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どう立ち向かう?新型コロナと不動産

新型コロナの影響で補正検討の「2020年路線価」利用シーンから考える見直しの影響

新型コロナの影響で補正検討の「2020年路線価」利用シーンから考える見直しの影響

国税庁は7月1日、2020年分の路線価を発表しました。全国約32万地点の標準宅地の路線価は19年比で1.6%のプラス。これで5年連続の上昇です。新型コロナウイルスの猛威がいまだ去らないなか、今回発表の路線価はどのように評価すべきか、考えてみましょう。

2020年路線価。5年連続上昇も課題あり

まずは発表された路線価のおさらいです。全国平均は冒頭に記載した通り前年比で1.6%のプラスで、5年連続の上昇になりました。都道府県別では前年比で上昇したのは21都道府県。昨年は19都道府県でしたのでわずかではありますが増えています。なかでも上昇率が高かったのは次の地域です。

沖縄県 +10.5%
東京都 +5.0%
宮城県 +4.8%
福岡県 +4.8%
北海道 +3.7%

都道府県庁所在地の最高路線価も注目度の高い指標です。前年から上昇したのは38都市で昨年の33都市から増えています。横ばいが8都市で、下落したのは茨城県の水戸市のみです。また、地域別にみると上昇率が高かったのは次の地域です。

那覇 +40.8%
大阪 +35.0%
横浜 +34.5%
京都 +18.1%
神戸 +17.6%

インバウンド効果が高い地域や再開発が活発な地域で特に大きな上昇が見られました。全体としてはこれらの数値に引っ張られるようにして、おおむね上昇傾向にあるというのが一般的な判断です。

しかしこの調査は2020年1月1日時点を基準としたもので、今回の新型コロナウイルスについては全く考慮されていません。そのため特にインバウンド特需などのあった地域では、実態との乖離が大きくなっていると言われています。新型コロナウイルスによって、今年発表の路線価は大きな課題を抱えてしまったのです。

コロナ禍の影響で見直しも? 公示地価・基準地価と路線価

新型コロナウイルスの路線価への影響は、これまで予期していなかったことを引き起こす可能性があります。公示地価・基準地価と路線価の逆転現象です。

ここで公示地価・基準地価と路線価の関係を確認しておきましょう。

まず公示地価です。公示地価は一般の土地取引の指標となるよう設定されている価格です。国土交通省が決定するもので毎年1月1日を基準日とし3月に発表されます。当然今年もすでに発表がありました。その時も基準日が1月1日になっているため、コロナ禍の影響を考慮できていない点が懸念されていました。

続いて基準地価です。意味合いは公示地価と同じです。決定機関は都道府県になり、より細かい地点調査を行うことで公示地価を補完する役割を担っています。基準日は毎年7月1日です。2020年に発表される公的な土地価格として初めて新型コロナウイルスの影響後の数値となります。注目の発表は9月に行われます。

そして今回発表された路線価です。路線価は相続税や贈与税の計算の基礎となる数値です。公示地価・基準地価のおおむね80%程度の価格になるよう設定されています。毎年1月1日を基準日とし発表は7月1日です。

今後のスケジュールを考えると、問題が顕在化するのは9月の基準地価の発表でしょう。新型コロナウイルスの影響から価格が大幅に下落する可能性があり、場所によっては路線価と基準地価の逆転現象(路線価のほうが基準地価より高くなる)が起こることも想定されています。路線価は公示地価・基準地価のおおむね80%程度の価格に設定されるものなので、本来これはありえない、あってはならない事態です。

国税庁は、そのような逆転現象が起こる地域に対しては、一部対象地域を決めたうえで、路線価の補正率などを定めることを検討している模様です。補正の発表は10月以降と見込まれています。

路線価の利用シーンで考える、見直しの影響

路線価の数値が変わるということが、具体的にどんな影響を及ぼすのか、サンプルをもとに考えてみましょう。

路線価を使うのは主に不動産を相続したときです。相続した不動産にどれくらいの価値があるか。それを決めることを「評価」といいます。路線価は相続した土地、贈与された土地の評価をするために使われる数値です。

たとえば、土地180平方メートルを相続し、その土地に面する道路の路線価が300千円(1平米あたり)だったとします。この時、土地の評価は次のようになります。

300千円×180平米=5,400万円
※奥行補正率等にる数値の変化はないものとする。

たとえばこの土地に対して国税庁が10月に新型コロナウイルスの影響による補正率を0.8としたなら、この土地の評価は300千円×0.8×180平米=4,320万円です。

もとの金額が大きいため、補正による差額も相当なものです。

土地の評価は高くなればなるほど、相続税が発生する可能性も、発生したときの税額も高くなります。このまま路線価の補正がなかったら、実態よりも高い評価をされた不動産を相続し、その税金を納めなければならない可能性が出てきます。

こうした観点から、路線価の補正は適切な動きと見ることができます。

9月発表の基準地価に注目

9月の基準地価が新型コロナウイルスの影響をどれくらい見込むのか。その結果、路線価に対して補正が行われるのか。行われるならその程度はどのくらいになるのか。

相続や贈与の可能性がある人にとっては、今回の路線価もさることながら、9月の基準地価の発表が大きな意味を持つことになります。

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