築50年の「築年数が古いマンション」を売る時の注意点とは?

築50年の「築年数が古いマンション」を売る時の注意点とは?

築年数が50年を経過した築古(ちくふる)マンションが多くなってきました。築30年超の分譲マンション総戸数は249万戸にも及びます(2021年国土交通省発表)。
築古マンションは資産価値の下落が著しく、売却が難しい物件です。売り手本位の価格設定や不十分な準備は、結果として買い手が見つからず、管理費や固定資産税の負担が大きくなります。
物件の立地条件や買い手の希望購入条件を考慮して、早期売却をめざしましょう。今回は、「築50年」のマンションに主に焦点を当てて解説していきます。

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1.築何年から築古マンションと言われるの?

築何年から築古マンションと言われるの? マンションは、新築購入してから住んだ時点で10%は資産価値が下がると言われています。
一般的に築10年以上経つと、価格が急激に下落し始め、築20年以上になると新築時より70%ほどの価格で下げ止まり、それ以降は緩やかに資産価値が減っていきます。
築古マンションの定義は特にありませんが、資産価値の下がり方から20年以上経過した中古マンションは築古マンションと呼んで良いでしょう。

マンションはいつまで住めるか?

・コンクリートの耐用年数

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年と言われています。 その他の​​法定耐用年数は、軽量鉄骨造(厚さ3mm以下)は19年、軽量鉄骨造(厚さ3mm〜4mm)は27年、重量鉄骨造(厚さ4mm超)は34年となっています。

このように鉄筋コンクリート造の法定耐用年数が1番長くなっており、強度の高さが最大のメリットです。

・実際のマンションの建替えや取り壊し事例と各々の築年数

国土交通省「マンション建替の実施状況 令和4年4月1日現在」によると、建て替え工事が完了したマンションは270件となっています。

築40年以上のマンションは現在115.6万戸(マンションストック総数の約17%)です。(2021年末現在/2022年6月28日更新)

このように建て替えの実施件数が増えないのは、高額な建替負担金が原因であることが多いです。

・地震への耐久性

2011年3月11日14時46分18.1秒に発生した東日本大震災はマグニチュード9.0、最大震度7を観測しました。

東京カンテイ「東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告 | 震災レポート」によると、中破(大破まではいかないが、大規模な補修・補強が必要)認定が宮城県全域で15件となっています。

このうち、新耐震基準が12件、旧耐震基準が3件です。 参考:東京カンテイ「東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告 | 震災レポート」

つまり、旧耐震 = 地震に弱いのではなく、旧耐震のマンションでも地盤が堅固な高台に建築されている場合は被害が少ないということになります。

・大規模修繕を筆頭とした修繕状況との関係について

より長くマンションに住むためには、大規模修繕などの修繕状況が重要なポイントになります。

国土交通省「長期修繕計画作成ガイドラインコメント」によると、大規模修繕工事は12年程度に一度とされています。したがって、築50年以上のマンション では約4回程度の工事が実施されることになります。

参考:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドラインコメント」

ただし、築年数が多ければ多いほど、修繕積立金も高額になるということです。

2.築古マンションは需要があるのか?

総務省「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、築年数35年以上の中古マンションの数は、全体の36%にのぼります。
ところが実際の取引状況をみてみると、2016年7~9月分の東京における中古マンションの取引件数は、築50年以上が56件で全体の1.4%。築35~49年は12.7%に過ぎません(国土交通省「土地情報総合システム」による取引データを参照)。
築古マンションの数自体は多いのに、あまり活発に売買されていない現状があるようです。

日本の住宅市場は「建てては壊し、壊しては建てる」というスクラップ・アンド・ビルドの考え方に基づいています。
総務省が2008年に行った調査によると、日本の中古住宅流通シェアは13.5%。米国の90%に比べると、いかに日本の住宅市場が新築に依存していて、中古住宅市場は未発達かがよく分かります。
米国では一般的な「エスクロー」も日本にはありません。これは公正中立な第三者が物件の調査、決済や名義変更などの手続きを行う制度で、安心して中古住宅の取引をするのに役立ちます。

ただ、「新築マンションが好まれ、中古マンションは売りにくい」という傾向は変わりつつあります。国土交通省も中古市場の活性化に向けて取り組んでおり、そのための制度を整えようとしています。その一つに既存住宅瑕疵保険の導入があります。
住宅ローンの「フラット35」利用者統計によると、2008年には築11年以内の購入が50%を超えていたのに対し、2015年は築19年以内まで累積してようやく50%を超えるようになりました。
以前に比べれば、中古住宅は確実に売却しやすくなりつつあります。

築古の中古マンションは住宅ローンが通りにくい?

金融機関は、「購入者属性」「購入理由」「返済履歴」「担保評価額」の4つを見て融資するかどうかを判断します。 担保評価額は、建物と土地の評価をしますが、中古マンションの場合、土地の評価は敷地の全体の面積を住戸ごとに按分するため、ほとんどが建物の評価額となります。

この建物の担保評価額には築年数が大きく関わるため、金融機関によっては、「60年-築年数=最長返済期間」のように返済期間の制限を設けていたり、一定年数以下の築年数の物件にのみ申し込みを限定していたりします。

そのため、「売りに出して申込者が現れたが、融資の審査で落ちてしまった」なんてことが発生しますので、できるだけ無担保融資が可能な金額で売りに出す必要があります。

築古マンションもリフォームすれば売却できる?

リフォームすれば売却できる? 築年数の古いマンションは売却が難しいため、売り手は「リフォームをしないと売れないのでは?」ということを一番気にします。
確かに買い手は、売り手が数十年と住んできたままの状態よりも、ある程度リフォームがされ、きれいになっている物件を好む傾向にあります。
しかし、結論から述べれば、売却前にリフォームを行ったからといって、必ずしも高く売れたり、成約率が高まったりするとは限りません。
もちろんハウスクリーニングや数十万円程度の簡易的なリフォームであれば、有効に働く可能性があります。

まず、注意しなければならないことが「リフォームでかけた費用分だけ物件の担保評価額が上がらない」ということです。
500万円かけてリフォームして内装をきれいにしたが、金融機関の担保評価額が100万円しか増えなかったとしたら、購入希望者が住宅ローンの審査で落ちてしまう原因になりかねません。
最近では、金融機関もリフォームに掛けた原価分をそのまま担保評価額に上乗せする制度を設けていますが、1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションには適用されないようです。
つまり、仮に500万円、1,000万円の費用でリフォームしたとしても、その分高く売れる保証はどこにもないのです。

築古マンションに興味を示す買い手は、限られた購入予算の中で立地条件を優先する場合がほとんどです。
通勤や通学の都合上、便利な立地に重点を置いており、新築マンションを購入する資金はないものの、築古マンションであれば手が届くというケースが多く、大半は購入後の多額のリフォーム費用などは想定していません。
現状の設備のまま、少しでも安く購入できることを望んでいます。

また、自分の好きなようにリフォームをしたいと考えている買い手も、売り手がリフォームしてしまったら購入をしません。予算の範囲内で希望するリフォームができるかどうかが重要なポイントになるので、リフォーム費用に応じて購入希望金額が変わることがあります。

いずれの場合も、リフォームそのものは買い手が購入してから自由に行えばよく、内装を今時にしたり間取りを綺麗にしたりしたからといって、成約率が高まるとは限りません。
素早い売却を目指すなら、リフォームをするよりも、築年数が古い分、相場よりも大幅な値引きを行う方が注目度は高まります。

中古マンションの相場は、地域や築年数などによって全く違います。
不動産会社によって査定価格は大きく変わるので、必ず複数社に依頼しましょう。
また、購入希望者は、近隣物件と比較して、どの程度の価格が妥当なのか検討しています。売却金額は、近隣で売却予定となっている周辺マンションの相場も把握して決定してください。
近隣の物件よりも購入しやすい金額設定であれば充分に売却できる可能性はあります。

3.築50年マンションのメリット

・価格

例えば、レインズの地域別・築年帯別成約状況【2022年04~06月】によると、東京都の築30年以上の中古マンション価格は2,958万円となっています。

一方、築25年以上〜築30年までの価格は4,069万円となっており、築年数が古いほど価格が安い傾向にあります。

参考:レインズ「地域別・築年帯別成約状況【2022年04~06月】

・比較的立地が良いマンションが多い

築50年のマンションは、高度経済成長期に建てられたものが多く、築浅物件よりも比較的立地が良い場所にマンションが建てられているのです。

そのため、不動産開発会社は売りやすい好立地を優先してマンションを建てた背景があります。

・リノベーションが前提なので自由度が高い

築50年のマンションであっても定期的に修繕を行うことで、問題なく住むことが可能です。 また、リノベーション前提であれば、好きな間取りを決めることができるので自由度が高くなります。

・レトロな雰囲気

築古物件では、レトロな雰囲気を楽しめるところもメリットのひとつです。 最近では、レトロなカフェや喫茶店が流行っているように、マンションも工夫次第でレトロ感を演出できます。

・過去の管理や修繕状況が把握できる

鉄筋コンクリート造のマンションは、寿命117年と言われています。適切に維持・管理ができていれば、過去の管理や修繕状況を把握することができます。

4.築50年マンションのデメリットや後悔

・築古になり売りにくい

購入してから50年経過したマンション は、売りにくく、 資産価値も低下している可能性が高いです。

・旧耐震

1981(昭和56)年5月31日までの建築確認で適用された旧耐震では、震度5強の地震程度​​の揺れでも倒壊しないと想定されていました。

しかし、震度6以上の揺れを想定していないため、物件によっては耐震工事が必要になるケースもあるのです。

・いつまで住めるか不安

築50年のマンション となるとあらゆる部分で経年劣化が進み、いつまで住めるのか不安になる方も少なくありません。場合によっては倒壊・崩壊のリスクも想定しておかなければなりません。

・建替えできるのか分からない

建築基準法が施行されたのが1950年で、それ以前の建物であれば接道義務を果たしていない物件があります。その場合は再建築不可となり、建て替えができなくなるのです。

・管理が適切でない

給排水管などの設備は、一般の方では劣化状況がわかりにくいです。そのため、配管などが老朽化していても、気づかないケースがあります。

その結果、適切な時期にメンテナンスを行われていないということも珍しくありません。

・住宅ローンの審査がおりにくい

築古物件では担保評価額が低くなるため、住宅ローンの審査は築浅物件よりとおりにくくなる傾向にあります。

5. 築50年のマンションの建替えは可能か?

・建替の事例

地盤が強いマンション では、定期的なメンテナンスを実施することですぐに建て替えが必要になるわけではありません。

しかし、最近では、内装や外装をすべて解体してから骨組みだけを残し、一から建てるスケルトンリフォームが行われる場合もあります。

・建替えまでのハードル

分譲マンションの建替え決議は、区分所有者と議決権の各4/5以上の賛成による特別決議が必要です。 建替え費用は、建物や土地の面積により異なりますが、一般的には、約1,500〜2,000万円の費用がかかります。

建替えには、建ぺい率や容積率などの制限も考慮しなければなりません。  ただし、余裕があれば新規分譲に用いて費用が捻出できる場合もありますが、通常は厳しいです。

立地や住民層による制約については、例えば独居老人が多い場合は、話がまとまりにくいなどの課題があります。

仮住まいについては、賃貸物件やマンスリーマンション、実家などの選択肢があります。

仮住まいは、一般的に建替工事の開始する一週間前ぐらいに入居し、工事終了の一週間前に退去するケースが多いです。

・建替促進のための国の施策について

マンション建替事業については、デベロッパーが地域社会、行政との連携が必要不可欠となります。

また、国の施策では「マンションストック長寿命化等モデル事業」というマンションの再生に向けた普及展開を図ることを目的とする事業があります。

マンションストック長寿命化等モデル事業とは、高経年マンションについて、適切な維持管理を促進するとともに、改修や建替によるマンションの円滑な再生を図る取組を促進するため、 老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等を行う総合的に優れた先導的な再生プロジェクトを公募し、国が事業の実施に要する費用の一部を補助することにより、 優良事例・ノウハウを収集し、マンションの再生に向けた全国への普及展開を図る事業となります。

参考:国土交通省「マンションストック長寿命化等モデル事業」

・建替えを当てにして購入すべきか

前述のとおり、「マンション建替の実施状況 令和4年4月1日現在」では、建て替え工事が完了したマンションは270件です。

現状は建替え件数がまだまだ少ないため、築50年のマンションに住む場合は建替えの期待して購入することは現実的ではないでしょう。

6.築50年のマンションを購入したい場合の注意事項や確認事項について

・大規模修繕の履歴

築年数の古いマンションでは、大規模修繕が定期に行われているか確認することが大切です。前述したとおり、大規模修繕工事は一般的に12年に一度とされています。したがって、築50年以上のマンション では約4回程度の工事が実施されることになります。

・長期修繕計画の有無や中身

長期修繕計画の有無や中身を確認しましょう。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」に沿った作成されたものが良いとされています。

また、マンションの長期修繕計画は5年程度ごとに見直しが必要です。

・修繕積立金の状況

マンション の長期修繕計画にもとづき、修繕積立金の額が定められています。しかし、空室の増減により積立金が減少している場合もあるため、修繕積立金の状況を確認することが重要です。

・自分で目検でできる建物の状況確認方法

例えば、外壁を手で軽くこすって粉状のものが付着していれば、チョーキング(白亜化)という紫外線や熱、水分などで塗膜の表層樹脂が劣化していることを指します。

その他、外壁のひび割れやカビ・藻の繁殖、シーリングの弾性などを目検でできるでしょう。

・管理状況が良好かどうかの確認方法

外壁のひび割れや階段の壁の剥がれ、ゴミ置き場や郵便ポストの汚れなどを見ると、ある程度の管理状況がわかる場合があります。

これらの管理状況を見るだけでも築古物件を購入する判断の一つになるでしょう。

・避けるべき築50年マンション

避けるべき築50年マンションは、外観からもわかる程度の管理状況がよくない物件や軟弱な地盤に立っている物件、地震などの自然災害が多い場所などが挙げられます。

そのため、あらかじめ、地盤の調査やハザードマップの確認が大切です。

7.まとめ

築50年マンションは、高度経済成長期に建てられたものが多く、築浅物件よりも比較的立地が良い場所にマンションが建てられていることやレトロを雰囲気を楽しめる、リノベーションが前提なので自由度が高いなどのメリットがあります。

しかし、資産価値の低下やいつまで住めるか不安などの要因もあり、物件によっては建替えができない場合も否定できません。

築50年マンションを購入するには、大規模修繕の履歴や長期修繕計画の有無や中身、修繕積立金の状況などを事前に確認するとよいでしょう。

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執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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