新型コロナの影響でマンション・戸建て価格は下がったのか?

新型コロナの影響でマンション・戸建て価格は下がったのか?

緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナウイルスをめぐってはこれまでに経験したことのない事態に日本中が巻き込まれました。人々が姿を消し賑わいを失った街の様子や、小中学校が一斉休校となっていく様を見て、多くの人が恐れおののいたことでしょう。

一時に比べ状況は改善し、経済対策の一環として「GO TO」シリーズも次々に展開されるなか、これからの世界についての議論が活発になっています。不動産もそうした話題のひとつで、特に取り上げられる機会が多いのは、価格が下がるのかどうかという点です。

5月、6月頃にはインターネットに「不動産大暴落」という言葉も飛び出ていました。不動産を取り巻く環境は今どのようになっているのか、一度整理してみましょう。

中古住宅ではすでに価格上昇!?

新型コロナウイルスの影響が色濃い4月、5月、6月ごろ。不動産に関する記事の多くは、不動産の価格は下がるという論調でした。経済の失速、外国人の入国制限、テレワークへの移行など、不動産の市況にプラスとなる状況はほとんどないように思われました。

中古住宅ではすでに価格上昇の機運も

では、実際に新型コロナウイルスの影響が不動産の価格に影響をもたらしたのか否か。データを確認してみましょう。

ここからは、不動産流通センター研究所が10月12日に発表した「指定流通機構の物件動向(令和2年9月)」のデータをもとに話を進めていきます。

全国の9月の中古マンションの成約価格の平均は2,952万円と、4月・5月と価格は下がりましたが、その後上昇傾向にあります。コロナ以前の価格に戻っており、前年同月比で5.09%の上昇という結果になりました。

また、中古一戸建ての成約価格の平均は2,344万円で、こちらも4月・5月と価格は下がりましたが、その後上昇・横ばい傾向にあり、コロナ以前の価格に戻っていることがわかります。
こちらは、前年同月比1.65%の上昇です。

つまり、全国的にてみて、中古不動産の価格は、新型コロナウイルス前の昨年9月と比較して上がっているのです。 この動きは流通量の多い、首都圏、近畿圏でも同様です。それぞれ成約価格の平均と前年同月からの増減を確認してみましょう。

・首都圏

  • 中古マンション 3,724万円(前年同月比+7.01%)
  • 中古一戸建て 3,266万円(前年同月比+2.63%)

・近畿圏

  • 中古マンション 2,379万円(前年同月比+4.31%)
  • 中古一戸建て 2,117万円(前年同月比+4.43%)

新型コロナウイルスショックが世間に蔓延していた4月、5月は全国的に不動産価格は値下がりし、前年同月比でマイナス10%以上、なかにはマイナス20%を超える地域もありました。しかし6月以降は価格は上昇に転じ、直近はまるで新型コロナウイルスなどなかったかのような水準まで戻ってきています。

回復からまだ4ヶ月しかたっていませんので、これをもって新型コロナウイルスの不動産価格に対する影響は今後もないと断定することはできませんが、コロナの影響で戸建て・マンションの価格が下がると、断定できる状況にないことは間違いありません。

新築マンション発売戸数大幅減のショック

一方で、新築マンションは発売戸数が大幅に減ったことに注目が集まりました。
不動産経済研究所が発表した5月の新築マンションの発売戸数は393戸。過去最少の数値です。月の発売戸数は2,000~3,000戸が普通、月によっては6,000から7,000戸が売れる首都圏の新築マンションが400戸を下回るというのは、衝撃的な結果でした。

では価格の動きはどうだったでしょうか。実はそれほど動きはないのです。同研究所がまとめた2020年4月から9月の首都圏新築マンションの平均価格は6,085万円で前年同期比1.3%のプラス。平米単価93.1万円も同3.3%のプラスでした。ここでも価格は下がるどころか、わずかではありますがプラスになっているのです。

これは供給元であるデベロッパーがコロナ禍での需要減を見越して市場に出す数を調整しているためと言われています。需要の減退が一過性のものであれば、価格は大きく動くことなく発売戸数が徐々に戻っていくというのが、一般的な見方です。

今後の不動産市場の見極め

直近のデータを見る限り、新型コロナウイルスは不動産の価格に影響を及ぼしていないように思いますが、今後もそれは変わらないのでしょうか。

人はどう動いているのか

コロナ禍では人の動きも注目されました。7月、8月には東京都で初めて転出超過。川崎、船橋、浦和など交通利便性の高い郊外は、東京から流れてきた人の受け皿として、今後ニーズが高まる可能性はあります。

地方創生を期待する人のなかには、都市から地方へと人の流れが進むことへの期待感もありますが、現時点で結果として表れている数値はありません。テレワークが部分的な活用にとどまらざるを得ないこと、住宅購入者の多くを占める家族世帯では子どもの教育の面などから簡単に地方移住は決断できないことなどがその理由にあげられています。

仮に、今後東京(特に都心部)からの転出が増えていくような事態になれば、少なからず不動産の価格に影響を及ぼすことはあるでしょう。その意味では、人がどう動いていくかは、継続的に注視すべき数値です。

経済の行方と、個人の給与額への影響

経済の動向は住宅市場においては非常に重要な要素です。特に個人の収入への影響は市場動向に直結する可能性があります。

厚生労働省が毎月出している勤労統計調査では、名目賃金を示す現金給与総額は、直近の8月分で前年同月比1.3%減の273,243円でした。現金給与総額はこれで5ヵ月連続で低下していることになります。

最も影響の大きかった5月に比べると、持ち直しの傾向にありますが、低調な期間が長く続けば需要は冷え込み、不動産の価格にも影響を与えるかもしれません。

不動産の購入には賞与の役割も大きいことから年末賞与、さらには来夏の賞与の動向も見逃せないファクターです。

コロナ禍は一時的なショックか、構造的な変化か

現時点のデータだけを見ると、不動産市場は4月5月に一時的な影響はあったものの、今は回復傾向にあると言えます。

しかし、新型コロナウイルスは未曽有の出来事であり、世界はそのただ中からまだ抜け出せていません。世界を見渡せばスペインで10月25日に再度の非常事態宣言が出されるなど、終息にはほど遠い状況です。

こうした状況が続けば、人々の生活様式が構造的に変わる可能性はあります。テレワークがさらに浸透するようなことになれば、不動産に求められる価値基準も変わるでしょう。東京一極集中のトレンドも過去のものになるかもしれません。

働き方の変化は、貧富の差につながる可能性もあります。不動産市場で重要な役割を果たす中間層が減少すれば、不動産マーケットの様相は大きく変わるかもしれません。

価格への影響も含め、コロナ禍で不動産市場は一時的なショックを受けただけなのか、あるいは今後構造的な変化によって、より大きな変動が起こるのか、その見極めが重要になってくるでしょう。

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オウチーノニュース編集部

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