住宅ローンが苦しいと思ったら…まず見直すべき4つのこと

住宅ローンが苦しいと思ったら…まず見直すべき4つのこと

住宅ローンの返済は苦しい時間が長くなればなるほど、精神的にも経済的にもしんどくなり、選択肢も限られてきます。

少しでも返済に不安を感じるようなら、先手先手で対応していきましょう。

【現状分析】どうして返済が苦しくなったのか?

なぜ、住宅ローンの返済が苦しく感じるのか。理由が明らかな人もいれば、複数の事情が重なりあって苦しくなる人もいるでしょう。返済は急に苦しくなることもありますし、じわじわと苦しくなることもあります。

苦しさを解決するには、まずその理由をはっきりさせることが大切です。

収入が減った

収入が減って住宅ローンの返済が苦しくなるのは、住宅ローンの返済以外に使えるお金が少なくなるからです。

住宅ローンの返済方法には毎月の返済額が一定になる「元利均等返済」と、返済が進むにつれ返済額が少なくなる「元金均等返済」があります。多くの人は毎月の返済額が変わらない「元利均等返済」を返済方法として選んでいます。

「元利均等返済」では、収入が減ると支出に占める住宅ローンの負担割合が上昇します。返済が進んでも毎月の返済額は減らないので負担割合が高止まりした状態が続き、心理的にも負担が大きくなります。

収入が減る前と後で住宅ローンの負担割合にどれくらいの違いがあるかを把握できていると、問題の検知や今後の対応がしやすくなります。

支出が増えた

住宅ローンの返済以外の支出が増えると、住宅ローンの返済に回せるお金が少なくなり返済が苦しいと感じるようになります。

支出が目立って増えるのはライフスタイルが変化するときです。子育てや介護、単身赴任による2重生活などがこれに当たります。

支出の増加がなぜ起きたのか。その増加は金額にするとどれくらいで、いつまでそれが続くのか。今後のために把握しておきたいのはこうした点です。

繰上返済をしてこなかった

住宅ローン返済が苦しくなる理由のひとつに、繰上返済をしなかったことによる当初予定との乖離があります。

繰上返済には毎月の返済額を減らさずに返済期間を短くする「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。

「返済額軽減型」での繰上返済を予定していた人が、何らかの理由で繰上返済をしなかったときに、当初の想定よりも毎月返済額が高いままの返済が続くと、どこかで苦しさを感じるはずです。

繰上返済をしなかった過去は変えることができませんが、今後に生かすためになぜしなかったのかは把握しておいた方がよいでしょう。

【今後の見通し】今が苦しいのか、これからずっと苦しいのか?

返済が苦しい理由が整理できたら、次はその理由によって返済の苦労がどれくらい続きそうか考えてみましょう。

目前の返済額が苦しい

たとえば夫婦共働きで返済をしていたけれど、妻が出産と育児のためしばらく会社を休んで収入が一時的に減る。あるいは、子どもが私立の学校に進学し卒業までの出費が用意していた教育費よりもかさむ。

こうしたケースは、一時的に返済が苦しいと感じるようになります。目前の期間への対応が喫緊の課題です。

長期的な返済が苦しい

転職による収入減や、長引く家族の介護、家族構成の変化などによる家計の変動は先が見通せない場合もあります。また、明確な理由がなく、じわじわと返済が苦しくなることもあるでしょう。

どちらのケースも苦しみがいつ解消されるかはっきりしない点が共通しています。原因となっていることを自分の力で解消できるものなのか、そうでないのかで対処の仕方も変わってくるはずです。

【具体的な対策】苦しみから逃れるためにできること

どの対策が有効かは原因や状況によって異なりますが、基本的には対策を組み合わせて状況を改善していくことになります。ひとつの方法で問題が一気に解消できることは稀です。

家計の見直し

住宅ローンの返済が苦しくなったときに、一番基本となるのは家計の見直しです。家計簿の作成は見直しの基本です。家計簿の作成がまだの人はまずここから始めましょう。

家計の見直しをしやすい項目にあげられるのは「食費」「通信費」「保険料」です。食費は支出に占める割合が大きいため、工夫次第で影響が大きくなること。通信費は格安スマホを利用するなど改善の余地が残されている家庭が多いことなどがその理由です。

保険料は住宅ローンとも密接にかかわってきます。

通常、住宅ローンを借り入れるときは団信(団体信用生命保険)に加入していて、死亡もしくは高度障害になったときに残債の支払いが免除されます。これとは別に掛け捨ての生命保険に加入している場合、保険料をかけすぎになっているかもしれません。また、被保険者の年齢が上がるごとに生命保険でまかなうべき遺族の必要保障額は少なくなるのが一般的です。若いころにかけた保険が過剰な保障になっていないか、確認してみましょう。

返済方法の見直し

住宅ローンの返済方法は、一度決めたらずっとそのまま同じ、とは限りません。返済が苦しいときは、事情によって返済方法の見直しも可能です。

たとえば住宅金融支援機構(フラット35)は、返済方法の変更がメニューとして存在します。離職や病気等で収入が減少したときは返済期間の延長によって毎月返済額を少なくする。目前の支払いが厳しいときは一定期間に限り毎月の返済額を少なくする。ボーナス返済が負担になっているときはボーナス分の返済額を変更したり取りやめたりする、などです。

目前の返済額が苦しいという人であれば、こうした返済方法の見直しは有効です。借入中の金融機関に相談しましょう。ただし、いずれのケースでも総返済額は増えることになりますので、その点は注意してください。

住宅ローンの見直し

住宅ローンには借り換えという方法もあります。今借りている銀行から別の金融機関へ借入先を変えることができるのです。

借り換えは、今借りている金利と新しく借りる金利の差が大きいほどメリットが出ます。目安は金利差0.5%以上です。また、残高が大きければ大きいほど、残りの返済期間が長ければ長いほどその効果も大きくなります。

実際、多くの金融機関が住宅ローンの借り換えを行っていて、なかには新規よりも借り換えのほうをメインにプロモーションしているところもあるほどです。

借り換えは今の借り入れ条件と借換後の借り入れ条件、さらに借り換え時の手数料等を考慮してメリットが出るかどうかを算出します。算出は借り換えを検討している金融機関がサポートをしてくれますので相談してみましょう。

所有の見直し

返済の原因を特定し、できる対策もすべて行ったが苦しい時期の終わりが見通せない。残念ながらそういったケースもなかにはあるでしょう。

住宅ローンの滞納が現実味を持つようであれば、所有を見直すことも考えてみましょう。住宅ローンの残債がある状況でその家を売却する場合、売却時に残債をすべて清算する必要があります。また、売却後の新生活の準備も考えると、家は少しでも高く売りたいはずです。

住宅ローンを滞納してしまうと売却活動にも様々な制約が生じ、高値で売れる機会を失う可能性があります。事態が競売まで進むと価格は市場価格の70%程度になることも普通にあることです。

住まいには所有以外にも選択肢はあります。所有にこだわりすぎないことも、返済の苦しみから逃れる手段の一つです。

鈴木玲
FP・住宅ローンアドバイザー

こんにちは。2級ファイナンシャルプランナーの鈴木です。

住宅関連の雑誌編集者を4年間、Webディレクターを10年間経験したのち、個人事業主として独立。独立によって様々な金融問題に直面し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

税金や保険、資産運用など要点をまとめてわかりやすく情報提供していくことを心掛けて活動しています。 例:パートだから社会保険に加入したくない。【2020年の条件は?】

最近は、やさしい日本語を使った情報発信にも積極的に取り組んでいます。

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