親が元気なうちに知っておきたい!認知症対策に有効な「家族信託」のメリット・デメリットとは?

親が元気なうちに知っておきたい!認知症対策に有効な「家族信託」のメリット・デメリットとは?

こんにちは。キッズ・マネー・ステーション認定講師でファイナンシャルプランナーの伊藤まゆみです。

みなさんは「家族信託」という言葉をご存じでしょうか?「信託」と聞くと、つい投資を想像してしまい、なんだか難しそうで自分には関係ないかな?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。超高齢化社会に突入した日本では、2025年には高齢者人口の5人に1人が認知症になるという推計もあり(平成29年度高齢者白書)、今後さらにその数は増えていくものと思われます。

親の長生きは喜ばしいことですが、反面、親が認知症になった場合の財産管理は、意外にも身近に起こりうる問題です。

そこで今回は、親の認知症対策に有効な制度として近年注目されている「家族信託」について、ぜひみなさんに知っておいて頂きたいと思います。認知症になってからでは使えない制度なので、「元気なうちに!」がポイントです。

ちなみに投資信託の「信託」と言葉は同じですが、中身は全く異なります。

家族信託とは?

家族信託の概要

家族信託は、2007年に施行された比較的新しい制度で、「財産を持っている人が、その財産を信頼できる家族に託し、管理や処分を任せるしくみ」をいいます。いわば、家族による家族のための財産管理方法です。 信託には、「商事信託」と「民事信託」があり、信託銀行などへ信託報酬を払って、財産の管理・運用を任せる「商事信託」に対し、家族信託は「民事信託」の1つで、家族に任せるので、高額な費用がかからず、手軽に利用できる制度です。

家族信託のしくみ

家族信託は、委託者、受託者、受益者、の3者の関係で成り立ちます。

財産を持っている人(委託者=親)が、元気なうちに、信頼できる家族(受託者=子)に自分の財産の管理や運用、処分の権限を託し、誰がどのように引き継ぐのかを、あらかじめ信託契約として決めておく制度です。

受託者は契約に従って、得られた利益を、定められた受益者(一般的に親) に供給するという財産管理の方法です。

家族信託のメリットとは?

家族信託のメリットはたくさんありますが、代表的なものを3点あげてみました。

認知症対策として有効である。

親が認知症になっても、子の判断で親の財産の管理、運用や処分ができる。 親が認知症と診断されたり、脳梗塞等の病気で判断能力が低下してしまうと、親の財産は事実上、凍結されてしまいます。施設へ入居する資金として、家族が代わりに、親の預金を引き出すことも、定期預金を解約することも、親名義の自宅を売却することもできなくなります。 また親が収益用のアパートなどを持っている場合には、建替えや売却、賃貸借契約などができなくなる問題が出てきます。しかし、元気なうちに家族信託をしておくことで、親の判断能力が低下した場合も、資産凍結されることなく、受託者である子の裁量で決めることができるのは、大きなメリットといえます。

財産管理において、成年後見制度より手軽で柔軟である。

認知症対策の財産管理の方法としては、家族信託よりも前からある「成年後見制度」の方が一般的に知られているかと思います。

ここで成年後見制度について、少し触れておきます。

成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」がありますが、認知症になってからは、法定後見制度しか使えません。認知症になる前に備えておく制度という点で、任意後見制度と家族信託は同じですが、以下のような違いがあり、財産管理においては家族信託の方が使いやすいです。

  • 任意後見制度では、任意後見人、あるは任意後見監督人に弁護士や司法書士などの専門家をつけることがあり、その場合、定期的な報告義務が生じたり、専門家に支払う月々の報酬が、本人が完治するか亡くなるまで発生します。しかし家族信託は、第3者の関与がないので、そういった手間や負担がありません。

  • 任意後見制度は、本人の財産を守ることが目的であるため、財産を減らす恐れがあるような、積極的財産の運用はできないのに対し、家族信託では信託契約書に明記すれば、自由にできることから、任意後見制度よりも、柔軟に使える制度といえます。

遺言書の代わりとして使うことができる。

家族信託は、本人の死亡後の財産についても決めておくことができることから、遺言書の代用としても使うことができます。相続発生時の受益者(信託財産からの利益を得る人)を指定しておくことで、遺言書と同じ効果があります。また遺言書と違い、家族信託では財産の継承先を何代にもわたり決めておくことができます。例えば親が亡くなったら子へ、子が亡くなった場合は孫へというように、先々まで受益者を指定し、財産を継承させることができる点で、遺言書よりも広く意思を反映させることができます。

家族信託のデメリットや注意点とは?

家族信託のデメリットや注意点については以下の通りです。

受託者の横領、使い込みのリスクがある。

受託者である子には、財産管理という大きな権限が与えられている為、勝手に自分のために使い込んでしまうリスクがあります。そうなると、委託者や他の家族との信頼関係が壊れ、家族内紛争になることもあります。受託者を監視する「信託監督人」をおくこともできますが、信託契約を決める際は、あらゆる場合を想定して、家族みんなでよく話し合い、共通認識を持つことが大切になってきます。

身上監護(法律行為)は成年後見制度にしかない。

家族信託は財産管理や運用の点で、成年後見制度より使い勝手が良い制度ですが、身上監護については、成年後見制度にしかありません。身上監護とは、施設の入居手続きや、病院の入院手続きなどの法律行為のことで、こういった法律行為を本人に代わって行う場合には、家族信託でなく成年後見制度になります。また、家族信託と成年後見制度は、併用することも可能です。

信頼して託せる家族(受託者)がいない場合は、制度として利用できない。

家族信託は、託せる受託者があってこそ使える制度なので、受託者がいないことには使うことができません。

まとめ

家族信託はまだ広く知られていない制度ですが、認知症対策に有効な制度として、また任意後見制度や遺言書の代わりとして、今後ますます活用されていくものと思われます。 親に相続の話はなかなか持ち出しにくいですが、将来、大切な家族がもめたり困ったりすることがないよう、親の判断能力がしっかりしているうちに家族みんなで話し合って決めておきたいものですが人生100年時代と言われる昨今において、本来は『親の役目』と捉えるべきかもしれませんね。  

“備えあれば憂いなし” の家族信託、みなさんもメリットやデメリットを理解して、「もっと早めにやっておけばよかった!」とならない様に、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

執筆者:伊藤 まゆみ
キッズ・マネー・ステーション認定講師
ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント/2級心理カウンセラー
強く、賢く、自分らしい幸せの実現のために「マネー教育」、「キャリア教育」の大切さを広める活動をしています。

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