不動産取得税の計算方法は?軽減措置でいくら還付される?

酒向 潤一郎
監修: 税理士 酒向 潤一郎
不動産取得税の計算方法は?軽減措置でいくら還付される?

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こんにちは、オウチーノニュース編集部です。

住まいを購入すると、新築・中古に関わらず税金がかかります。
いつどのような税金を、いくら支払う必要があるのか。資金計画を立てる際には税金も加味して考える必要がありますよね。

その中の一つに、土地や建物の購入や贈与、住宅の新築などにより不動産を取得した際、一度だけ課税される「不動産取得税」という税金があります。

ここでは、そんな不動産取得税について詳しく見ていきたいと思います。

不動産取得税とは?

不動産取得税は、各都道府県に申告・納税を行う地方税(都道府県税)です。

ここでいう不動産とは土地、家屋のことです。不動産取得税の歴史は古くその誕生は昭和29年にまで遡ります。土地や家屋を購入する人は担税力があるとするのが、この税金の基本的な考え方です。

課税対象となるのは、新築や増改築、売買、交換、贈与によって取得した不動産で、有償・無償、登記の有無に関わらず課税されます。贈与税において、夫婦間の居住用不動産の贈与の特例の適用を受けた場合や、相続時精算課税制度の適用を受けた場合でも、不動産取得税の課税は免れません。

不動産を取得したことを自治体へ申告し、自治体はその申告内容をもとに不動産取得税の納税通知書を送付します。東京都であれば、不動産を取得した日から30日以内に、土地、家屋の所在地を所管する都税事務所(都税支所)・支庁に申告しなければなりません。未登記物件を取得した場合も同様です。納税通知書がいつ送付されるかは不動産ごとに税額を調査する関係から明確に決まってはいません。通常であれば取得から半年以内には納税通知書が送られてきます。東京都は毎月7日前後に納税通知書を発送するので、通知書を受け取ったらその月の月末までに税の納付を済ませる必要があります。

不動産取得税の計算方法

不動産取得税の税額がいくらになるか計算する方法を確認しましょう。土地と家屋はそれぞれ分けて計算します。計算式は共通です。

不動産取得税 = 課税標準 × 税率

課税標準は固定資産税評価額です。不動産ごとにその評価額は違います。税率は本則で4%です。ただし、居住用の不動産を取得した場合は、特例、軽減措置が用意されているため、上の計算式がそのまま当てはまることはありません。

特に課税標準の部分は固定資産税評価額を1/2にしたり、一定金額をマイナスする控除額があったりと複数の特例、軽減措置があります。特例、軽減措置の対象となる不動産や、その取得方法の決まり、計算式のどの部分が変更になって減税効果をもたらすのかを確認することが重要です。

不動産取得税の金額を簡単に計算するならこちら

不動産取得税の特例と軽減措置

それでは、不動産取得税の特例や軽減措置について見ていきましょう。まずは制度の大枠をまとめます。細かい条件、規定などは記事後半の計算シミュレーションを行う部分でも補足説明します。

税率の軽減措置

項目 内容
対象となる不動産の種類 ○土地 ○家屋
対象となる不動産の状況 ○新築 ○中古
影響箇所 「課税標準×税率」の税率が変わります。
適用前の税率 4%
適用後の税率 3%
特例の有効期限 2024年3月31日

土地はすべての土地が対象、家屋は住宅用のものであることが条件です。

宅地の課税標準の特例

項目 内容
対象となる不動産の種類 ○土地 ×家屋
対象となる不動産の状況 ○新築 ○中古
影響箇所 「課税標準×税率」の課税標準が変わります。
適用前の課税標準 固定資産税評価額
適用後の計算式 固定資産税評価額×1/2
特例の有効期限 2024年3月31日

住宅用の宅地であることが条件です。建物を同時に取得する際は、その建物が新築か中古かは問われません。

新築住宅の課税標準の軽減

項目 内容
対象となる不動産の種類 ×土地 ○家屋
対象となる不動産の状況 ○新築 ×中古
影響箇所 「課税標準×税率」の課税標準が変わります。
適用前の課税標準 固定資産税評価額
適用後の課税標準 固定資産税評価額-1,200万円
(認定長期優良住宅は-1,300万円)
特例の有効期限 2022年3月31日(認定長期優良住宅のみ)

家屋の床面積が50平米以上240平米であることが条件です。

中古住宅の課税標準の軽減

項目 内容
対象となる不動産の種類 ×土地 ○家屋
対象となる不動産の状況 ×新築 ○中古
影響箇所 「課税標準×税率」の課税標準が変わります。
適用前の課税標準 固定資産税評価額
適用後の課税標準 固定資産税評価額-100万円~1,200万円(下表参照)

家屋の床面積が50平米以上240平米であることが条件です。ほかに、1982年1月1日以後の新築であることまたは地震に対する安全基準に適合することの証明がされたもの(または定められた期日中に耐震改修工事の申請、完了をすること)であることが必要です。

固定資産税評価額から控除される額は中古住宅の新築時期によって異なります。以下の表を確認してください。

新築日 控除額
1997年4月1日以降 1,200万円
1997年3月31日以前 1,000万円
1989年3月31日以前 450万円
1985年6月30日以前 420万円
1981年6月30日以前 350万円
1975年12月31日以前 230万円
1972年12月31日以前 150万円
1954年7月1日〜1963年12月31日 100万円

上記表は東京都のものです。都道府県により若干の違いがあります。

宅地の税額控除

項目 内容
対象となる不動産の種類 ○土地 ×家屋
対象となる不動産の状況 ○新築 ○中古
影響箇所 不動産取得税が変わります。
適用前の不動産取得税 課税標準×税率
適用後の不動産取得税 課税標準×税率-45,000円以上

控除額は次の計算式で算出した金額が45,000円より多い場合はその金額が控除できます。

(土地の1平米当たりの評価額×1/2)×(住宅の床面積×2)×3%

住宅の床面積は200平米が上限です。

課税対象にならない免税点について

課税標準額が次の金額未満の場合、不動産取得税は課税されません。ここでいう課税標準額は特例や軽減措置を適用させた後の額です。

対象 免税点
土地 10万円
家屋(新築、増築、改築) 23万円
家屋(その他売買等) 12万円

免税となった場合は納税通知書そのものが送られてきません。

例外として、10万円未満の土地であっても取得した日から1年以内に隣接する土地を取得した場合、及び上記のような家屋を取得した日から1年以内にその家屋と一構えとなるべき家屋を取得した場合は、不動産取得税が課されます。

非課税枠について

不動産取得税は次の取得に対しては課税されない場合があります。

・相続による取得
・法人の合併または政令で定める分割による取得
・学校法人、宗教法人による事業への使用のための取得
・土地区画整理事業等での換地の取得
・公共の用に供する道路などの用地の取得

新築で不動産を取得したときの不動産取得税を計算してみよう

新築で不動産を取得したときの不動産取得税の計算をシミュレーションします。取得したのは新築の建売住宅(床面積85平米、固定資産税評価額1,000万円)とその土地(面積180平米、固定資産税評価額2,700万円)を購入したものとします。なお、長期優良住宅ではありません。

建物の不動産取得税額

特例、軽減措置で利用できるのは「税率の軽減措置」と「新築住宅の課税標準の軽減」です。これらも考慮し【(固定資産税評価額-特別控除額)×税率】に数値を当てはめてみましょう。

(1,000万円-1,200万円)×3%=マイナス評価

結果がマイナス評価になったので、建物の不動産取得税はありません。

土地の不動産取得税額

特例、軽減措置で利用できるのは「税率の軽減措置」と「宅地の課税標準の特例」「宅地の税額控除」です。【(固定資産税評価額×特例)×税率-税額控除】に数値を当てはめてみましょう。

税額控除を先に計算しておく必要があります。この例では【(土地の1平米当たりの評価額×1/2)×(住宅の床面積×2)×3%】の額(75,000×170×3%=382,500円)が、45,000円より多くなるため、この382,500円が使われます。

2,700万円×1/2×3%-382,500円=22,500円

土地の固定資産税は22,500円です。

結果、この新築で不動産を取得したときの不動産取得税は建物 0円+土地 22,500円=22,500円となります。

なお、シミュレーションでは新築の建売住宅だったため土地と建物を同時に購入したものとしましたが、先に土地を取得し、その土地に注文住宅を建てる場合は、土地を取得した日から3年以内に建物を建てることが要件として定められています。理由なくこの期日を過ぎると「宅地の税額控除」が利用できなくなります。

中古で不動産を取得したときの不動産取得税を計算してみよう

続いて中古で不動産を取得したときの不動産取得税の計算をシミュレーションします。取得したのは1996年築の中古マンション(床面積70平米、固定資産税評価額700万円)とその土地分(面積60平米、固定資産税評価額1,500万円)とします。築年から分かる通り新耐震基準をクリアしているため、耐震性能は担保されています。

建物の不動産取得税額

特例、軽減措置で利用できるのは「税率の軽減措置」と「中古住宅の課税標準の軽減」です。これらも考慮し【(固定資産税評価額-特別控除額)×税率】に数値を当てはめてみましょう。

(700万円-1,000万円)×3%=マイナス評価

結果がマイナス評価になったので、建物の不動産取得税はありません。

土地の不動産取得税額

特例、軽減措置で利用できるのは「税率の軽減措置」と「宅地の課税標準の特例」「宅地の税額控除」です。【(固定資産税評価額×特例)×税率-税額控除】に数値を当てはめてみましょう。

税額控除を先に計算しておく必要があります。この例では【(土地の1平米当たりの評価額×1/2)×(住宅の床面積×2)×3%】の額(125,000×140×3%=525,000円)が、45,000円より多くなるため、この525,000円が使われます。

1,500万円×1/2×3%-525,000円=マイナス評価

結果がマイナス評価になったので、土地の不動産取得税もかかりません。

このように特例、軽減措置を利用することで不動産取得税がかからないといケースも少なからずあります。その場合は、納税通知書自体が届きません。

不動産取得税の還付を受けるには

不動産を取得した日から概ね10~60日以内(東京都は30日以内)に、土地・家屋の所在地を所管する税事務所等に申告します。 申告期限や手続き方法、必要書類等については各都道府県によって異なりますので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

申告した後、半年から1年の間に管轄の税事務所から納税通知書が送付されてきますので、不動産取得税を納めます。税事務所や金融機関の窓口の他、コンビニやオンラインでの納付も可能です。

軽減措置を受ける場合の手続き方法も各都道府県によって異なりますから、注意が必要です。 一般的には不動産取得申告書と併せて軽減措置の手続きを行います。東京都であれば「不動産取得税申告書」がそのまま「減額・課税標準の特例適用申告」も兼ねているため、この書類を作成することで軽減措置の手続きも完了します。

不動産取得の申告と軽減措置を受けるための手続きがばらばらで、軽減措置を受ける前に不動産取得税を本則の計算で支払ってしまうようなことがあっても安心してください。不動産の取得から5年以内に軽減措置を受けるための手続きを行えば、還付金として払い過ぎた分が戻ってくるようになっています。

なお、軽減措置を受けるために申告書とは別に提出が求められる書類があります。東京都のケースで、確認してみましょう。

土地の取得から3年以内に住宅を新築した場合

・売買契約書と最終代金領収書
・建築確認済証と確認申請書第3面
・建築工事請負契約書
・登記事項証明書(全部事項証明書)
・検査済証または登記事項証明書(全部事項証明書)(建物)または建物引渡証明書と請負業者の印鑑証明書(原本)

二世帯住宅や貸家などの場合はこれ以外にも書類が必要となることがあります。また、長期優良住宅の場合はその認定通知書も添付が求められます。

建売住宅や新築マンションを敷地とともに取得した場合

・売買契約書と最終代金領収書
・登記事項証明書(全部事項証明書)(建物)

中古住宅を敷地とともに取得した場合

・売買契約書および最終代金領収書
・登記事項証明書 (全部事項証明書) (建物)
・住民票(マイナンバーの記載のないもの)

取得した住宅が1981年以前に新築された住宅である場合は、耐震基準適合証明書(原本)、 建設住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵担保責任保険が締結されていることを証する書類のいずれかも添付します。

不動産を取得したら税事務所等に不動産申告の申告をすると説明しましたが、申告を忘れてしまったらどうなるのでしょうか。その場合でも納税通知書は届きます。また、申告を忘れたからといって罰則が科せられることはありません。ただし申告時に減額や軽減措置がされていなので、納税通知書に記される税額は本則通りのものとなります。

前述のとおり後から(不動産の取得から5年以内)軽減措置の手続きはできますし、その場合も軽減できる額は減りません。過払い分は還付金として戻ってきます。もし申告を忘れてしまっていたら、所管する税事務所等にどのように手続きを行えばよいか、確認しましょう。

計画段階できちんと準備を

住宅購入には大きなお金が動きます。
その際、「それに伴う税金の存在を忘れていた」という人は意外と多く、納税通知書を見てその金額に驚く人も少なくありません。

不動産取得税の計算の根拠となる「課税標準額」は固定資産税評価額から算定されますが、固定資産税評価額は各自治体によって算出されるため、土地や建物を取得する前の時点では正確な金額はわかりません。

ただし、一般的に土地の固定資産税評価額は時価(実際に取引されている価格)の7割程度、建物は購入価格の6割程度と言われています。
これを目安として、一度計算してみてはいかがでしょうか。

今回の例のように、控除がなければ高額になる不動産取得税も、きちんと申告をすることで大幅な減税を受けられる場合もあるのです。

住宅の購入にあたっては、受けられる控除や軽減措置がないかどうか、計画の段階できちんと調べておきましょう。

不動産取得税のQ&A

不動産を取得したときに、所有権の移転登記をしていなければ課税対象にはなりませんか?

不動産取得税の課税対象は登記をしているしていないに関わらずその取得者に課せられます。未登記物件を取得した場合も忘れずに申告しましょう。

不動産取得税には実際にその不動産を取得したときの価格が関係しますか?

不動産取得税の課税評価は固定資産税評価額を基に行われます。固定資産税評価額は市町村が定めたもので、一般の土地取引価格の目安となる公示価格の70%程度になるとされています。つまり取得価格が直接、不動産取得税の税額を決める要因となることはありませんが、取引価格の高い不動産ほど固定資産税評価額も高くなる傾向にあるため因果関係はあります。

取得後すぐに引っ越しをしました。納税通知書は新住所に届きますか?

不動産取得税の納税通知書は該当する不動産の所在地へ送られます。そのため、取得後に引っ越しをした場合は、送り先の変更をあらかじめ所管する税事務所等に連絡しておく必要があります。通知書が不達で、不動産取得税を支払わずに滞納状態になると延滞税が加算されることもありますので、十分注意しましょう。

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酒向 潤一郎
監修
税理士
酒向 潤一郎

J’sパートナー総合会計事務所(酒向潤一郎税理士事務所)にて、税理士として会計事務所の経営を行う一方で、東証一部上場IT企業の事業開発責任者や事業会社の監査役、ベンチャー投資会社のパートナーなどを務める複業税理士。会計専門誌などにも複数寄稿。趣味が高じて学童野球連盟の監査役やスポーツクラブの監事も務める。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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