個人事業主の固定資産税は確定申告で「経費」にできる?

固定資産税は土地・家屋に対してかかるもの、事業用の償却資産に対してかかるものの2種類があります。この記事で取り上げるのは土地・家屋に対してかかる固定資産税です。個人事業主が確定申告するときの処理の仕方などを学びます。
固定資産税とは何か?
不動産を所有していると固定資産税がかかります。税をかけるのは不動産がある地方自治体です。毎年1月1日時点にその不動産を所有している人が税金を払うことになります。
固定資産税の一般的な税額の計算方法は次のものです。
- 固定資産税評価額×1.4%
1.4%の部分は標準税率と呼ばれるもので、この税率を目安に各自治体が個別に設定します。そのため自治体によっては1.5%や1.6%とやや高めに設定しているところもあります。
固定資産税の通知書は4月頃に送られてくることが多く、通知書に同封された納付書を使って納税します。銀行からの自動引き落としやクレジットカードでの支払いに対応している自治体もあります。
納期限は1年を4期に分けていることがほとんどです。期ごとの納期を4月、7月、12月、2月に設定している自治体が多いかもしれません。納期限までに忘れずに支払いましょう。
個人事業主の必要経費とは?
ここからは個人事業主が事業に使用している不動産にかかる固定資産税の扱いについての解説です。
その固定資産税は経費になるのか?
個人事業主にとって大事なことは、その固定資産税が経費になるのか、ということです。なぜなら、経費になるのであれば他の税金(所得税と住民税)が安くなるからです。
税金の額が決定するまでの流れを簡単におさらいしておきましょう。
- 収入-経費=所得
- 所得-所得控除=課税所得
- 課税所得×税率=税額
- 税額-税額控除=実際に納める税金
固定資産税が経費となれば、所得を少なくすることができます。所得が少なくなることは、実際に納める税金を少なくすることへと繋がっています。
この流れが理解できると、「収入」と「所得」の違いがよく分かります。意識していないと同じような言葉と捉えてしまいがちですが、経費を引く前の「収入」と引いた後の「所得」では、金額がまったく違う、ということも十分あり得ます。
税金のことを考えるなら、経費は多ければ多いほど税額を抑えることができますので、正当な経費は漏らすことなく計上することが鉄則です。個人事業主が支払う固定資産税ももちろんそのなかのひとつ。所有する不動産を事業用に使っているならば、その固定資産税を経費として計上しましょう。
確定申告における固定資産税の申告
では、確定申告に備え、固定資産税の経費計上の仕方を説明します。通常、次のどちらかの方法で処理されます。
固定資産税が決定した日に計上
税金がかかることが分かったタイミングで計上し、実際に税金を払ったときにも再度仕訳を行います。
・固定資産税が決定した日の処理
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 8万円 | 未払金 | 8万円 |
・実際に税金を払った日の処理
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払金 | 2万円 | 現金 | 2万円 |
支払いを4期に分けて行うなら、合計で5回、処理を行うことになります。
実際に税金を払った日に計上
実際に税金を払ったタイミングで計上する方法もあります。
・実際に税金を払った日の処理
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 2万円 | 現金 | 2万円 |
支払いの回数分だけ処理を行うことになります。一括で納税しているなら、支払い時に一度処理して終わりなので、この方法がシンプルで分かりやすいかもしれません。
固定資産税の勘定項目は?
勘定項目は上の仕訳例にもある通り、租税公課です。確定申告のフォーマットにも「租税公課」の項目はあります。間違えないように処理しましょう。
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2級ファイナンシャルプランナー。住宅ローンアドバイザー。
パートだから社会保険に加入したくない。【2021年の条件は?】ほか