空き家の解体費用は補助金を活用!国土交通省の空き家対策も解説

竹内 英二
監修: 不動産鑑定士 竹内 英二
空き家の解体費用は補助金を活用!国土交通省の空き家対策も解説

近年、メディアなどでもよく空き家の問題が取り上げられています。2019年4月に公表されたデータによると全国の空き家は824万戸にのぼり、今後も更に空き家の数は増え続けることが予測されています。

空き家は、解体費用がかかることや更地にすると固定資産税の軽減が受けらなくなることなどから放置されてきました。しかし周辺住民の生活への影響が深刻な問題となってきたことから、空き家対策措置法が施行され、各自治体でも本格的に空き家対策への取り組みがはじまりました。

では、管理の困難な空き家を所有している場合には、どうしたらよいのでしょうか。空き家の解体費用は補助金を受けられる場合もありますが、更地のまま利用せずに所有していては、住宅用地の減税特例が受けられず、空き家があるときの3~4.2倍にのぼる土地の固定資産税の負担が続くこととなります。

管理し続けることが難しい場合は、最終的には早めに売却することを考える他ありません。今回は空き家問題の概要から、管理の困難な空き家の解体で受けられる補助金や売却する方法について解説します。

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空き家の深刻な問題とは

何年も放置された空き家は、自然に朽ち果てて土に帰る訳ではありません。人が住まなくなり適切な管理がされていない空き家は、老朽化が進み、いつ倒壊するか分からない危険性があります。

その他にも、防災、景観、衛生、治安などの問題から、地域住民の生活への影響が問題となっています。管理のされていない空き家は、ごみの放置などにより害虫や害獣の増殖、周囲の景観を損なうことも懸念されます。

不法侵入や放火といった犯罪の発生を招く場合もあります。空き家として放置される期間が長くなればなるほど、様々な問題が悪化し周辺地域への影響は大きくなる傾向があります。

空き家対策特別措置法について

空き家が生まれる理由は様々です。固定資産税の軽減措置を受けるために使っていない建物を残しているケース、再建築不可の土地にあり一度解体してしまうと建物が建てられなくなるため仕方なく残しているケース、相続によって所有者が複数いて利用または処置の仕方がいつまでたってもまとまらないケースなどです。また、空き家の解体にかかる費用が高額になるため、そのままにしてあるというケースも数多く存在します。

2015年には、適切な管理が行われていない空き家が、地域住民の生活環境に及ぼしている状況を改善するための対応について定めた「空き家対策特別措置法」が施行されました。

具体的には、倒壊の恐れや衛生上問題のある空き家を「特定空き家」と定義し、その所有者に対して、各市町村で撤去または修繕を勧告・命令できるというもので、勧告を受けた場合には固定資産税の優遇が受けられなくなる他、もし命令に反すると50万円以下の過料に課せられる場合があります。

また、命令に背いて、所有者が空き家の管理を改善しない場合には、行政代執行により所有者に変わって自治体が解体できるものとしています。 この場合、解体費用は建物所有者に請求されます。

自治体による空き家解体に関する補助金

空き家問題の旗振り役でもある国土交通省では「空き家対策総合支援事業」として、空き家の除却や活用をする自治体への支援を行っています。これによって空き家の所在する自治体は、所有者が空き家を解体する際に補助金を出すなど、積極的な空き家対策ができるようになりました。

「老朽危険家屋解体撤去補助金」「老朽危険空き家解体補助金」「空き家解体補助金」「空き家解体助成金」「空き家解体費助成制度」など、呼び名は自治体によってまちまちですから、 自治体のホームページで確認したり、直接問い合わせたりしてみましょう。

補助金を受ける条件についても自治体ごとで異なり、自治体の認定や耐震診断を受ける必要がある場合もあります。補助金は、おおよそ解体費用の1/5から1/2程度が支給されることが多い様です。

代表的な補助金の例として、以下があります。

・老朽危険家屋解体撤去補助金

老朽化等で倒壊の恐れがある危険家屋の除却を促進する制度で、補助金を受けるには自治体の認定や耐震診断を受ける必要があります。自治体によりますが、解体費用の1/5から1/2程度が支給されることが多いです。

・都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金

都市の景観を守る為、長い間放置された家屋の解体費用を補助する制度です。支給を受ける条件として、空き家の所有者や相続関係者に、解体工事後に景観形成基準を満たす土地の利用方法が求められます。「老朽危険家屋解体撤去補助金」と同じく、解体費用の1/5から1/2程度が支給されることが多いです。

・建て替え建設費補助金

老朽化した家屋を除却し、一定の基準を満たす住宅を建築する施主に解体費用をはじめ、建築費用の一部が補助される制度です。良質な住宅として、賃貸部分を含むこと等、個別の条件が求められます。

助成事業を行っている自治体は各ホームページで確認できるので問い合わせてみましょう。

自治体による補助金の例

東京都大田区では耐震性が不足する木造住宅(昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した木造建築物)を除去する際にかかる費用の一部への助成があります。助成額は工事費用の2/3までの割合で、75万円が上限です(区内中小企業者が工事をする場合)。

東京都豊島区では災害危険度の高い木造密集地域を不燃化特区として定め、その区域内で老朽化した建物を除却する場合、上限1,000万円までを補助する「老朽建築物除却助成」の制度があります。この制度では老朽建築物の解体のみならず整地費用までが助成の対象範囲です。また、建物を除去した土地に対して固定資産税・都市計画税の減免措置が最長5年間受けられる点も特徴です。

空き家の解体費用について

住宅の解体、取り壊しにはどれくらいの費用がかかるものなのでしょうか。

費用は家の構造(どのような資材でできているか)と広さによって決まります。一般的に目安とされている解体費は次のとおりです。

構造 20坪 30坪 40坪
木造 70万円~120万円 105万円~180万円 140万円~240万円
軽量鉄骨造 80万円~140万円 120万円~210万円 160万円~280万円
RC造 110万円~160万円 165万円~240万円 220万円~320万円

価格に幅があるのは、取り壊す家の個別の条件等が影響するためです。たとえば解体現場がスクールゾーンに近接しており、ガードマンを多く配置しなければいけないような場合、人件費が増える分、コストは高くなります。近隣に家が密集していればその防音対策としてコストが上乗せされることもあるでしょう。

また、古い建物でアスベスト対策が必要な場合は、上記目安額とは別に費用が発生します。塀や門、駐車場などの外構物なども別に費用がかかるものと考えてください。アスベスト対策坪単価で数万円程度、外構は坪単価が計算できるものは坪単価で計算しますが、樹木などは本単位で計算することもあります。

このようにそれぞれの建物の事情や追加項目の有無で費用は変わるため、安く済ませたいと考えるなら、複数の会社へ見積もりを取ることから始めるほかありません。この時、注意したいのが、見積もりの項目が各社で揃っているかどうかです。見積額を安く見せるために、当然かかるはずのコストをオプション扱いにして見えづらくしている会社のものが混じっていると正確な比較ができません。意図的ではなくとも工事内容に見落としがあると、工事開始後に追加費用が発生することになりかねず、総額がアップしてしまうこともあります。見積もりは費用を比べるだけでなく、工事内容の確認の場であることも忘れないようにしましょう。

空き家解体のメリットとデメリット

空き家を解体することをメリットデメリットで考えてみましょう。まずデメリットですが、やはり解体費用の発生でしょう。先に説明したように解体には少なくない費用がかかります。また、建物がなくなることでこれまで享受できていた土地の固定資産税・都市計画税の減免措置が受けられなくなり、実質的に増税となることもデメリットのひとつです。

一方、メリットは何でしょうか。まずは老朽化した空き家を解体することで地域や周辺に暮らす人たちに迷惑をかけずに済むようになることです。今、具体的な問題が生じていなくても将来のトラブルを除いておくことは大きなメリットです。また、解体を機に土地の利用や売却のチャンスが生まれるかもしれません。自治体の助成制度などが活用できれば解体費用の負担も軽減できるかもしれません。

空き家も売却できるの?

解体の検討が必要なほどに建物の老朽化が進んでしまった場合、その取り扱い方、利用方法にはどのような選択肢があるでしょうか。

まず、そもそも解体が必要なのか、あるいは解体をせずに進める方法はないのか、を考えてみましょう。

解体をしないで建物が残った状態であれば、一戸建てとして賃貸に出す選択肢があります。この方法なら賃貸収入が得られ、固定資産税の減免措置も変わらず利用できます。解体費用もかからないことから、理想的な方法のひとつと言えるかもしれません。借り手がつくか不安があるかもしれませんが、まずは募集をかけてみて引き合いがあってからその後の対応(補修する範囲等)を決めてもいいかもしれません。不動産会社を介して市場に出す以外に、自治体の空き家バンクに登録することも検討しましょう。地方へ新たに移住してくる人は空き家バンクを見ていることが多いので、意外なところから借り手が見つかるかもしれません。

解体をせずに売却することもひとつの方法です。建物がまだ利用できそうであれば一戸建てとして売りに出してもいいですし、建物が使えそうにない場合でも解体せず、古家付きの土地として売り出すことができます。古家付きの土地で売るメリットは解体にかかわる作業・費用を負担しなくて済むことです。その分、値段を下げる必要はありますが、売れるかどうか分からない段階で解体費を先行して払うリスクは回避できます。

売却に際しては費用がかかることも頭に入れておきましょう。解体の有無にかかわらず、土地売却時に売主が負担する費用には次のものがあります。

  • 土地の測量費用
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 売買契約書の印紙代
  • 売却益にかかる税金

所有する空き家の売却可能性については、複数の不動産会社に相談してみるとよいでしょう。今後は、人口減少で家余りが加速することが予測されますので、利用する予定がない空き家は、早め早めに手を打つことがより重要になります。

自治体の空き家バンクは賃貸だけでなく売買物件の紹介もしていることがほとんどなので、こちらへの登録もしておくと良いでしょう。

特定空き家になってしまうことへの危惧などから解体を決める場合は、補助金で解体したとしても3~4.2倍になった土地の固定資産税を毎年支払うこととなり管理の負担は続きます。将来的に利用する予定がない空き家であれば、手放すほかには根本的な解決策はありません。

空き家売却で税金が抑えられるタイミングは?

「空き家対策措置法」の施行や各自治体の取組を受けて、税金面でも空き家売却の際にかかる税金を優遇し、空き家を売却しやすくする制度がスタートしました。

「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」といい、相続の開始のあった日から起算し3年を経過する年の12月31日までの売却することなど、いくつかの要件を満たすことで譲渡所得税の優遇を受けることができます。

区分所有となっているマンションや、売却価格が1億円を超える場合には受けられないなどの要件がありますので、あらかじめ適用要件を国税庁のホームページなどで確認しておきましょう。

空き家売却をするならば、ぜひ活用したい特例ですが、適用期間と要件に注意しましょう。

解体以外にもある空き家への補助金

空き家を直し、活用するときにも自治体から補助金が出ることがあります。

東京都文京区の例を紹介しましょう。文京区では「空家等利活用事業」として使っていない空家の所有者と利活用希望者のマッチングを行う事業を実施しています。ここまでは空き家バンクと同様の仕組みですが、この事業の特徴は賃貸借契約が締結したら、200万円までを上限に改修にかかる費用の補助があるところです。

ほかにも東京都練馬区には「空家地域貢献事業」があります。これは区の定める公益的な事業を行う団体と空き家の所有者をマッチングする事業で、利用団体が空き家を利用するにあたり、専門家から改修等必要なアドバイスや改修費等の初期整備費の補助を受けらることができます。

空き家対策の補助金を空き家の再利用に対して交付するのは、これらの自治体に限らず全国的に見られます。空き家が所在する自治体に問い合わせるなどして、利用できる取り組みがないか、確認してみましょう。

空き家放置のリスク、補助金のまとめ

空き家放置は何が問題?

何年も放置された空き家は、老朽化が進むことによる倒壊、ごみの放置、不法侵入や放火、固定資産税の優遇措置が受けられなくなるなどの問題を招く恐れがあります。
詳しくは、空き家の深刻な問題とはをご確認ください。

空き家の解体に補助金は出る?

自治体によっては、補助金を受けることが出来ます。条件は自治体ごとに異なりますが、およそ解体費用の1/5から1/2程度が支給されることが多いようです。
代表的な補助金は、自治体による空き家解体に関する補助金で解説しています。

空き家も売却できるの?

もちろん売却できます。立地や売却条件によっては売却が長期化する場合もあるので注意が必要です。

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竹内 英二
監修
不動産鑑定士
竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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