土地を放棄したい!「いらない土地」を手放す4つの方法と注意点

土地を放棄したい!「いらない土地」を手放す4つの方法と注意点

日本でもっとも価値の高い土地は東京の銀座四丁目にあります。
1平米あたり5,550万円(2018年公示地価)。価値の高い土地ほど魅力的なものはありません。

その一方で、持っていたくない土地、というのも存在します。なぜ放棄したい土地があるのか。
その理由や土地を放棄する方法を見ていきましょう。

せっかくの土地を放棄する理由は?

土地には価値の高いものもあれば、価値があまりないものもあります。価値があまりない土地のなかには、持っていると損をする土地もあります。

税金で赤字になる土地

土地には税金がかかります。その土地を利用している・していないは関係ありません。所有していることに対して税金がかかるのです。この税金を固定資産税と言います。市街化区域内にある土地は固定資産税に加え、都市計画税もかかります。

将来的な利用の予定もなく、ただ持っているだけの土地は税金によってお金が出ていくばかりとなってしまいます。

具体的にどれくらいの税金がかかるのか、土地にかかる固定資産税と都市計画税の税額の計算方法を見てみましょう。(税率は標準的なもので、市町村によって異なることがあります)。

・固定資産税:課税標準×1.4%
・都市計画税:課税標準×0.3%

さきほど、土地にかかる税金は土地を利用しているかどうかにかかわらず発生する、と言いましたが、住宅用地として利用されいてる土地は課税標準の特例を受けることができます。いわゆる減税です。

固定資産税も都市計画税の課税標準の特例をまとめてみましょう。

税目 土地の該当基準 課税標準の特例
固定資産税 小規模住宅用地(200平米以下の部分) 課税標準×1/6
固定資産税 小規模住宅用地(200平米超の部分) 課税標準×1/3
都市計画税 小規模住宅用地(200平米以下の部分) 課税標準×1/3
都市計画税 小規模住宅用地(200平米超の部分) 課税標準×2/3

特定空き家のリスクをかかえる土地

住宅が建っている土地は、更地よりも納税額が少なくなることを説明しました。そのため利用していない古家をわざわざ取り壊さずにそのままにしておく事例が非常に多くあります。

その結果、メンテナンスが行き届かず倒壊などの危険性が高い空き家が全国あちこちに点在することとなりました。倒壊などの危険性が高い空き家のことを「特定空き家」と言います。

行政によって特定空き家と認定されると建物を保全するなど、行政の指導に従わなければなりません。適切な対応をしないと、その土地の税金にかかる免除がなくなるだけでなく最大50万円以下の罰金が科せられることになります。

いらない土地を放棄する具体的な方法

もし自分の土地が税金だけを払う赤字の土地だったり、特定空き家のリスクをかかえた土地であるならば、土地を手放すことも考えた方がいいでしょう。具体的には以下の4つの方法が考えられます。

売却する

もっとも好ましい手放し方のひとつです。インターネットの普及で土地の情報は日本国内のみならず全世界に向けて発信できます。自分では価値がないと思っている土地が、ほかの人にとっては役立つ土地になるかもしれません。売れるはずがない、と決めつけずに売却も検討してみてはいかがでしょうか。

通常、不動産会社に仲介を依頼するだけでは費用はかかりません(ただし条件の悪い不動産の場合、仲介手数料とは別に広告費等を請求する不動産会社もありますので、詳細は契約前に確認してください)。

譲渡する

赤字の土地なので、タダでもいいからもらってくれる人がいたら譲渡してしまいたい。そういう考え方もあります。

もし土地をタダならもらってもいい、という人が現れて土地を譲渡する場合、法律上は土地の贈与という扱いになります。土地の贈与自体は口頭でも成立しますが、書面として贈与内容を明確にしておくことが望ましいでしょう。また、所有権の移転登記手続きも確実に行ってください。

贈与の場合は不動産会社が仲介してくれません。弁護士や司法書士などの手をかりながらトラブルがないように土地の譲渡を進めていきましょう。

なお、土地を贈与したときにかかる贈与税は、土地をもらった側にかかります。贈与した側は贈与税に関して、特に手続き等をすることはありません。

寄付する

土地は地方自治体や公益法人へ寄付することもできます。

といってもすべての土地が無条件で寄付できるわけではありません。

地方自治体であれば利用目的に合致していることが条件となります。自治体にもよりますが、寄付採納申請という手続きで自治体に寄付したいことを申し出て、承認されれば寄付が実行されるという流れが一般的です。

公益法人も土地の寄付を受け付けている場合があります。どのような土地を、どのような目的で受け取るかは法人ごとに違うので、個別に確認をすることになります。法人への寄付は寄付する側に所得税が課せられる可能性があります。ただし相手先が公益法人の場合は、所得税を非課税にする特例が用意されているので、忘れずに活用しましょう。

受け取らない(相続放棄)

最後に、これは特に相続のときに当てはまるケースですが、価値のない土地はそもそも受け取らない、というのが最大の予防策になります。これを「相続放棄」と言います。

相続放棄をする場合は、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し出を行います。相続放棄は個別の財産ごとにはできませんので、すべての相続財産を放棄することになる点はしっかり頭に入れておいてください。

土地が放棄できる?法整備の現状

いらない土地、管理されていない土地が増えていくことは、やがて所有者が誰かわからなくなるリスクがあります。実際、全国には約410万ヘクタールもの所有者不明地があると言われています。これは九州全体の面積を上回る広さです。

本来、土地の放棄(土地の所有権の放棄)は民法によって認められていないものですが、こうした背景を踏まえ、法制審議会によって個人の土地放棄を認める試案が検討されています。2020年1月から意見の公募を行い、同年9月には要綱案がまとめられる見込みです。

もちろん、この場合もすべての土地で所有権の放棄が可能にはなりません。管理されていない土地や所有家の争いがある土地、古家がある土地などは放棄の対象外となるでしょうから、過度な期待は禁物です。

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鈴木玲
FP・住宅ローンアドバイザー

こんにちは。2級ファイナンシャルプランナーの鈴木です。

住宅関連の雑誌編集者を4年間、Webディレクターを10年間経験したのち、個人事業主として独立。独立によって様々な金融問題に直面し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

税金や保険、資産運用など要点をまとめてわかりやすく情報提供していくことを心掛けて活動しています。 例:パートだから社会保険に加入したくない。【2020年の条件は?】

最近は、やさしい日本語を使った情報発信にも積極的に取り組んでいます。

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