マンションの減価償却費とは?計算方法を確定申告前に知っておこう

川口 拓哉
監修: 税理士 川口 拓哉
マンションの減価償却費とは?計算方法を確定申告前に知っておこう

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こんにちは、オウチーノニュース編集部です。

サラリーマン大家さんと呼ばれる人や、転勤などの事情から自宅を貸し出している人にとって、2月は確定申告の準備で忙しい時期です。

この記事では不動産所得を計算するときに使う「減価償却」について説明します。減価償却を正しく計上することで、無駄な税金の支払いをストップすることが狙いです。

減価償却とは?

では、減価償却についてイチから確認していきましょう。

不動産所得を計算するにあたり、減価償却費は経費に該当します。不動産所得は(収入-経費)で計算します。経費が増えると不動産所得が減り、節税へとつながります。

確定申告で収入を申告し忘れたり、ごまかしたりすることは違法行為ですが、経費を申告しないことで罰せられることはありません。申告のない経費を税務署がご丁寧に教えてくれることもありません。

減価償却は強制償却と呼ばれるもので、毎年償却していかなければならないのですが、やり方が分からずに計上しなかったり、間違った方法で過小申告した場合は、結果として不必要に所得税を多く払うことになります。

不動産所得が発生することになったら、必ずその初年度の確定申告のタイミングで正しい減価償却をしておく必要があります。

では、マンションの減価償却とは具体的に何を指すのか、見ていくことにしましょう。

不動産所得の計算においては、マンションのうち建物及び建物附属設備部分の購入代価とこれを不動産事業に使うために直接要した費用の合計額(これを「取得価額」といいます)に償却率を乗じた金額が各年の経費として認められます。ポイントとなるのは、費用のすべてが経費にならないことと、認められる経費を複数年にわたって計上(減価償却)していく点です。

マンション購入費用で経費となるもの

一般に居住用のマンションを購入するときは、購入額がいくらなのかが重要で、その内訳を気にする人はあまりいません。内訳があることを知らない人も多いでしょう。

しかし、不動産所得の計算にあっては購入費用の内訳が重要になります。なぜならマンション購入費用のうち、減価償却の対象となるのは建物部分のみで、土地部分は減価償却の対象にならないからです。

なぜ土地部分が減価償却の対象にならないかというと、土地は使用によってその価値が減るものではないからです。難しければ土地は減価償却されない、ということだけ覚えておきましょう。

これから投資用マンションの購入を考えているのであれば、購入時に建物価格がいくらなのか、売買契約書などではっきりと分かるようにしておきましょう。減価償却の計算がスムーズになります。

建物部分の経費の計上の仕方

建物部分の経費の計上についても確認しておきましょう。すでに何度も出てきている「減価償却」がマンションの建物部分の経費の計上方法になります。

減価償却とは長期間にわたり使用する固定資産を、一定期間で分割しながら経費として計上する方法です。

また、マンションの減価償却は定額法といって、耐用年数の期間中、毎回一定の額を減価償却していくやり方で行うことが決まっています。

マンションの耐用年数について

減価償却は、一定期間で分割しながら経費を計上する、と説明しました。この期間のことを、耐用年数と言います。長く使用できる資産ほど耐用年数が長く設定されます。

マンションの場合、この耐用年数は47年です。正確には住宅用で鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数が47年という決まりです。同じ住宅用の建物でも木骨モルタル造 のものは20年、木造・合成樹脂造のものは22年が耐用年数となっているので、マンションの長さが際立っています。

なお、この耐用年数は建物の寿命を意味するものではありません。47年でマンションが使えなくなるわけではないので、安心してください。

マンションの減価償却費の計算方法

減価償却について、だいぶイメージが深まったのではないでしょうか。では、最後にマンションの減価償却の計算方法について説明します。

ここでは、マンションの給排水、ガス、電気設備といった建物附属設備の償却方法が定額法のみとなった平成28年4月以降にマンションを購入したケースで考えます。

減価償却を計算式で表すと次のようになります。

取得価額 ×償却率

減価償却できるのはマンションの建物部分だけでしたね。建物部分の取得価額はさらに、本体部分と設備部分に費用割合を分解します。これは本体部分と設備部分で耐用年数が異なるからです。本体部分は先ほど説明したとおりマンションでは47年です。建物付属設備部分は15年が耐用年数になっています。

少し話が複雑になってきたので、まずは計算がわかりやすい新築マンションを例に考えてみましょう(購入した新築マンションを賃貸業務に使うことを前提に説明します)。

新築マンションの減価償却費

購入した新築マンションの取得価額が、本体の取得価額は1,800万円、設備の取得価額は400万円という内訳だったとします。

償却率は耐用年数ごとに決まります。

具体的な数値は国税庁が発表しています。耐用年数47年の償却率は0.022、15年の償却率は0.067です。

取得価額と償却率を本体と設備それぞれに当てはめてみましょう(1年目はその年の1月から貸付を始めたものとします)。

本体の減価償却費:1,800万円×0.022=396,000円
設備の減価償却費:400万円×0.067=268,000円

減価償却の方法は毎年金額が変わらない定額法でしたね。

つまり1年目から15年目は396,000円+268,000円=664,000円。
16年目から47年目は396,000円が、この新築マンションにおける毎年の減価償却費になります。(正確には、備忘価額として1円を残す必要があるので、償却最終年の減価償却費は上記の金額よりもそれぞれ1円少なくなります)。

中古マンションの減価償却

これも例で考えてみましょう。築10年の中古マンション(鉄骨鉄筋コンクリート造)を購入したものとします。本体の取得価額は1,000万円、設備の取得価額は150万円とします。

減価償却の計算式は(取得価額×償却率)ですが、この段階では償却率を知るための耐用年数が分かっていません。そのため、中古マンションでは耐用年数を確認する手順を先に踏む必要があります。

中古マンションの耐用年数を調べるにはそれぞれ次の計算式に当てはめます。

本体の耐用年数:(47-経過年数)+経過年数×0.2
設備の耐用年数:(15-経過年数)+経過年数×0.2

47と15はそれぞれマンションの本体と設備の法定耐用年数のことです。経過年数とは築年数のことなので、今回の例では10が入ります。数値を計算式に当てはめてみましょう。

本体の耐用年数:(47-10)+10×0.2=39
設備の耐用年数:(15-10)+10×0.2=7

耐用年数は本体が39年、設備が7年であることが分かりました(なお、今回は計算端数が出ませんでしたが、計算の結果1年未満の端数が出た場合はこれを切り捨てます) 。ここで先ほど使用した国税庁の数値から耐用年数に応じた償却率を確認します。耐用年数39年では0.026、同7年では0.143がそれぞれの償却率です。

償却率がわかれば、あとは(取得価額×償却率)の計算式に当てはめるだけです。

本体の減価償却費:1,000万円×0.026=260,000円
設備の減価償却費:150万円×0.143=214,500円

よって、この中古マンションでは、1年目から7年目は260,000円+214,500円=474,500円。
8年目から39年目は260,000円がそれぞれ毎年の減価償却費になります(償却最終年の減価償却費は上記の金額よりもそれぞれ1円少なくなります)。

記事のおさらい

減価償却って何?

時間の経過と共に価値が減ずる資産について、減じた価値を経費として処理することを減価償却といいます。土地は減価償却できず、建物のみが対象です。経費とすることで不動産所得が減り、節税できます。
詳しくは、減価償却とは?をご確認ください。

減価償却と耐用年数の関係は?

毎年の減価償却費は、建物及び建物附属設備の取得価額に償却率(耐用年数に応じて設定される率)乗じて計算します。マンションの耐用年数は47年です。
詳しくは、マンションの耐用年数についてをご確認ください。

マンションの減価償却費の計算方法は?

取得価額×償却率で計算しますが、建物と設備でそれぞれ求めて足し合わせる必要があるため、実際の数式は以下の通りとなります。
建物の取得価額×建物の償却率+設備の取得価額×設備の償却率
詳しくは、マンションの減価償却費の計算方法をご確認ください。

新築と中古で減価償却に違いはあるの?

新築の場合は法定耐用年数がそのまま適用されます。中古の場合は以下の数式で求められます。経過年数の2割分,本来の残存年数より長くなります。
(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×0.2
詳しくは、中古マンションの減価償却をご確認ください。

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川口 拓哉
監修
税理士
川口 拓哉

一般事業会社の税務部門や大手税理士法人において、法人税、消費税、所得税などの幅広い税目の業務に従事した経験を有する。Webライターとしては、月間PV100万以上の総合マネー系サイト、経理初心者に向けた解説サイト、相続に強い税理士法人の集客サイト、不動産系ポータルサイトなどの多くのサイトで、主に所得税や相続税に関する記事を多数執筆している。

執筆
2級ファイナンシャルプランナー
鈴木玲

出版社で5年、Webメディアで10年の勤務後に独立。独立後最初の確定申告で大きくつまづき、以後、本業のかたわら独学で社会保険、不動産、金融等の知識習得に励む。2018年、ファイナンシャルプランナーに。得意ジャンルは不動産で、実生活では中古マンションの購入、リフォーム、賃貸、売却を経験。やさしい日本語でにっぽんの制度や仕組みを説明する「やさしい にっぽん」を企画・運営。ほか執筆記事にパートだから社会保険に加入したくない。【2022年の条件は?】など。

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