管理費が高くなるのはどんなマンション!?築年数・戸数から考察してみた

マンションを購入したら、住宅ローンの返済とは別に毎月支払うお金があります。管理費と修繕積立金です。この記事では管理費にスポットを当て、そのお金の性質や平均的な金額について掘り下げていきます。
マンションの管理費とは?
最初に分譲マンションの管理費をいつ誰が払うのか、その使い道は何か?を考えてみましょう。
分譲マンションの管理費を払うのは、マンションの区分所有者です。支払い先はマンションの管理組合になります。ほとんどのマンションが、毎月1回、口座振替で支払う決まりになっています。各区分所有者が負担する管理費は、同じマンションでも所有する部屋の専有面積に応じて変わります。たとえば80平米の部屋の所有者が支払う管理費は、40平米の部屋のそれの2倍の額になっていると考えて差し支えありません。
各区分所有者から集められた管理費は日々のマンションの管理運営費用として支出されます。具体的な項目は次のようなものです。
- 事務管理業務費
- 清掃費
- 保守費
- 光熱費
- 保険料
- 消耗品費
このうちの多くは管理会社との委託契約に基づく費用です。それ以外の支出も管理会社を通して支払うことがほとんどです。
管理内容はどのようなもので、それぞれ費用をいくらにするのかはマンションの管理組合が総会の決議を持って決定します。区分所有者は必ず組合員であり、この決議に参加できますので、自らも管理内容に関して決定する大切な役割を担っていることになります。
修繕積立金との違い
管理費はこのような位置づけになっていますが、毎月のマンション管理組合への支払いにはもうひとつ、修繕積立金というものがあります。
管理費が日々のマンションの管理のために使われるお金であるのに対して、修繕積立金はマンションの共有部分を修繕するためのお金です。管理費は毎月の支出と支払いが連動しているのに対して、修繕積立金は修繕工事があるときに限り支出されます。修繕工事は高額になることが多いので、そのためにお金を毎月集め蓄えておくのです。
マンションの管理費の相場はいくら?
マンションの管理費には平均的な金額、いわゆる相場のようなものはあるのでしょうか?東日本不動産流通機構が2019年度に同機構を通して成約した首都圏の中古マンションの管理費の調査(「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金 (2019年度)」)がありますので、データを参照してみましょう。
前述のとおり、マンションの管理費は専有面積によって変わるので、総額平均ではなく平米単価で確認するほうが使い勝手のよいデータになります。同調査による首都圏中古マンションの月額管理費は1平米当たりの平均で 189円でした。70平米のマンションだとすると189円×70平米=13,230円が、平均的な管理費の金額になります。
実際には、マンションの特徴によって管理費は変動します。一般的に管理費が高くなりがちなマンションはどのようなスペックのマンションなのか、データを使って確認してみましょう。
管理費が高くなるのはどんなマンション?
まず、築年数と管理費の関係を見ていきましょう。築年別の平米あたりの平均管理費は次のようになっています。
築年 | 平米あたりの管理費 |
---|---|
築10年以内 | 220円 |
築11~20年 | 185円 |
築21~30年 | 197円 |
築31年超 | 165円 |
築10年以内の築浅マンションは築31年超のマンションに比べ、平米当たりの管理費は33%も高くなっています。管理費は経年化するにつれて下落する傾向にあることがデータから伺うことができます。
続いて、マンションの規模(総戸数)と管理費の関係も確認しましょう。
規模 | 平米あたりの管理費 |
---|---|
50戸未満 | 223円 |
50~99戸 | 193円 |
100~149戸 | 175円 |
150~199戸 | 178円 |
200戸以上 | 190円 |
規模が小さい、総戸数の目安で50戸未満のマンションでは明らかに管理費が平均よりも高くなっています。これは管理費の受け皿となる区分所有の数が少ないため、一戸当たりの負担が重くなるためです。
この理屈は100~149戸のラインまでは通用しますが、150戸以上になると平均値は反転し、平米あたりの管理費が高くなります。理由として総戸数が一定数以上になると管理対象となる共用施設の数やサービス内容がリッチになることが考えられます。受け皿は多くとも管理費の総額がそれ以上に増えてしまうため、一戸当たりの負担が重たくなるというわけです。20階を超えるような高層マンションも平米あたりの管理費が相場より高くなると言われますが、これも同様の理由からです。
これから分譲マンションを選ぶ人は築、築年数や規模を加味して管理費をシミュレーションしてみるとよいでしょう。
管理費は将来上がる?老後のマンション暮らしの注意点
管理費(修繕積立金も同様です)を考えるときに重要なポイントは、これが毎月の固定費である点です。住宅ローン返済中は月々の支払いに管理費等が加わりますし、住宅ローンを完済してもこれらの固定費は残り続けます。
先のデータで確認したように、管理費は経年化するにつれ下がる傾向にありますが、すべてのマンションがこれに当てはまるとは限りません。マンションによっては資産価値を維持するため新たな設備等を導入し、その管理メンテナンス費用が管理費に上乗せされることもないとは言い切れないのです。仮に管理費が下がっても、修繕積立金は経年とともに上がることが一般的なので、月の固定費はあまり変わらないかもしれません。
このようにマンションは、毎月の固定費用が少なからずありますので収入が少なくなる老後のことも頭に入れておく必要があります。管理費の負担がきつくなり支払えないからと、住み慣れたマンションを売るようなことは誰も望んではいないでしょう。
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こんにちは。2級ファイナンシャルプランナーの鈴木です。
住宅関連の雑誌編集者を4年間、Webディレクターを10年間経験したのち、個人事業主となりました。独立によって様々な金融問題に直面したことから、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。
税金や保険、資産運用など要点をまとめてわかりやすく情報提供していくことを心掛けて活動しています。 例:パートだから社会保険に加入したくない。【2021年の条件は?】