【日本の賃貸事情に吉報!?】多発する退去費用トラブルも、「民法改正」で解決の兆し

【日本の賃貸事情に吉報!?】多発する退去費用トラブルも、「民法改正」で解決の兆し

こんにちは、子育てママライター たかお みきよです。
絶賛子育て中のママライターとして、子育て・美容・旅行・不動産など幅広いジャンルで執筆活動中。某住宅メーカー系企業で勤務した経験を活かし、ママ目線な不動産&主婦テク情報をお届けいたします♪

皆さんは今、賃貸物件にお住まいですか?もちろん、今は持ち家にお住まいの方であっても、転勤などのご事情で今後賃貸に住む可能性も大いにあるでしょう。
そこで!今回は、賃貸物件に住む上で「損をしない」ための情報をお届けしたいと思います。

住んでいた賃貸の家を退去!その時発生する「原状回復義務」とは?

住んでいた賃貸の家を退去!その時発生する「原状回復義務」とは?

そう、今回はいきなり退去時のお話です。家を借りて、住んだ後のことに話が飛びますよ。

賃貸にまつわる定番ワードとして、「原状回復義務」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。これは家を借りた方(以下、賃借人)が退去する際に、住んでいた部屋の損傷した部分を回復する義務のことを指します。

実はこの言葉、あらゆるトラブルを生み出している問題ワードでもあるのです。とはいえ、家を賃貸するうえで切っても切り離せない定番ワードであることには違いないので、ぜひこの機会にしっかり確認してみてくださいね。

では実際に、どんなトラブルを生み出しているのかをご紹介します。
これは私の友人Aさんのお話です。

Aさんは、大学4年間賃貸したアパートを退去することになり、退去当日、不動産屋さんによるお部屋チェックに立ち会い、後日実家に戻ったAさんの元に、『退去費用の請求書』が届きました。そこにはなんと、最初に支払った敷金以上の金額が書かれていたのです。
……結局、「仕方ないね」と、請求された金額を支払うことに。

ちなみにAさんは、不動産屋さんが言うほどひどい住み方をした覚えはないと言います。むしろ、不動産屋さんに指摘された傷・汚れの箇所についても、ベッドの脚部分のフローリングがへこんだ、日に当たった部分の壁紙の色が変わっているといった程度。

こうして挙げてみると、私達にとっても身近な、日常生活によってできた傷や汚れだと思いませんか?

高額な退去費用を請求された!これって払うべき?

結論から言うと、実はこのケース、請求された全額を支払う必要はなかった可能性が大きいと考えられます。

そもそも賃貸契約における「原状回復」とは、決して入居する前と同じ状態に戻すという約束ではありません。
Aさんが入居・退去した十数年前では、この「原状回復」の基準が曖昧だったという側面もありましたが、退去時の原状回復に関するトラブル事例は多発しているため、国交省も「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発表していました。

それによると……
・経年劣化や通常の使用による損耗などは、賃料に含まれる
・入居者による故意・過失、注意義務違反など、通常の使用を超える使用で汚れたり破損したり場合には、入居者の負担で復旧する
といった内容が示されています。

キーワードは「通常の使用」という点でしょうか。
例えば、Aさんのケースでもあったように「家具を置いていた場所がへこむ」というのは、”通常の使用”の範囲です。対して、「物が壁にあたり穴が開いた」というのは過失。

つまり、日常生活のイレギュラーで起こった破損・汚れは、故意・過失と言えるでしょう。
では「注意義務違反」とは?例えば、部屋の掃除を過度にしていなかったとします。それによって、カビが生えた、というのは注意義務違反です。

ここから考えるに、Aさんのケースでそこまで高額な退去費用が請求されるとなると……Aさん、どんなすごい住み方をしたのですか?!となってしまいます(笑)
もちろん、Aさんの主張は「通常の使用」の範囲。今思うと、高額請求の退去費用へ疑問を投げかける材料は整っていましたね。

「ガイドライン」に法的効力はなかった……しかし、「民法改正」が強い味方に!

「ガイドライン」に法的効力はなかった……しかし、「民法改正」が強い味方に!

さて、ここまでお話してきた「原状回復に関するガイドライン」は、結局のところ、あくまで「ガイドライン」。これから外れた範囲で原状回復を求められたとしても、法的効力はさほどありませんでした。つまり、賃貸契約における原状回復のルールって曖昧だったのです。たとえ「不当な退去費用だ!」と訴えたとしても、言ってしまえば“裁判官次第”なところはあったようです。

2017年4月、債権に関わる民法改正案が衆議院を通過したという吉報が入りました。これに伴い、日本の賃貸事情にも変化が期待されます。

その一つが、「敷金の定義」が民法で示されるということ。さらには「原状回復義務」についても明文化されると言われています。

家を借りる際に支払うお金として、「敷金・礼金」が発生するケースは多くありますよね。礼金はその名の通り、大家さんに支払う謝礼金のことで、一般的には手元に戻ってくることはありません。一方、敷金の返金に関しては、これまで原状回復同様、その定義が曖昧でした。しかし民法改正に伴い、「敷金は賃貸契約終了時に、原則全額返還される」ということが義務付けられます。

そもそも敷金とは、どのようなものだと思いますか?これまでの一般的な認識でいうと、「退去時に原状回復にかかる費用を敷金から差し引いた金額が戻ってくる」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ敷金とは、賃貸契約における「担保」と位置づけされています。言葉を変えると、「デポジット」と類似するものです。

つまり、賃貸契約において家賃が滞納された場合や、貸家が損害を受けた際の損害賠償に充てられるお金です。こう考えると、民法改正で「原則返還される」と定義されるものの、そこから原状回復に必要な費用が差し引かれるという認識には変わりがないようにも思えます。しかし、原状回復義務について「経年劣化を含む通常の使用による損耗に、原状回復の義務はない」といった内容が民法上で明文化されることで、私たち消費者にとって追い風になることは明らかなのではないでしょうか。
これによって、ルームクリーニング費用や言われのないフローリングの総取換えなど、不当と思われる退去費用「NO」を堂々とつきつけられるようになりますね!

ただしここで注意したいのは、【特約】の存在について。賃貸借契約書に「ルームクリーニング費用は賃借人が負担すること」「経年劣化等に問わず、クロス(壁紙)の張替は費用は賃借人が負担すること」など、本来の原状回復義務以上の負担を必要とする【特約】が設定される場合があります。

……結局のところ、「特約」を設定されてしまえば、高額の退去費用を請求されてしまうではないか、と落胆してしまいそうですが……ですが!

この特例も私達個人が不利益を被らないように制定されている“消費者契約法”で賃借人(借りる側)に不利益が生じると判断される場合には、既に契約が締結されていたとしても無効になる可能性があるのであきらめは禁物です。

たかが敷金、退去費用ではありませんよ!民法で守られている私達消費者には、不当な退去費用に「NO」をつきつける権利があるのですから。

オウチーノニュース編集部

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