築40年~築50年の「築年数が古いマンション」を売る時の注意点とは?

築40年~築50年の「築年数が古いマンション」を売る時の注意点とは?

築年数が30、40年を経過した築古(ちくふる)マンションが多くなってきました。築30年超の分譲マンション総戸数は216万戸にも及びます(2011年国土交通省発表)。
築古マンションは資産価値の下落が著しく、売却が難しい物件です。売り手本位の価格設定や不十分な準備は、結果として買い手が見つからず、管理費や固定資産税の負担が大きくなります。
物件の立地条件や買い手の希望購入条件を考慮して、早期売却をめざしましょう。

築何年から築古マンションと言われるの?

築何年から築古マンションと言われるの? マンションは、新築購入してから住んだ時点で10%は資産価値が下がると言われています。
一般的に築10年以上経つと、価格が急激に下落し始め、築20年以上になると新築時より70%ほどの価格で下げ止まり、それ以降は緩やかに資産価値が減っていきます。
築古マンションの定義は特にありませんが、資産価値の下がり方から20年以上経過した中古マンションは築古マンションと呼んで良いでしょう。

マンションの耐用年数はどのくらい?

一般的なマンションの耐用年数はどのくらい持つのでしょうか?実は鉄筋コンクリート(RC)自体は地震で損傷を受けなければ100年持つと言われています。
しかし、実際には築30年あまりで建て替えられる場合があり、その原因は外壁塗装や配管など修繕管理が影響している場合がほとんどです。
入居者が減り、修繕費用を集められなくなった結果、建替えられるといったことが行われています。なお税金を試算するための法的耐用年数では、鉄筋コンクリートの耐用年数を47年として計算することになっています。

築40年経った築古の中古マンションは住宅ローンが通りにくい?

金融機関は、「購入者属性」「購入理由」「返済履歴」「担保評価額」の4つを見て融資するかどうかを判断します。
担保評価額は、建物と土地の評価をしますが、中古マンションの場合、土地の評価は敷地の全体の面積を住戸ごとに按分するため、ほとんどが建物の評価額となります。

この建物の担保評価額には築年数が大きく関わるため、金融機関によっては、「60年-築年数=最長返済期間」のように返済期間の制限を設けていたり、一定年数以下の築年数の物件にのみ申し込みを限定していたりします。

そのため、「売りに出して申込者が現れたが、融資の審査で落ちてしまった」なんてことが発生しますので、できるだけ無担保融資が可能な金額で売りに出す必要があります。

築40年の築古マンションは需要があるのか?

総務省「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、築年数35年以上の中古マンションの数は、全体の36%にのぼります。
ところが実際の取引状況をみてみると、2016年7~9月分の東京における中古マンションの取引件数は、築50年以上が56件で全体の1.4%。築35~49年は12.7%に過ぎません(国土交通省「土地情報総合システム」による取引データを参照)。
築古マンションの数自体は多いのに、あまり活発に売買されていない現状があるようです。

日本の住宅市場は「建てては壊し、壊しては建てる」というスクラップ・アンド・ビルドの考え方に基づいています。
総務省が2008年に行った調査によると、日本の中古住宅流通シェアは13.5%。米国の90%に比べると、いかに日本の住宅市場が新築に依存していて、中古住宅市場は未発達かがよく分かります。
米国では一般的な「エスクロー」も日本にはありません。これは公正中立な第三者が物件の調査、決済や名義変更などの手続きを行う制度で、安心して中古住宅の取引をするのに役立ちます。

ただ、「新築マンションが好まれ、中古マンションは売りにくい」という傾向は変わりつつあります。国土交通省も中古市場の活性化に向けて取り組んでおり、そのための制度を整えようとしています。その一つに既存住宅瑕疵保険の導入があります。
住宅ローンの「フラット35」利用者統計によると、2008年には築11年以内の購入が50%を超えていたのに対し、2015年は築19年以内まで累積してようやく50%を超えるようになりました。
以前に比べれば、中古住宅は確実に売却しやすくなりつつあります。

築40年の築古マンションもリフォームすれば売却できる?

リフォームすれば売却できる? 築年数の古いマンションは売却が難しいため、売り手は「リフォームをしないと売れないのでは?」ということを一番気にします。
確かに買い手は、売り手が数十年と住んできたままの状態よりも、ある程度リフォームがされ、きれいになっている物件を好む傾向にあります。
しかし、結論から述べれば、売却前にリフォームを行ったからといって、必ずしも高く売れたり、成約率が高まったりするとは限りません。
もちろんハウスクリーニングや数十万円程度の簡易的なリフォームであれば、有効に働く可能性があります。

まず、注意しなければならないことが「リフォームでかけた費用分だけ物件の担保評価額が上がらない」ということです。
500万円かけてリフォームして内装をきれいにしたが、金融機関の担保評価額が100万円しか増えなかったとしたら、購入希望者が住宅ローンの審査で落ちてしまう原因になりかねません。
最近では、金融機関もリフォームに掛けた原価分をそのまま担保評価額に上乗せする制度を設けていますが、1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションには適用されないようです。
つまり、仮に500万円、1,000万円の費用でリフォームしたとしても、その分高く売れる保証はどこにもないのです。

築古マンションに興味を示す買い手は、限られた購入予算の中で立地条件を優先する場合がほとんどです。
通勤や通学の都合上、便利な立地に重点を置いており、新築マンションを購入する資金はないものの、築古マンションであれば手が届くというケースが多く、大半は購入後の多額のリフォーム費用などは想定していません。
現状の設備のまま、少しでも安く購入できることを望んでいます。

また、自分の好きなようにリフォームをしたいと考えている買い手も、売り手がリフォームしてしまったら購入をしません。予算の範囲内で希望するリフォームができるかどうかが重要なポイントになるので、リフォーム費用に応じて購入希望金額が変わることがあります。

いずれの場合も、リフォームそのものは買い手が購入してから自由に行えばよく、内装を今時にしたり間取りを綺麗にしたりしたからといって、成約率が高まるとは限りません。
素早い売却を目指すなら、リフォームをするよりも、築年数が古い分、相場よりも大幅な値引きを行う方が注目度は高まります。

中古マンションの相場は、地域や築年数などによって全く違います。
不動産会社によって査定価格は大きく変わるので、必ず複数社に依頼しましょう。
また、購入希望者は、近隣物件と比較して、どの程度の価格が妥当なのか検討しています。売却金額は、近隣で売却予定となっている周辺マンションの相場も把握して決定してください。
近隣の物件よりも購入しやすい金額設定であれば充分に売却できる可能性はあります。

築40年超え築古マンションのメリット・デメリット

築古マンションのメリット・デメリット デメリットは、耐震性に問題がある可能性が高いということです。
築30年を超える中古マンションは、資産価値が非常に下がる傾向にありますが、特に1981年6月以前に建築確認を受けたマンションは、「旧耐震基準」で建築されており、1981年6月以降の「新耐震基準」と比較して耐震性能が低い傾向にあります(新耐震基準は2000年に「基礎」「柱梁や筋かいの接合部」などの告示が追加され、より厳格化されました)。

このような背景もあり、2018年より住宅購入者に対するホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化され、希望者は住宅診断を行うことができるようになります。
その結果、耐震性能に「問題あり」と判定される可能性もあるのです。

また、築年数の古い物件を個人に売却する場合、売主は瑕疵担保責任を負わなければなりません。
マンションを売却してから1年以内に欠陥が見つかった時、欠陥を修復しなければならない義務が民法で定められているからです。修復に必要となる多額の費用により、売却で得た代金の多くが失われてしまうケースもあるので注意しましょう。

ただし、仮に目に見える欠陥であった場合でも、その事を明確に買主に伝えて、売主と買主の両者が合意した上で成約された場合は、瑕疵担保責任に該当しません。
事前に欠陥を把握している場合は、欠陥に因果関係がある修繕が必要となった際の責任の所在についても契約書に明記しておくと良いでしょう。

一方、築古マンションのメリットは、立地に優れていることが多い点です。
用地の取得は早い者勝ちですから、高度経済成長期に先を争うように建てられたマンションのほうが、築浅マンションよりも駅近で便利なことが多いのです。
また、主要施設が揃っていることも大きなプラス要因の条件になります。

このような利点を生かして、資産価値がゼロになる前に売り抜けることをお勧めします。今後日本の人口が減少し、空き家が増加すれば、資産価値はますます低下していきます。

買取も視野に入れて売却活動をしよう

築古マンションの主たる買い手として、不動産の買取再販事業も挙げられます。
購入までが早いこと、売り手が売却後の瑕疵について責任を負う必要がないことがメリットですが、通常売却できる価格よりも安くなることがあるので、少しでも高く売りたい場合にはあまりお勧めできません。

耐震性能や設備の古さから、築古マンションは売れないのではと思われがちですが、全く需要がないわけではありません。
古い物件ならではの魅力があることを理解し、適した売却方法を選択することが重要であると言えます。

記事のおさらい!よくある質問

築何年から古いマンションになるの?

明確な定義はありませんが、資産価値が下げ止まる築20年以上を経過したマンションを築古マンションとする傾向があります。

築古マンションが売れない理由は?

理由のひとつに住宅ローン通りにくいというものがあります。金融機関によっては、築年数によって融資を受けられなかったり、借入期間が短くなる等の制限がかけられるため、買主が住宅ローンを組めずに購入を断念するケースもあります。

売る前にリフォームしたほうがいい?

築古マンションを売却するときに、リフォームを前提とする必要はありません。数百万円のリフォーム代を負担してもその分の価値を金融機関や購入者が評価するとは限りません。むしろ、売却価格を上げると築古マンションを探している人のニーズと離れてしまう可能性もあります。

築古マンションにメリットはない?

マンションはおおむね立地のよい場所から建てられていきますので、築古マンションは立地が優れていることが多いです。人気駅の駅チカのマンションであれば、多少古くてもニーズはあるでしょう。

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