中古マンションの値引き交渉を成功させる8つのポイント【マンションのプロが解説】

中古マンションの値引き交渉を成功させる8つのポイント【マンションのプロが解説】

「人生で一番高い買い物」と言われるマイホーム。どうせなら値引き交渉をして、少しでも安く買いたいところ。とはいえ、一般的には何度もマンションを購入する機会はなく、値引き交渉をするタイミング、コツ、注意点など、わからないことが多いと思います。

今回は、マンション管理の相談・顧問業務に携わり、1000棟以上の物件を見てきたマンションのプロであり、2019年1月に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した日下部理絵さんに、中古マンションの値引き交渉をする際のポイントについて解説いただきます。

マイホームを購入したい!と思ったときに誰もが欲しい物件と予算との間で、もう少し安ければ手が届くのになぁ・・・と悩むものではないでしょうか。
そんなときに、中古マンションであれば価格交渉できる可能性があります。いままでの日本では、新築マンションを購入する方が多く、売れ残りなどを除いては価格交渉できないと思われていました。

中古マンションに、定価は存在するか?

その答えはNOです。中古マンションの価格に定価はなく、販売価格は相場価格などを参考にしながら、実は売主が決定しています。不動産会社は売主に、相場をもとに査定価格の提示などを行いますが、最終的に決定しているのは売主です。
中古マンションの売主は個人が多いため、個別要因にもよりますが、値下げ交渉をできる可能性が高いといえます。
ではどのように値下げ交渉したらいいのでしょうか。値下げ交渉をする際の8つのポイントを見ていきましょう。

ポイント1:売主は、法人か個人か

まず売主が法人の場合は、購入代金とリフォーム代金、税金などの諸費用(仕入れ費用)を計算しながら、売買希望価格を決定していることが多いです。そのため、残念ながら値引き交渉に応じてくれる可能性は低いでしょう。
ただし、売りに出してから長期間(目安として3か月以上)経過している場合は、たと え利益がでなくても売却して現金化したい!と売主は考えているため、値引き交渉(処分価格)に応じてくれる可能性があります。

売主が個人の場合は、売主の懐具合や時間的な余裕によって変わります。
もし相続や住み替えなどで余裕がない場合は、できるだけ早く購入者を見つけたいと必 死(いわゆる売り急ぎ)なため、値引き交渉に応じてくれる可能性が高いでしょう。
いっぽうで余裕がある場合は、希望価格で購入してくれる方をじっくりと待っているの で値引き交渉は難しいといえます。

ポイント2:物件の周辺相場を把握しよう

値引き交渉する際、相場価格(いわゆる価格のモノサシ)を知らないと交渉することができません。
もし購入したい物件が相場より大幅に高い場合は、「リノベーション済でその費用が上乗せされている」「今後、再開発や新駅ができるため強気の設定」「あらかじめ値引きを見越した価格設定」などの理由が考えられます。
いっぽう、売り急ぎ以外で相場より安すぎる場合は、「なかなか買い手がつかず値下げを繰り返している」「実は事故物件など“ワケあり”」の可能性もあります。

周辺相場を把握するには、不動産会社に聞いたり、日常的に不動産チラシやオウチーノなど の不動産ポータルサイトを閲覧したりしておきましょう。
もしポータルサイトに複数の不動産会社名で掲載されている物件があれば、売主がより良い条件で売りたいと露出を増やしているだけでなく、長期間売れず焦っている、売り急いでいるということも考えられます。

売主の思惑に乗せられてはいけない!

値引き交渉に成功しても、はじめから販売価格が高く設定されている物件なら、ちっともお得に購入できていません。値引きにつられて、実際の資産価値よりも高い価格で購入してしまうこともあり得ます。売主側の思惑に乗せられてしまうこともあるため、値引き交渉には慎重さが欠かせません。

ポイント3:物件状況や購入時期にも気をつけよう

気に入った物件が見つかったら、現地見学やオープンルームなどを利用して内装や設備 などの物件状況をよく確認しましょう。朝と夕方など時間帯を変えたり、複数回見てみたりすると良いでしょう。
また、今までリフォームなどをしたことがあるか、している場合はどのような内容だったかを不動産会社に必ず聞いておきましょう。もし設備や配管などの不具合、防音性能などへの懸念があり、購入後すぐにリフォームをする必要があるのなら、その分、値引きできないか交渉する余地があります。

春と秋は、競争率が高く値引きは難しい

中古マンションの価格は、不動産価格の変動周期や消費税の増税など、経済的・社会的 要因がつくる相場価格や個別要因だけでなく、「時期的要因」も大きく関係しています。
入学・進学や人事異動など、人が動く春や秋などは、物件も多く売りに出るため選択肢 も多いのですが、購入したい方も多いので競争率が高く値下げ交渉が難しい可能性があります。なかには、空室ではなく、居住中での判断や即決を迫られることもあります。

一方で夏や冬など、人があまり動かない時期では、競争率が低くなり、値下げ交渉に応じてくれる可能性も高くなります。たとえば6~7月など、1年で人が一番動く春を逃してしまった(売れなかった、売りに出したのが遅かった)物件はチャンスです。
また、12月の交渉もおすすめです。日本人特有の感覚かもしれませんが、「年内にすっきりさせたい」と考える売主が多いため、値下げに応じてくれる可能性が高いのです。

ポイント4:売主が売却したい理由を把握しよう

売主がなぜ売却をするのか、住宅ローン残高はあるのか、どのような事情があるのかな どの理由がわかると、より有利に値引き交渉をすすめることができます。
またいつから売りに出ているのか、現在の価格は相場と比較して高いのか安いのかを、 不動産会社に聞いてみましょう。
このように売主の状況をよく把握してから、交渉するのが値引き交渉を成功させるポイ ントの一つといえます。もし売り出しから時間が経っている場合は、値引き交渉できる可能性が高く、売り急ぎの場合は、好条件で物件を購入するチャンスといえます。

値引き交渉しやすい売り出しからの期間は?

一般的に売り出しから3か月以上が目安です。売主は3か月ごとに不動産会社と媒介契約をしていることが多いので、3か月目、6か月目などの節目も狙い目です。この頃の売主は、不動産会社から「価格を見直しましょう」と提案されていることも多く、値引き交渉がしやすい時期といえます。

ポイント5:値引き交渉は不動産会社経由で行いましょう

値引き交渉は、売主と買主は直接交渉せず、不動産会社が仲立ちすることがほとんどで す。不動産会社に購入希望金額を伝え(購入申込書などを記入することも)、売主に伝えてもらい、返答を待ちます。

信頼できる不動産会社の担当者に依頼を

双方に金額の開きがあった場合は、再度交渉し、売主はいくらで売りたい、買主はいく らで買いたいというのが一致したところで価格が決定します。もし、買主の希望通りの価格ではなくても、値引き交渉による双方の歩み寄りによって当初の価格設定よりも安くなることもあります。
そのため、中古マンション(特定する中古マンションがあればそのマンション)の売買に実績のある不動産会社で、自分にあう信頼できる担当者を選ぶことが重要です。しかし、なかには不動産会社の仲介手数料は売買価格に応じて決まり、値下げすると手数料も減るため、そもそも値下げ交渉に応じてくれないこともあります。

いっぽうで現地案内をしてくれた担当者が、売主からその物件を預かっている(媒介契 約をしている)場合、売主から「値引き交渉があった場合は、このぐらいまでなら下げてもいい」と事前に話が通っていることもあります。

ポイント6:値引き相場はどれくらいか

たとえば、3980万円の場合、端数分を落とし3900万円(この場合80万円の値引き)、設備の不具合の修繕やリフォームなどが必要な場合は、その費用相当分の値引き、一般的に物件価格のおおよそ3~5%程度が値引き相場とされています。

また、不動産会社が仲介手数料を値引いてくれることもあります。たとえば、既に取引のある方からの紹介や、売主から専任媒介契約を受けており、契約が成立すれば、売主買主の双方から手数料がもらえるような場合(いわゆる両手)は、その可能性があります。

ポイント7:売主と不動産会社からの信用を高めよう

現地見学後などに不動産会社から売主に、購入希望者はどのような人物かといった情報が行くようになっています。言うまでもないことですが、現地見学時には横柄な態度は避け、くれぐれも節度のある言動をしましょう。特に居住中の物件はより配慮が必要です。 また、値引き交渉は不動産会社にとってもリスクがある、ということは買主であるあなたは覚えておきましょう。

たとえば、無理な条件交渉をのみ込んでもらったにもかかわらず、買主の都合で契約がキャンセルになったりすると、不動産会社は売主に不信感をもたれてしまいます。「あの不動産会社が連れてくる買主には売りたくない」というわけです。買主としても、無謀すぎる要望や価格交渉、あいまいな態度をとるようなことは、しない方が無難です。こういったことを繰り返していれば、冷やかし客と思われ、不動産会社があなたの味方になってくれることはありません。

住宅ローンの事前審査をしておこう

また、住宅ローンの事前審査を済ませておくと、本審査があるとはいえ、売主の安心感 にもつながります。買主の購入意思が確認できるだけでなく、審査時間も短縮できるためです。一般的にローン審査は、事前審査に3日〜1週間、本審査に1〜2週間程度かかります。

ポイント8:値引き交渉する際の理由を明確に

値引き交渉する際は、説得力のある言い方(不動産会社から売主への伝え方)がポイントです。
たとえば「ぜひ購入したいのですが、予算が少しオーバーしているので、端数だけでも 値引きしてもらえるよう交渉をお願いできませんか」などです。 退去後間もないのなら、「ぜひ購入したいです。こちらで清掃や残留物の処理、リフォ ームをするので、その分の値引きをお願いできませんか」など、伝え方を工夫しましょ う。
また、「値下げに応じてくれるなら、今月中に契約をします」などと条件をつけると、より値引き交渉に応じてもらいやすくなります。マンション(在庫)を長く所有しておける売主は少ないので、売主が納得できる契約や、引き渡し時期などに対応できる買主であれば、値引き交渉に応じてくれる可能性が高いのです。

物件価格が資産価値に対して妥当なのかを見極める

値下げ交渉をする際の8つのポイントはいかがでしたか。中古マンションを購入する極意は、「資産価値の高いものをいかに安く買うか」です。値引き交渉する際は相場をよく把握したうえで、物件価格が資産価値に対して妥当なのかをしっかりと見極めることが重要です。
そして値引きよりも重要なのは、物件の「正しい資産価値」を見極め、その価値の価格以下、もしくは自分の予算内で手に入れることです。

もし立地や間取り、広さなど希望どおりの中古マンションが見つかったにも関わらず、予算がオーバーしているのであれば、値引き交渉してみるのもいいでしょう。ただし、中古マンションは、その部屋一つしかありません。
値引き交渉をしている間に、ほかの購入希望者が「満額で買う」といって購入を申し入 れて、そちらで話が決まってしまうこともあります。
また、人気エリアの物件や、反響の大きい物件は、希望価格の購入者が現れるまで粘り強く待つ売主もいます。このように、自分以外の購入希望者の存在も意識しながら判断する必要があります。

最後に、売主は「1円でも高く売りたい!」買主は「1円でも安く買いたい!」と思っています。売主の物件に対する思い入れや考え方、性格などもあるので、値引き交渉する際は、売主の状況を把握しつつ、不動産会社の担当者とよく相談しながら慎重に行いましょう。

筆者

日下部

日下部 理絵 (Rie Kusakabe)
マンショントレンド評論家・マンション管理士

大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。 主な著書等に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)、『マンション管理と修繕 最強ガイド2019』(東洋経済新報社)、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)などがある。

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