「不動産の生前贈与」が節税にならないケースとは?損しないポイントを税理士が解説

「不動産の生前贈与」が節税にならないケースとは?損しないポイントを税理士が解説

一定額以上の財産を贈与したら、贈与された人に贈与税がかかることはご存知でしょうか。

それは不動産であっても同じ。子どもに不動産を生前贈与して、相続税の負担を減らしたいと考える人もいますが、不動産の贈与は節税になるとは限らないので、課税方法を知っておきましょう。

不動産を贈与する場合の価格と課税方法

贈与税の計算をするとき、贈与された不動産の価格はどうやって決めるのでしょうか。答えは、相続税と同じ方法で課税評価額を求めるということです。

具体的に説明すると、贈与税を計算する際の不動産の評価額は、土地は路線価か評価倍率のどちらかをもとに算出し、建物は固定資産税評価額になります。どちらにしてもその時点の取引相場より低くなりますが、相続税の場合は「相続が発生した年の評価額」になり、贈与税の場合は「贈与された年の評価額」になるというのがポイントです。

さらに、贈与税には「暦年課税」「相続時精算課税」という2つの課税方法があり、どちらで申告するかを贈与された人が選択することができます。

基本となるのは「暦年課税」

暦年課税とは、1月から12月までの1年間に贈与された財産を合計し、そこから110万円の基礎控除を差し引いた金額に税率をかけて、贈与税額を計算する方法です。一般的にはこれが贈与税の基本的な申告方法で、贈与者が1人であっても複数でも関係なく、合計で年間110万円を超える財産を贈与されたら、受け取った人は申告・納税が必要になります。

暦年課税の場合、贈与税を計算する際の税率は、一般税率と特例税率があります。親や祖父母などの直系尊属から贈与された財産は特例税率が適用でき、一般税率で計算するより負担が軽くなる仕組みになっています。とはいえ、贈与税の税率は相続税よりも高くなるケースがほとんど。基礎控除などが異なるため単純には比較できませんが、たとえば、課税価格が1000万円の場合、相続税の税率は10%です。しかし贈与税の場合、特例税率でも基礎控除後の課税価格が200万円以下の部分だけ10%で、200万円超から段階的に税率が上がり、600万~1000万円以下の部分は30%が適用されるため、税負担は重くなります。

贈与税のほか、移転コストにも注意したい

不動産を贈与した場合、贈与された人はその不動産の所有権が移転したことを法務局で登記することが必要です。所有権の移転登記にかかる登録免許税は、相続の場合は不動産の価額に対して0.4%ですが、贈与では2%で、相続の5倍と高くなります。別途、都道府県から課税される不動産取得税もあります(軽減措置あり)。

ちなみに配偶者から居住用不動産の贈与を受けた場合、その年の基礎控除を含めて2110万円まで贈与税がかからないという配偶者控除があります。婚姻期間20年以上の夫婦で、同じ配偶者からは一生に一度だけ利用できる制度です。配偶者に自宅を生前贈与する際は利用するといいのですが、これを使う場合でも前述のような移転に伴うコストはかかるので、贈与された人の負担はゼロにはならないことに注意しましょう。

相続時精算課税制度は、節税にならないことも

不動産の贈与を考える際は、もう一つの課税方法である「相続時精算課税制度」についても知っておきましょう。この制度は、親や祖父母からの贈与は累積で2500万円まで贈与税がかからず、2500万円を超えると、超えた分に一律20%の贈与税がかかる仕組みです。複数年に分けて利用することもでき、2500万円に達するまでは受取時に贈与税がかかりませんが、この分は相続時の財産に加算され、相続税の対象になるというのが特徴です。

不動産の贈与はある程度大きな金額になるため、110万円超で贈与税がかかる暦年課税より、非課税額が大きい相続時精算課税のほうが有利に思えるかもしれません。しかし、その財産は贈与時点の価額で相続財産に加算され、相続税がかかる場合、受け取った人は贈与分と相続分の合計額に対して納税が必要です。先に支払った贈与税があればその人の相続税額から控除し、支払った贈与税のほうが相続税より多ければ、超過分は還付されます。贈与された分を相続税で精算するという考え方なので、相続税の節税になるとは限りません。

相続時精算課税制度の制度のメリットとデメリット

アパートやマンションなどの収益物件を生前に子どもに贈与すれば、以降の賃料は贈与した子どもに入るため、子どもの収入は増え、親は金融資産をそれ以上増やすことなく、相続税の負担を抑えられるというメリットはあります。一方で、贈与時より相続時のほうが不動産の評価額が低くなった場合でも、生前に贈与された不動産は贈与時点の評価額で計算するため、相続税の負担が重くなることもあります。贈与時と相続時のあいだの期間が長くなるほど、不動産の価格は変動する可能性があることに注意が必要です。

また、生前に贈与する不動産には評価額を軽減するような特例はないので、相続時に「小規模宅地等の特例」を利用できる土地であれば、生前贈与するのはもったいなく、相続時に取得させるほうが節税につながります。

相続時精算課税制度は、父母などの贈与者ごとに、贈与された人が制度を利用するかどうかを選択して、贈与された年の翌年に贈与税の申告で届け出ることが必要です。いったんこの制度を選択すると、暦年課税に戻ることはできません。それ以降、同じ相手からの贈与はすべてこの制度に加算されるので、そのつど申告することが必要です。

負担付贈与は時価になり、贈与税が高くなる

住宅ローンが残っている不動産を贈与したり、親の介護をすることを条件にその持ち家を贈与したりするケースもあります。こうした条件付きの贈与を「負担付贈与」といいます。所有する貸家を贈与する際に、貸借人から預かっている敷金を渡さない場合も負担付贈与とみなされます。

負担付贈与の場合、その不動産は贈与税・相続税のように通常の取引価格よりも低い評価額で税額を計算するのではなく、その時点の取引価格をもとにした時価で贈与税の計算をするため、受け取る人の税負担は重くなります。よほどの事情がない限り、負担付贈与は避けるほうが賢明でしょう。

監修・執筆:【相続専門】税理士法人レガシィ/小野修

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