庇(ひさし)とは?なぜ必要?3つの役割、種類、設置の際の注意点を解説

庇(ひさし)とは?なぜ必要?3つの役割、種類、設置の際の注意点を解説

一時期は、庇や軒の出がないシンプルでスタイリッシュなデザインの住宅が人気を集めていましたが、最近では庇や軒の必要性が改めて見直されているようです。

なぜ、住宅には庇が必要なのでしょうか。

庇に求められる役割について、庇の種類や使用される材質、設置する上での注意点も含めて解説します。

庇とは

「庇」とは玄関ポーチやベランダ、窓の上に突き出すように設置された小屋根のことをいい、屋根の先端が外壁の外側まで張り出した「軒」とは区別して呼ばれています。 庇や軒は、古来より受け継がれてきた日本家屋に欠かせない部位の一つであり、いくつもの重要な役割を担っているのです。

庇の役割とは

1.雨よけ

庇といえば、雨よけのためについているものと思っている方も多いでしょう。
実際、雨よけは庇の持つ大切な役割の一つです。庇が出ていることで、窓を開けっ放しにしていても小雨程度であれば室内へ雨水が侵入するのを防ぐことができますから。

そのため、庇のことを「霧除け」と呼ぶ場合もあります。
玄関扉の上の庇は、雨よけにおいて特に重要です。庇がなければ、外から帰って来た時に雨に濡れながら傘を畳むことになってしまいますし、玄関の中まで雨が吹き込んで土間も水浸しになってしまうでしょう。来客の際にも、チャイムが鳴ってから玄関を開けるまでの間、訪問者を雨の中で待たせることになってしまいますよね。

2.直射日光を遮断する

従来の日本家屋では、冬場は大きな窓からたっぷりの太陽光を取り込んで室内を暖め、夏になると深い軒や庇で直射日光を遮断し、窓を開けて風通しを良くすることで、居住環境を守ってきました。
四季の変化に対応するための先人の知恵ですね。

また、直射日光を遮ることは夏の室内温度の上昇を抑えるだけでなく、紫外線によってフローリングや家具が焼けてしまうのを防ぐことにもつながります。

3.汚れを防ぐ

外壁というのは、どうしても雨だれや埃によって汚れがついてしまうものです。
サッシの縁から、黒っぽく汚れた雨染みが筋になって伸びているのを見たことがあるでしょう。あの雨染みがあることで、建物の美観は大きく損なわれてしまいますよね。

庇がついていれば、雨だれによるサッシまわりの汚れや窓ガラスの汚れはかなり軽減されます。

庇の種類

庇には2種類の構造があります。

1つは住宅の庇として近年主流となっている「陸庇(ろくひさし)」、もう1つは伝統工法による「腕木庇(うできひさし)」です。

それぞれどのような違いがあるのか、説明していきます。

陸庇(ろくひさし)

「陸」というのは水平を意味しており、水平でなく傾斜のあることを建築用語で「不陸」といいます。 傾斜のない平らな屋根のことを「陸屋根」というように、「陸庇」も下部が水平で上部は水はけのための緩い勾配がついた屋根形状になっています。 柱や間柱の側面に庇の型板をしっかりと釘で打ち付けて設置しますが、後付けの場合はサイジングなどの外壁材の上からビスで打ち込んで柱や間柱に固定します。 軒裏にはケイカル板などの軒天井を貼り、屋根上部は金属板で仕上げるのが一般的です。

腕木庇(うできひさし)

柱に開けたほぞ穴に腕木のほぞを差し込んで固定するタイプの庇で、腕木の上に桁を渡し、垂木を架けて野地板(屋根下地)を張るという、大屋根の小屋組みと同じような構造になっています。 屋根材には瓦や銅板が使用されることが多く、1寸勾配でも施工可能な金属板に対し、瓦屋根は4寸以上の勾配が必要なため、瓦葺の腕木庇は金属板の庇に比べて勾配がやや急になります。 伝統工法でつくられる腕木庇は、主に数寄屋造りなどの純和風建築で用いられます。

庇の素材と特徴

一口に庇といっても、その材質や特徴は様々です。 住宅で採用される庇にはどのようなものがあるのか、順番に見ていきましょう。

1.木製庇

骨組みには、水に強く腐食しにくいヒバなどの木材が用いられることが多く、屋根部分はガルバリウム鋼板などの金属板で仕上げるのが一般的です。 一昔前は庇といえば木製庇が主流でしたが、最近では耐久性があり取り付けも簡単なアルミ製の庇が広く普及しつつあります。

2.アルミ庇

既製品として流通している庇の中で、最も一般的なのがアルミ製の庇です。 軽くて加工しやすく耐久性・耐食性に優れたアルミは、サッシやルーバー、自動車の部品、そして飲料水の缶にいたるまで、様々な場面で活用されています。 デザイン性も高く、表面の仕上げによって表情が変わるのもアルミの特徴の一つです。

3.ガルバリウム庇

屋根材や外壁材として用いられるガルバリウムは、金属板の中でも錆びにくく熱にも強いなど、耐久性・耐摩耗性に優れた建材の一つです。 デザイン性には賛否両論あるもの、モダンな雰囲気とメタリックなカラー展開を好む層からは非常に人気があります。 和洋どちらにもマッチするのも特徴です。

4.ガラス庇

昨今、建物の見栄えを重視して庇をつけないデザインの住宅が人気を集めていましたが、そんなスタイリッシュな外観を損なうことなく設置できるのが、ガラス庇です。 透明感があって主張しすぎないデザインが人気で、耐風性や耐水性にも優れています。 主に玄関ドア上部に使用されます。

庇を設置するときに注意すること

ちょっと器用な人であれば、既製品の庇をDIYで設置することも可能でしょう。しかし、簡単なようで難しく、施工の仕方によっては見えない部分への雨漏りのリスクを伴うのが庇の設置です。

経年による雨漏りであればシーリング材の劣化が考えられますが、庇の後付けや取り替えの後に雨漏りが始まったという場合、防水シートや防水テープをきちんと施工できていない、あるいはビス留めした際に外壁のモルタルにひび割れができてしまったなど、施工不良の可能性があります。

雨漏りだけで済めばよい方で、きちんと固定されていないと庇が落下したり、台風で飛んでしまったりという事故につながるおそれもあり、大変危険です。庇の設置は専門業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

庇はその機能面から住まいになくてはならないものだということが、おわかりいただけたでしょうか。 しかし、設置したら終わりではなく、雨漏りや事故防止のための定期的な点検も必要です。

シーリング材の寿命は10年程度と言われていますから、劣化が認められた場合には打ち替えを行いましょう。 庇にグラつきがないかも定期的にチェックしておくと安心ですよ。

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いしわたさとみ
宅地建物取引士/2級建築士/既存住宅状況調査技術者

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在はフリーランスの不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。3児の母。

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