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どう立ち向かう?新型コロナと不動産

新型コロナウイルスが「住宅ローン」へ与える影響とは?払えないとどうなる?

新型コロナウイルスが「住宅ローン」へ与える影響とは?払えないとどうなる?

新型コロナウイルスが世界中のいたるところで様々な影響を及ぼしています。

住宅ローンはその返済が家計支出に占める割合も高くなりがちで、不安を感じる人も多いでしょう。今後の住宅ローン金利や返済に困ったときの対応などを確認しておきましょう。

金利について

2020年4月の住宅ローン金利は月の最初に数値が発表されたこともあり、新型コロナウイルスの影響を大きく感じさせるものではありませんでした。新型コロナウイルスがまだ猛威を振るっていなかった2020年1月の金利との比較をしてみましょう。

変動金利型(優遇)

銀行 2020年1月 2020年4月
みずほ銀行 0.625% 0.625%
三菱UFJ銀行 0.625% 0.625%
三井住友銀行 0.625% 0.575%
りそな銀行 0.470% 0.470%

10年固定型(優遇)

銀行 2020年1月 2020年4月
みずほ銀行 0.850% 0.800%
三菱UFJ銀行 0.790% 0.650%
三井住友銀行 1.100% 0.950%
りそな銀行 0.700% 0.645%

フラット35最頻金利(融資率9割以下/新機構団信付き)

返済期間 2020年1月 2020年4月
21年以上 1.270% 1.300%
20年以下 1.220% 1.230%

この間の日経平均は2020年1月、23,000円~24,000円に対し、同2020年4月、18,000円~19,000円程度で推移しています。新型コロナウイルスが株価に及ぼしたダイナミックな動きに対して、現時点の数値を見る限りでは、住宅ローン金利への影響は大きくないと言えるでしょう。

住宅ローンの固定金利期間選択型や長期固定型と相関関係にある円金利スワップレートや10年国債は3月上旬から中旬にかけて上下に大きく揺れましたが、4月になってからはどちらも安定しています。

変動金利は無担保コールレート(オーバーナイト物)の影響下にありますが、3月16日に行われた日銀の金融政策決定会合では、新型コロナウイルスの影響が主要な議題となったものの、無担保コールレート(オーバーナイト物)については特に言及がありませんでした。

緊急事態宣言が最初に出たのが4月7日。4月16日には全国へ措置が拡大されました。5月の金利はこのことをふまえて決定されますので、まずは5月の金利の動きに注目すべきでしょう。

今後、住宅ローン金利についてもっとも影響が懸念されるのは、現在住宅ローンを借り入れている人が、新型コロナウイルスの影響で返済できなくなる事態が増えていくことです。このような債務不履行が増えると、金融機関は貸しだしに慎重になり金利を上げざるを得ません。新型コロナウイルスの問題が長引くとその可能性は高まるでしょう。

住宅ローンが払えない場合の措置について

住宅ローンの返済が難しくなったときのセーフティネットの整備は、今後の大きな課題です。

アメリカでは住宅ローンの支払いについて、全米で約300万世帯が何らかの減免措置を得たとの調査結果が米抵当銀行協会から発表されています。

イギリスでは一部の地域で住宅ローンの支払いを3ヵ月間猶予するという救済策を講じることがすでに発表されています。

では、日本はどうでしょうか。

現時点では、住宅ローンの返済で大規模な救済がなされたという声や、国が主導して何らかの政策を行うという動きはありません。全国銀行協会から「新型コロナウイルスの影響でお困りの皆さまへ」というアナウンスも出ていますが、中身を見る限りどこまで具体的な救済を得られるかは不透明です。

実効性のある策は、個別の金融機関等に委ねられているのが現状です。いくつか例をあげてみましょう。

返済期間の延長

住宅金融支援機構(フラット35)では、すでにある仕組みをベースに返済期間の延長に対応します。条件を満たせば返済期間の延長(最大15年)ができ毎月の返済額を減らすことです。また、現に失業している場合などは、元金据置期間(利息のみを支払う期間)が最長3年間設定できます。

いずれの方法も毎月の返済額は減少しますが、総返済額は増えてしまう点は注意が必要です。

条件変更の手数料免除

返済条件を変更するときは、通常であれば数千円から1万円程度の変更手数料が生じますが、それを免除する取り組みです。京葉銀行や、滋賀銀行、広島銀行、南日本銀行、沖縄銀行などが行っています。

融資実行日の延期

新型コロナウイルスの影響で住宅の着工や引き渡しが遅れるケースが出てきています。そのため、入居できていない状態で融資が行われ、金利負担だけが生じることを避けるため融資実行を延期する取り組みが北陸銀行や北海道銀行などで行われています。

住宅ローンが払えないとどうなる?

もし、住宅ローンの返済が厳しくなりそうならすぐに金融機関に相談しましょう。金融機関も消費者の相談を積極的に受けるようにしています。まずは電話をすることです。

相談なく住宅ローンを延滞してしまうリスクには次のようなものがあります。

  • 遅延損害金が発生する可能性がある。
  • クレジットカードや各種ローン等の利用ができなくなる可能性がある。
  • 優遇金利で借り入れている場合、適用金利が引き上げられる可能性がある。

金融機関は延滞に対して上のような措置を講じることができます。最初の1ヵ月の延滞でいきなりこうしたペナルティが科せられるとは限りませんが、相談があるかないかで金融機関の対応も大きく変わります。

金融機関に相談することで、返済プランの見直しや期間延長などにも応じてもらえるかもしれません。先に紹介したように、今は返済条件の変更手数料がかからない銀行もあります。

どうしても返済が難しく、住宅を手放す可能性があるなら、早めに決断するほうがよい結果をもたらす可能性が高くなります。

返済が滞り保証会社の申し立てによって行われる「競売」は、市場で売却する価格の6~7割まで下がると言われています。通常、売却によって住宅ローンが完済できないとき、その家を売りに出すことはできませんが、金融機関等の了承を取り付けた「任意売却」という方法を使えば売却も可能です。借入額を大きく減らし、返済への道筋がつけられるかもしれません。
関連記事:住宅ローンが払えないとどうなる?滞納時の対策と任意売却の流れを徹底解説

住宅ローン減税の適用条件の弾力化

最後に、住宅ローン減税の対応についても確認しておきましょう。新型コロナウイルスの影響によって、変更された住宅ローン減税の要件変更は次の2点です。

  • 入居期限を令和2年12月31日から、令和3年12月31日まで延期。
  • 既存住宅を購入し増改築を行っている場合は、入居期限を住宅取得の日から6ヶ月以内から、増改築等完了の日から6ヶ月以内に延期。

いずれも、一定の要件を満たした条件で適用されますので、該当しそうな場合は国土交通省のホームページなどで詳細を確認するようにしましょう。

鈴木玲
FP・住宅ローンアドバイザー

こんにちは。2級ファイナンシャルプランナーの鈴木です。

住宅関連の雑誌編集者を4年間、Webディレクターを10年間経験したのち、個人事業主として独立。独立によって様々な金融問題に直面し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

税金や保険、資産運用など要点をまとめてわかりやすく情報提供していくことを心掛けて活動しています。 例:パートだから社会保険に加入したくない。【2020年の条件は?】

最近は、やさしい日本語を使った情報発信にも積極的に取り組んでいます。

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