「養生」とは?"建物の養生"と"塗装の養生"の違いを徹底解説

「養生」とは?"建物の養生"と"塗装の養生"の違いを徹底解説

「養生」という言葉を聞いたことはあるし、なんとなく使ったこともあるけれど、具体的に何を意味しているのかはわからない。

そんな方のために、一般的に使われる「養生」の意味と、建築現場において使われる「養生」について説明します。

養生の意味

「養生」(ようじょう)とは「生を養う」という字のごとく、本来は健康に留意することを意味しています。

病気をした人に対し、体を休めて早く回復するようにという思いを込めて「養生してね」と声をかけることもあれば、生活習慣に気を付けてしっかり健康管理をしてね、という戒めの意味で使用されることもあります。

そんな一般的な「養生」に対し、建築用語としての「養生」は、建築作業中に材料が飛散したり、工具が当たったりして、建材や部材、工事範囲外の部分が汚れたり破損したりすることのないよう、保護することをいいます。

引っ越しの作業においても、運び入れる家具が当たって傷がつくことのないよう、キルティングのマットやフロアシートで床や壁を被うなどして養生しますよね。

エアコンや換気扇といった設備のメンテナンスや掃除業者も、必ず周囲をシートで養生してから作業を行います。

養生とは

傷や汚れのつく可能性がある作業を行う上で欠かせないのが、「養生」です。しかし、養生はただ周囲を保護すればよいというものではありません。実は、作業の精度や品質を上げる上でも、養生は非常に大切な役割を担っているのです。

中でも、建築工事においては構造体や建物本体の保護の他、塗装の際の汚れを回避するためにも、養生作業は大変重要となります。建築や塗装の現場において、なぜ養生が必要なのか。実際に養生はどのように行われるのか、見ていきましょう。

建物における養生

建築工事において、まず養生が必要となるのはコンクリート工事です。 例えば、木造の建築物であれば基礎部分。コンクリートが十分な強度を得るためには、一定期間コンクリート表面の湿潤状態を保ち、水和反応を進めなければなりません。

コンクリートの養生にもいろいろな方法がありますが、標準的な湿潤養生を例に挙げると、打設したコンクリート表面に散水し、コンクリート面をブルーシートで被います。

普通ポルトランドセメントを使用する場合、設計耐用年数に応じて5日以上または7日以上、コンクリートの湿潤養生を保つために養生しなければなりません。

この養生をきちんと行わないと、コンクリートの耐久性が低下してひび割れを招きやすくなるなど、品質に問題が生じるのです。

次に、内装や設備工事を行う際の養生です。
建物内部の工程はすべてが同時に進行するわけではありませんから、仕上げが終わった所は他の作業の際に傷や汚れがつかないよう、ビニールやシートで被って保護しておきます。

また、外壁や屋根といった外装の工事を行う際には、粉塵や材料の飛散によりお隣さんに迷惑がかからないよう、足場の外周にシートを張って養生する必要があります。

外壁や屋根を施工する前の段階で台風の予報があれば、建物全体をシートで被って養生するなどの対処も求められます。

新築に限らずリフォーム工事の際にも、改修範囲以外のところはしっかりと養生して、傷や汚れがつかないよう配慮しなければなりません。

塗装における養生

趣味でDIYをされる方などは、よくご存じでしょう。
例えば、窓枠の木部をペンキで塗り替える時などは、サッシやクロスに塗料が付着することのないよう、テープで保護します。

マスキングするといった方がわかりやすいかもしれませんね。可愛らしい柄のマスキングテープは、今や雑貨として若い女性からも人気を集めていますが、マステ(マスキングテープ)本来の用途は塗装の際の保護用テープなのです。

使用したことのある方はおわかりでしょうけれど、マスキングテープは粘着力がとても弱いです。 それは、一度貼ってまた剥がすという作業の性質上、剥がした時に表面の塗装が剥がれたり、糊が残ってしまったりということのないように、粘着力が弱く作られているのです。

外壁など広範囲への塗装の場合は、窓や玄関ドア、樋や換気口などすべてポリフィルムというビニールで被い、マスキングテープで固定します。 ポリフィルムに布テープが付いたマスカーという養生材が、使い勝手がよいと人気です。

塗装における養生はとても慎重さを要する作業で、マスキングテープの貼り方がいい加減だと塗り残しがあったり、はみ出してしまったりと、塗装部分の境界も曖昧になってしまいます。したがって、作業が丁寧で塗装がきれいな塗装屋さんほど、養生作業もきっちり行っています。

また、マスキングテープは塗料が完全に乾く前に剥がさなければならないので、しっかりとタイミングを考えながら作業する必要があります。もちろん、万が一ペンキが垂れても大丈夫なように、作業前には床面にもビニールやシートを敷いて養生しておきます。

養生テープは台風対策に効果ある?

2019年10月。今世紀最大ともいわれた台風19号の日本上陸が懸念される中、台風対策として「養生テープ」がツイッターを中心に話題となりました。

ガラス店の店主が発信した「ガラスフィルムの代わりに、養生テープを米の形に貼るだけでも違う」というツイートが発端となったようです。

本当に「養生テープ」を貼るだけで、ガラスは割れなくなるのでしょうか?

実は、このツイートの真意は「養生テープを貼ると、ガラスが割れた時の破片の飛散を抑えることができる」というものでしたが、情報が拡散される中で「養生テープを貼るとガラスが割れない」と勘違いされてしまったようです。

ガラス店の店主も改めて「割れないわけではない」と注意喚起をし、実際に飛来してきた物が当たって窓ガラスが割れた後の、養生テープを貼ったガラスと貼っていないガラスの破損状況の違いを動画にしています。

その動画を見る限りでは、養生テープを貼った窓の方が確かに割れた後のガラスの飛散が少なく、二次被害を防ぐという意味では効果がありそうです。

まとめ

養生テープやマスキングテープは手で簡単に破ることができ、貼った部分に糊が残る心配もないため、付箋代わりに使ったりコードを床に固定するのに使ったりと、自宅に常備して、台風対策以外にも様々な用途に活用しているというご家庭は少なくないのではないでしょうか。

ここまでご説明したように、建築工事を始めとする様々な作業現場において、大きな役割を担っている「養生」。

新築やリフォームの際には、どれだけ丁寧に養生されているかをチェックしてみるのもよいかもしれませんね。

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執筆
宅地建物取引士/2級建築士/既存住宅状況調査技術者
いしわたさとみ

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在はフリーランスの不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。3児の母。

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