住宅ローンや教育費は「手取りの何割」が目安!?理想の割合と破綻しない家計管理のコツ

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こんにちは、キッズ・マネー・ステーション認定講師、ファイナンシャル・プランナーの岡本舞です。
子育て世代なら多くの方が頭を抱える2大出費「教育費」と「住宅ローン」。家計を破綻させないための2つのお金の最適なバランスを考えてみたいと思います。
住宅ローン返済の理想は手取りの20%
金融機関で住宅ローンを組む時は「返済負担率」といって年収に占める年間返済額の割合の上限が定められていて、おおよそ年収の25~35%で設定されていますが、「返済負担率が設定されているならその割合の中借りれば大丈夫なのね!」は大マチガイです。
まず、住宅ローンを組む時は「貸してくれる金額」ではなく「返せる金額」で考えましょう。
返済負担率の計算の元になる年収とは、税金や社会保険料を控除する前の額面金額を指します。
例えば年収400万の場合で返済負担率を年収の30%で借りたとしたら返済額は年120万円。
これを、家計を考える基準である手取りで計算し直すと実際の負担率は大きく変わってきます。
税金や社会保険料でだいたい額面金額から20%程度が引かれるので、年収400万円の手取り金額は約320万円です。
手取り320万円のうちの120万円を返済に充てるとすると、なんと手取りの37.5%にも相当します。
手取りと額面は大きな違いですよね。
一般的には返済額は手取りの25~30%と言われていますが、理想的なのは20%位です。
下表は手取りの20%でローン返済を収めるための年収別返済額の一覧です。
年収額面金額 | 返済負担率 | 返済額/年 | 年収手取金額 | 手取りに対する割合 |
---|---|---|---|---|
800万円 | 16% | 128万円 | 640万円 | 20% |
600万円 | 16% | 96万円 | 480万円 | 20% |
400万円 | 16% | 64万円 | 320万円 | 20% |
住宅ローン返済にばかり心血を注いで返していっても、貯蓄が出来なければ万が一仕事ができなくなったり失業してしまったりした際の生活が立ち行かなくなってしまいます。
そして子育て世帯は、子ども自身の希望によって進路が大きく変わることも多々あり、「まさかそんな進路を希望してくるとは!」と嬉しくもありますが、思いがけない出費も突如現れます。教育費については後述しますが、とにもかくにも無理のない返済が一番重要です。
教育費の理想は手取りの5~10%
生活費は子どもが1人と2人で倍にはなりませんが、教育費は子どもの人数によって単純に掛け算になっていきます。
下表は子ども1人あたりにかかるお金を授業料や学校関連費・習い事など含めたトータルでかかる平均金額です。
●1年間にかかる子ども1人あたりの教育費
幼稚園(3年) | 小学校(6年) | 中学校(3年) | 高校(3年) | 大学(4年) | |
---|---|---|---|---|---|
公立 | 70万円 | 193万円 | 144万円 | 135万円 | 434万円 |
私立 | 145万円 | 917万円 | 398万円 | 312万円 | 文系649万円・理系720万円 |
●1か月にかかる子ども1人あたりの教育費
幼稚園(3年) | 小学校(6年) | 中学校(3年) | 高校(3年) | 大学(4年) | |
---|---|---|---|---|---|
公立 | 1.9万円 | 2.7万円 | 4.0万円 | 3.8万円 | 9.0万円 |
私立 | 4.0万円 | 12.7万円 | 11.0万円 | 8.7万円 | 文系13.5万円・理系15.0万円 |
※学校教育費、学校給食費、学校外活動費も含む。
※大学は自宅通学が前提の金額。
出典:文部科学省 平成28年度「子どもの学習費調査」
日本金融政策公庫 平成28年度「教育費負担の実態調査結果」より試算
幼稚園~大学までオール公立だと約970万円、オール私立だと約2400万円です。
但し、これは全国平均値なので首都圏など受験が盛んなエリアでは、塾費用がかさむため大きく金額が変わってくる傾向があります。
首都圏で中学受験をする場合、小学6年生ともなると年間100万もの塾費用がかかるところも多く、季節講習や模試なども合わせると小学生の間の塾費用はトータル250万円位かかることもあります。(金額はイー・カンパニー調べ)
普段のお買い物はよーく値段を見てから買うのに、いざ塾となるとカリキュラム内容やわが子への適正度など、単純に費用だけで決めるわけにもいかず、塾に言われるがまま金額を払ってしまい、予想しているよりも塾費用がかさむケースが多くみられます。
幼稚園から高校までの費用は多くの場合は毎月の家計の中から捻出していくのでこの家計の5~10%の中で収めることを目標にしても良いですが、大学の費用は金額が大きいので家計とは別に貯蓄をして備えておく必要があります。
幼児教育無償化や高等教育無償化の動きもあるので、以前よりは教育費の負担が軽くなることも想定されますが、わが家が対象になるのかどうかはよく調べておきましょう。
金額だけにとらわれず何にお金を使うかを考えておくことが大事
住宅ローンや教育費は、家計の○割、というのはあくまでも家計が破綻しないための参考値です。
家庭によって何にお金をかけたいか、という価値観は大きく変わります。
お金は貯めるためのものではなく、使うためにあります。目的の無い貯金は意味がありません。限られたお金をムダにせず計画を立てて有意義に使うことが大切です。
家族で「わが家は何にお金をかけ、何を節約していくのか」を話し合って欲しいなと思います。
何のためにお金を使うかを家族で考える事で、ただ節約するだけのギスギスした家計から一気に夢が広がり、楽しく貯金したり節約したりと励みになることでしょう!
執筆:岡本 舞(キッズ・マネー・ステーション認定講師)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・住宅ローンアドバイザー
個人事業主の夫と娘の3人暮らし。家計管理を任されている妻として、そして育児に追われる母として、働きながら「できるだけ労力をかけない節約術」を日々展開。
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キッズ・マネー・ステーションとは、「見えないお金」が増えている現代社会の子どもたちに、物やお金の大切さを知り「自立する力」を持ってほしいという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行います。2018年までに1000件以上の講座実績を持っています。