなく、第三者によるチェックです。新築の場合、竣工検査がありますが、これは建築確認申請どおりに建物ができているかどうかを確認する行為です。工事内容のチェックまでは行わないので欠陥工事は見抜けません。新築なら住宅診断はなくても安心、とはなりませんのでホームインスペクションを検討する価値は十分にあります。ただし、2018年4月の宅地建物取引業法の改正で規制の対象となっているのはあくまでも既存住宅(中古住宅)のみであり、新築物件の場合は不動産会社からホームインスペクションの説明は基本的にありません。

費用負担は売主?買主?

時々、「まだ購入を決めていないから、売主がホームインスペクション(住宅診断)の費用を支払うべきではないか?」と、購入希望者からの問い合わせもあるそうですが、安心して住宅を購入できるメリットは購入希望者にあるため、今後は購入希望者が費用負担するケースが増えていくものと思われます。

不動産会社が売主である場合、その不動産会社がホームインスペクションを実施した上で販売しているケースが見られます。また、一部の不動産会社では、専任媒介や専属専任媒介を条件に売主に無料でホームインスペクションのサービスを提供している会社もあります。専任媒介や専属専任媒介とは、1社にしか仲介を依頼できない契約のことです。一生に一度の大きな買い物なので、しっかり事前にチェックしておくことが、今後の良質なストック住宅を形成する上で必要になってくるでしょう。

記事のおさらい(編集部)

ホームインスペクションの診断方法とは?

ホームインスペクションでは、既存住宅状況調査技術者登録講習を修了した建築士(インスペクターまたは既存住宅状況調査技術者という)が、第三者的な立場から目視を中心として屋根や外壁、室内、小屋裏、床下などの住宅の劣化状態を診断します。詳しくはホームインスペクションとはをご確認ください。

ホームインスペクションにかかる時間と費用は?

日本ホームインスペクターズ協会によると、建物面積が100平米(約30坪)程度のホームインスペクションで2~3時間かかります。費用は一戸建ての目視診断で5~7万円、マンションの目視診断で4~6万円程度が目安です。詳しくはホームインスペクションの費用の相場は?をご確認ください。

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

竹内 英二
監修
不動産鑑定士
竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
コンテンツポリシー

この記事に関するキーワード

関連記事

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

不動産サービス