【2021】相続登記の義務化はいつから?罰則・問題点について解説

西風 恒一
監修: 大阪司法書士会 西風 恒一
【2021】相続登記の義務化はいつから?罰則・問題点について解説

2021年2月、法制審議会民法・不動産登記法部会の会議で、民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等についての要綱案が決定し、同年の4月21日に参議院本会議で2024年の施行を目処として成立しました。

この法律が成立したことにより、今後、土地や建物を相続する可能性がある方の中には、どのようなことが義務化されたか、期限内に相続登記の手続きをしないまま放置するとどうなるのかと不安を感じている方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、相続登記の義務化とはどのようなものか、従来とは何が違うのか、問題点はあるのか、義務を果たさない場合の罰則はあるのかなどを詳しく紹介します。相続登記の義務化の理解を深めたい方は、ぜひ一読してください。

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相続登記の義務化とは

まず、相続登記の義務化とは、どのようなものかを説明します。

相続登記の義務化の内容と改正ポイント

家や土地などの不動産の所有者が死亡した場合、相続が発生し、配偶者や子などの法定相続分割合で相続登記をするか、または法定相続人全員で話し合い(遺産分割協議)、誰が相続するかを決定します。そして、相続する人を名不動産の名義人とするには法務局への相続登記の申請が必要です。

しかし、これまではさまざまな事情により相続登記がされないことも多く、法的に相続登記が義務付けられているわけではなかったため、すでに亡くなった方(被相続人といいます)の名義のまま長期間放置されているケースが多くありました。

この相続による所有権移転登記を義務化しようとするのが、今回の法改正の大筋です。

相続登記の義務化の背景

先に述べた通り、これまでは不動産の登記名義人が亡くなった後、相続登記をするかどうかは相続人の意思にゆだねられていたため、相続登記がされないままになっているケースも多くありました。

しかし、不動産が被相続人の名義のままである場合には、たとえ相続人が売りたいと考えた場合でも、前提として相続登記をしない限りはその不動産を売却することができません。不動産取引をする場合には、登記名義人が契約者となって買主と契約し、登記申請をします。ですから、亡くなった人は契約ができないため、まずは相続登記をしないといけないわけです。

また、相続が発生しているにもかかわらず相続登記をせずに放置されているうちに、つぎの相続が発生してしまうケースが多く、そうなると話し合い(遺産分割協議)がまとまらなかったり、もはや相続人同士が疎遠になっていたり、相続人といえども一度も会ったこともないような関係性になっていくこともあります。そうなってしまうと、相続登記をするだけでも煩雑であり、ますます放置されていくことになります。

そのような不動産が全国でおびただしい数に上り、経済的損失が約6兆円になるような事態に至ったために、相続登記を義務化し、相続発生後早いうちに登記申請をすることで、この経済的損失額を抑えようとするのが今回の法改正というわけです。

所有者不明土地について

ここでは、相続登記の義務化の背景の一つとして挙げられる「所有者不明土地」について、詳しくみてみましょう。  

所有者不明土地とは

上述したような、だれが相続人でだれが管理すべき不動産かがわからなくなっているような、土地を「所有者不明土地」としており、その定義は「不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない、又は判明しても連絡がつかない土地」とされています。
引用:国土交通省「所有者不明土地を取り巻く状況と課題について」

単に所有者がわからないだけでなく、所有者の特定ができてもどこかに住所を移転してそのまま住所変更登記がされないためにどこにいるのかわからないような場合や、今回のテーマとなっている土地の登記名義人が死亡してから相続登記が数世代に渡って行われていないため、もはやだれがその不動産を承継すべきなのかもわからなくなっているような場合も所有者不明の状態のひとつです。

所有者不明土地の増加原因

所有者不明の土地が増加した原因の一つとして、さきほど説明したように相続登記をするかしないかが相続人の意思にゆだねられていたため、長期間放置された結果、相続人の所在がわからなくなってしまったことが挙げられます。

また、相続した土地にほとんど価値がないような場合、所有しているだけで管理費や手間がかかるため、わざと相続登記をせずに放置しているケースがあることも事実です。たとえば、地方の山林などの評価額は数千円の価値しかないものも多くありますから、その山林を相続登記して売却しようにもなかなか買い手が見つからないなどの事情も相続登記が放置される原因になっています。

所有者不明土地の問題点

このような所有者不明土地の問題点として、まず挙げられるのが土地の売買ができないことです。

たとえば、その土地を公共事業のために自治体が取得しようとしても、所有者がわからないため用地として取得できなかったり、取得できたとしてもそれまでに膨大な調査の時間や手間がかかったりするケースが挙げられます。

また、空き地のまま放置していることで、産業廃棄物や投棄物が溜まり、周辺地域に悪影響を与えるといった点も問題です。

相続登記の義務化のメリットと問題点

ここでは、今回の相続登記の義務化法によりどのようなメリットがあるのか、またメリットだけでなく問題点もあるのかについてみてみましょう。

相続登記の義務化のメリット

相続登記が義務化されることによるメリットとしてまず挙げられるのが、所有者が明らかになるため、売買などができるようになることです。さらに、公的なメリットとして、固定資産税などの請求先が明らかになります

相続登記をする人のメリットとしては、相続登記の手続きが簡略化できる点です。これまでの相続登記では、相続人が複数いる場合、全員の戸籍を集めるなど面倒な手続きが必要でした。しかし、今回の法改正では、具体的な手続き方法は未定ですが、複数の相続人のうち、1人が申し出れば手続きができるようになります。 「義務化する代わりに、難しい相続登記を少しだけ簡単にします」ということですね。

また、不動産を管轄する法務局で、登記名義人に相続が発生していることが上記の申告による把握できるなるわけです。

相続登記の義務化の問題点

相続登記の義務化には、問題点も指摘されていますが、相続する人にとって一番の問題点は、相続登記をしなかった場合に10万円以下の過料を支払わなければならない点です。

また、相続手続きが簡易化されることにより、正しく相続登記が行われるかどうかといった点も問題点として挙げられています。 そのあたりの具体的な手続き方法については今後の決定事項に注目したいところです。

相続登記の義務化における注意点

最後に、相続登記の義務化における注意点を説明します。

義務を果たさない場合の罰則

家や土地などを相続する人や相続予定のある人が注意しなければならない点は、義務を果たさない場合には罰則があることです。

不動産を相続したことを知ってから、正当な理由なく3年以内に相続手続きをして不動産の名義を変更しないと10万円以下の過料が発生します。例えば、複数の相続人の間で遺産分割がまとまらず、3年以内に相続登記が行えない場合は、相続人であることを申告することで義務が果たされたことになり、過料は課せられません。

義務化前にしておくべきことは?

相続登記は2024年までに義務化される予定です。相続登記の義務化は、法改正後に発生した相続だけでなく、法改正以前から相続登記していない不動産も対象となります。法改正の施行から3年間以内に相続登記を行えばよいことになっていますが、まだ相続登記をしていない場合は、早めにしておくことがおすすめです。

相続した不動産の名義変更が行われていないと売買ができないだけでなく、相続人の中に借金のある人がいた場合、その不動産が差し押さえられる可能性もあります。たとえば、相続人A、B、Cの三人がいた場合に、Cの借金が多く、ほかにめぼしい財産もない場合には、債権者が代わりに法定相続分で相続登記をして、Cの持分だけ差し押さえられてしまうこともあり。この場合には、AとBは関係ないのですが、自分が共同相続した不動産の権利の一部が差し押さえられているため、売却しようにもできなくなってしまいます。 また、相続登記を放置している間にさらに相続が発生した場合、のちの世代の子孫が困ることになります。

相続登記は早めにしておくことが大切

これまで不動産の相続が発生した場合、相続による登記の名義変更は相続人の意思にゆだねられていました。しかし、相続登記によって所有者の変更が行われていないことなどの原因により所有者不明の土地が増えてきていることなどから、相続登記が義務化される法改正が施行されることになりました。

相続登記の義務化にはメリットもありますが、相続する人にとっては義務を果たさない場合にはペナルティが課せられることになります。不動産を相続した際は、早めに相続登記をして不動産の所有者を相続人名義に変更しておきましょう。

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西風 恒一
監修
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西風 恒一

1972年生まれ。大学卒業後、大手の教育関連会社に就職し、10年間講師職、管理職としての経験を積んだのち、司法書士業界に入る。平成19年司法書士資格取得後、不動産登記、会社・法人登記、相続関係業務、債務整理、裁判関係、成年後見業務など、様々な案件を経験し現在にいたる。法律記事のライターとしても豊富な実績をもつ。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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