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どう立ち向かう?新型コロナと不動産

新型コロナによる入居延期で「住宅ローン減税」はどうなる?要件緩和を簡単に解説!

新型コロナによる入居延期で「住宅ローン減税」はどうなる?要件緩和を簡単に解説!

新型コロナウイルスの影響で、住宅ローン減税のメリットを最大限享受できない可能性が生まれています。

国は新型コロナウイルスの影響であることを示す要件を満たした場合は、既存の制度に対して弾力的な措置を取ることを決定しました。あらためて住宅ローン減税の内容を確認するとともに、この弾力的な措置がどのようなものなのか、確認してみましょう。

住宅ローン減税について 

まず、現行の住宅ローン控除について基本的な部分を整理しましょう。

基本制度

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れて、一定の要件を満たす住宅の購入や新築、リフォームを行った場合に利用できる税額控除のことです。

税額控除とは、本来納付すべき所得税額から該当金額分を除くことです。住宅ローン控除の場合、会社員であれば源泉徴収で差し引かれている所得税から控除額が還付という形で戻ってきます。個人事業主であれば確定申告で所得税額を計算する際に、控除額分が税額から差し引かれます。また、所得税額が住宅ローン減税の控除額より少ないときは、差額の一部を住民税からも控除してくれるという特徴があります。

控除額ならびに控除年数は対象となる住宅の種類や、購入時の消費税額によって異なります。この記事は新型コロナウイルスと税制の仕組みの弾力化について紹介しているため、既存の制度については平成26年4月以降の入居者が該当する条件で話を進めます。

個人間売買等で消費税がかからない中古住宅等の購入の場合

  • 1年間の控除額の上限:20万円
  • 控除期間:10年
  • 最大控除額:200万円

消費税率8%が適用される住宅の購入、新築等の場合

  • 1年間の控除額の上限:40万円(50万円)
  • 控除期間:10年
  • 最大控除額:400万円(500万円)
    ※( )内は新築・未使用の長期優良住宅、低炭素住宅の場合。

消費税率10%が適用される住宅の購入、新築等の場合

  • 1年間の控除額の上限(10年目まで):40万円(50万円)
  • 控除期間:13年
  • 最大控除額:400万円+α(500万円+α)
    ※( )内は新築・未使用の長期優良住宅、低炭素住宅の場合。

1年間の控除額は、年末借入残高の1%です。たとえば消費税率8%適用の新築住宅で、初年度の年末借入残高が5,000万円だとします。5,000万円×1%は50万円ですが1年間に控除できる額には上限があります。この場合、初年度の控除額は40万円になります。仮に10年後に年末借入残高が2,000万円になっていた場合は、その年の控除額は2,000万円×1%で20万円になります。

控除額の計算の仕方については、イメージできたでしょうか。住宅ローン控除を受けるには建物だったり本人の所得だったり、他にもいろいろ要件があるのですが、今回の適用要件の弾力化の対象となっているのはそのなかのひとつ、入居時期です。

現在の入居時期の基準について説明します。消費税がかからない中古住宅等の購入、または消費税率8%が適用される住宅の購入、新築等の場合は、取得の日から6ヵ月以内に入居する必要があります。一方、消費税率10%が適用される住宅の購入、新築等の場合は令和2年12月31日までに入居することが要件となっています。

消費税率10%時の特例

住宅ローン控除は消費税率が10%になった時に特例という形で、既存の住宅ローン控除制度から拡充を行いました。上で紹介した控除期間や最大控除額、入居時期が消費税率10%の場合が他と異なるのはそうした事情からです。

ここでは、この特例の内容をより詳しく見ていきましょう。

一番の違いは控除期間が10年から3年延びて13年になっている点です。制度として少しややこしくなるのは、延長された3年間については、1年間の控除額の上限を計算する方法がそれまでのもの変わるからです。

具体的には以下のうち、より小さい額が控除額となります。なお計算の上限額は長期優良住宅、低炭素住宅ではない一般住宅の場合です。

① 借入金年末残高(上限4,000万円)の1%
② 建物購入価格(上限4,000万円)の2%÷3

シミュレーションをしてみましょう。借入額3,500万円(返済期間30年、金利1.5%、元利均等返済)で、建物価格は2,500万円とします。

年数 借入残高 ①借入金年末残高の1% ②建物購入価格×2%÷3
1年目 3,406万円 34.06万円 ---
2年目 3,312万円 33.12万円 ---
3年目 3,216万円 32.16万円 ---
4年目 3,119万円 31.19万円 ---
5年目 3,020万円 30.20万円 ---
6年目 2,919万円 29.19万円 ---
7年目 2,818万円 28.18万円 ---
8年目 2,714万円 27.14万円 ---
9年目 2,609万円 26.09万円 ---
10年目 2,503万円 25.03万円 ---
11年目 2,395万円 23.95万円 16.66万円
12年目 2,285万円 22.85万円 16.66万円
13年目 2,173万円 21.73万円 16.66万円

このケースでは11年目以降の控除額はふたつの計算式のうち額が小さくなる②で計算した16.66万円になります。

新型コロナウイルスの影響による「住宅ローン減税の適用要件の弾力化」とは

あらためて今回、住宅ローン減税の適用要件に対して取られた弾力的な措置の内容を確認しましょう。

弾力的な措置として要件が緩和されるのは、入居期限です。対象となる住宅の種類や、購入時の消費税額ごとに現在の要件と、弾力的な措置後の要件を比較してみましょう。

  • 既存住宅取得後の増改築工事等の遅れで入居期限を過ぎてしまう場合
現在の要件 弾力的な措置後の要件
既存住宅取得の日から6ヵ月以内に入居 増改築等完了の日から6ヵ月以内入居
  • 消費税率10%が適用される住宅の購入、新築等の場合
現在の要件 弾力的な措置後の要件
令和2年12月31日までに入居 令和3年12月31日までに入居

いずれの場合も弾力的な措置後の要件は、引き渡しや増改築等の契約日が別に定める要件を満たしていることと新型コロナウイルスの影響で入居が遅れたことを証明する必要があります。

住宅ローン減税の手続きは、1年目は最寄りの税務署で確定申告を行います。弾力的な措置による摘要を申請する場合は、税務署へ以下の書類を提出することになります。作成は不動産会社や工務店など契約事業者が行いますので、事業者とも緊密に連携のうえ提出してください。

入居期限に関する申告書兼証明書

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鈴木玲
FP・住宅ローンアドバイザー

こんにちは。2級ファイナンシャルプランナーの鈴木です。

住宅関連の雑誌編集者を4年間、Webディレクターを10年間経験したのち、個人事業主となりました。独立によって様々な金融問題に直面したことから、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

税金や保険、資産運用など要点をまとめてわかりやすく情報提供していくことを心掛けて活動しています。 例:パートだから社会保険に加入したくない。【2020年の条件は?】

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