住宅ローンは「年収の何倍」が目安?今の年収で購入できるマンションの金額は?

住宅ローンは「年収の何倍」が目安?今の年収で購入できるマンションの金額は?

住宅ローンをいくら借りるのか。その金額を決める指標のひとつとなるのが年収です。借りる側だけでなく貸す側の金融機関にとっても、相手がどれくらい稼いでいるのかは、金額を決める大事な判断基準になります。年収をもとに、借りられる住宅ローンの額、そして購入できるマンションの価格を考えてみましょう。

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年収と住宅ローン限度額の考え方

住宅ローンで借りられる金額にはいくつかの種類があります。まず、金融機関が定めている上限額です。これは1案件に対する上限額で、借りる人や対象物件によって変わるものではありません。フラット35なら8千万円以内、都銀・地銀では多くの行が1億円以内を上限額として設定しています。

もちろん、この範囲であれば無制限に借りられるものではありません。借りる人の収入や、マンションの価格・担保価値によって銀行が貸してもいい金額というのが、案件ごとに査定されます。これを借入限度額または借入可能額と言います。借入限度額の決定方法については後ほど詳しく説明しますが、計算のベースとなるのは借り手の年収です。そのため「借入限度額は年収の5~7倍」というように、年収基準で借入限度額が説明されることもあります。

一方で、借り手は借入限度額まで借りなければならない、というわけではありません。借入金額は、頭金の額や無理のない毎月返済額をもとに、相応な金額で収める必要があります。同じ借入額であっても返済期間が20年と30年では毎月返済額は大きく変わりますので、借り入れを開始するときの年齢なども考慮する必要があります。どんなところに注意するかは、後ほど説明します。

銀行が決める借入限度額

お金を貸す銀行等の金融機関の視点で決まるのが借入限度額です。物件価格を上限とする商品が多いですが、なかには諸費用分も借入額に上乗せできたり、反対に物件価格の90%までというように物件価格よりも低いラインを設定しているケースもあります。物件価格をもとにした借入限度額については各商品を確認してください。

金融機関が借入限度額を決める際に重要視するのは、借り手の返済能力です。ここは個人差が生じやすいため、たとえ同じ物件でも借り手によって承認される借入限度額にはバラつきが生じます。通常、金融機関による年収をもとにした借入限度額の計算は次のように行われます。

1. 年間返済額を決める

  • 年間返済額=年収×返済負担率基準-ほかのローンの年間返済額

返済負担率基準は各金融機関が独自に設定します。30%~35%以下が一般的な目安です。

2. 借入限度額を決める

  • 借入限度額=年間返済額÷12÷100万円あたりの毎月返済額×100万円

「100万円あたりの毎月返済額」が少し分かりづらいですが、これは返済期間によって毎月の返済額が変わるため便宜的に設定しているものです。また審査には専用の金利(審査金利)が使われます。審査金利は実勢金利ではなく今後の金利上昇を見越して、やや高めに設定されていることがほとんどです。審査金利を4.0%としたときの100万円あたりの毎月返済額(元利均等返済の場合)を返済期間別にまとめたのが次の表です。

返済期間 毎月返済額
20年 6,060円
25年 5,278円
30年 4,774円
35年 4,428円

具体的な数値をもとに借入限度額のシミュレーションをしてみましょう。シミュレーションの条件を以下のように設定します。

・借り手の年収:550万円
・借入時の年齢:30歳(返済期間は35年を想定)
・ほかのローン借り入れ:なし
・返済負担率基準:35%以下
・審査金利:4%

まず年間返済額を計算します。年収(550万円)×返済負担率基準(35%)=1,925,000円となりました。

続いて借入限度額です。1,925,000円(年間返済額)÷12÷4,428円(100万円あたりの毎月返済額)×100万円=36,227,000円となりました。

この借入限度額は年収(550万円)のおよそ6.6倍に相当します。「借入限度額は年収の5~7倍」という目安にちょうど収まっていますので、相場通りと言えるかもしれません。

この計算の仕方であれば、借入限度額は収入があるほどに増額されます。そのため、借入限度額をアップするために夫婦で収入合算をしてローンを申し込むという方法もあります。また、この計算ではその人の属性が入り込む余地はありません。なかには独身であること、女性であること、シングルマザーであることなどが借入限度額に不利になるのではないか、と考える人もいますが、心配しなくてもよさそうです。

ただし、すべての人が年収に対して5~7倍の借入限度額を承認されるとは限りません。審査の過程で限度額が減少されたり、そもそも借り入れを認められないこともあります。原因にはほかにすでに借り入れているローンがあることが考えられます。これは年間返済額を決める際の計算式にもあるとおりです。また指定信用情報機関に登録されている個人情報に滞納履歴などがあると審査で否認され、ローンの借り入れがかなわないということもあります。

「年収の5倍」の由来

「年収の5倍」という言葉は、1992年宮沢内閣のときに「生活大国5か年計画~ 地球社会との共存をめざして~」という文書の中に記されている内容から広まったとされています。

生活大国5か年計画の第6章「特色ある質の高い生活空間の実現」第1節「住生活の充実」では、大都市圏において、勤労者世帯の平均年収の5倍程度で良質な住宅が取得できるよう、地価水準や土地対策などを推進する内容となっています。

このように「年収の5倍」というのは、当時の政府による経済計画で示された数字であります。

また、当時の銀行ローンは約8%台となっており、今の金利水準と大きく異なるのです。 現在は、金融機関の競争もあり、変動金利で2%前後も見られます。

返済比率という考え方について

住宅ローンの返済比率は、年収に対するローンの年間返済額の割合を指します。 返済負担率の基準は、各金融機関によって異なりますが、一般的に住宅ローンの返済比率は30〜35%が基準とされています。

無理のない返済比率は20〜25%とし、上限35%程度が理想です。

「年収 × 返済比率 × 定年までの年数」という考え方があり、住宅ローンを35年で組むとして、完済時年齢を80歳で設定している金融機関が多いです。

そのため、45歳を超えると住宅ローンが組めなくなります。また、定年後も返済できるかわからないことも多く、定年までに完済できるだけの貯金をしておくことも必要となります。

一般的な年収倍率について

年収倍率とは、住宅購入価格が年収の何倍に相当するかを示した基準です。 住宅金融機構「2020年度 フラット35利用者調査」によると、マンションを除く融資区分においての年収倍率は、前年度以降、横這いまたは緩やかに上昇しています。

年収倍率(融資区分別・全国)の結果は、土地付注文住宅7.4倍、マンション7.0倍、建売住宅6.8倍、注文住宅6.7倍、中古マンション5.8倍、中古戸建5.5倍となっています。

首都圏の年収倍率については、以下のとおりです。

注文住宅・土地付注文住宅:首都圏 6.9倍、 建売住宅・マンション:首都圏 7.1倍 中古戸建・中古マンション: 首都圏 6.1倍

(参考:住宅金融機構「2020年度 フラット35利用者調査」)

借入可能額を増やしたいときの方法について

・頭金を増やす

収入合算できる相手がいないなどの場合は、頭金を多く準備し、借入額を少なくするのも一つの方法です。

しかし、預貯金すべてを頭金に充てる必要はありません。ある程度の予備資金を残しておくとよいでしょう。

・返済期間を長くする

借り入れ期間が長いほど、借り入れ可能額は多くなるため、ローンの年間返済額が少なくなります。

・親からの贈与

親から資金の援助を受け、住宅購入の代金に充てる方法です。年間110万円の贈与については、控除により非課税となります。

・収集合算

夫婦や親子の収入を合算して借入可能額を増やす方法です。ただし、どちらか一方が亡くなった場合に、残るローンの支払いについて取り決めが必要になります。

5.年収倍率だけでは決めきれない要素について

・年齢

前述したとおり、完済時年齢を80歳で設定している金融機関が多く、45歳を超えると住宅ローンが組めなくなるためです。

・職業

住宅ローン審査に通りやすい職業・通りにくい職業があるのも現状です。 例えば、公務員のような安定した収入がある場合は、審査に通りやすく、アルバイトやパートなどは収入が低く傾向にあるため、審査に通りにくいと言えるでしょう。

・転職

転職が多いケースなどは、収入の安定性を欠くために審査に不利となることもあります。

・他の借り入れがある

他の借り入れがある場合は、信頼性が低くなるため、審査に通過できない可能性が高いです。

年収倍率だけで決めてはいけない理由

・年収の上下動について

住宅ローンの完済までに年収が変動する可能性もあります。マイホームを購入する時に年収800万円だった人が何らかの理由により、激減することもあるのです。

そのため、今の年収を基準とした上限ぎりぎりに設定するのではなく、ある程度、年収が減少しても無理なく返済できる金額が望ましいでしょう。

・金利の上下動について

住宅ローンの変動金利型では、金利上昇のリスクがあります。 借り入れ当初は、余裕のある返済額だったものの、金利の上昇により返済が厳しくなる場合もあります。

金利が上昇することをふまえて、無理のない借入額にすることが大切です。

・住む年数

短期売却であれば、 想定売却金額との残債などが重要な要素となるためです。

住宅ローンのシミュレーション

元利均等返済と元金均等返済を示したシミュレーションは、以下のとおりです。

借入金額:4,000万円、借入期間:35年
ボーナス返済:なし
金利タイプ:全期間固定金利、1.0%

元利均等返済
1ヵ月目の返済額:元金79,581円、利息33,333円
120ヵ月目の返済額:元金87,874円、利息25,040円

元金均等返済
1ヵ月目の返済額:元金95,238円、利息33,333円
120ヵ月目の返済額:元金95,238円、利息23,88円

生活のことを考えた望ましい借入額

借入限度額は銀行側から見た貸し出せるギリギリの額です。借りる側はそれとはまた別の視点で、住宅ローンの借入額を精査する必要があります。

まず最初に行って欲しいのが、毎月住宅ローンの返済にいくら充てられるかです。この金額をパッと言い当てられる人は多くはありません。次のステップを辿って家計を把握してみましょう。

  1. 収入のうち可処分所得がいくらになるかを計算する。
  2. 可処分所得を支出と貯蓄に分ける。
  3. 支出を基本生活費、住居費、子どもの教育費に分ける。
  4. 住居費を12で割り、毎月の固定費(駐車場代、管理費、修繕積立費等)を引いて毎月返済額を算出する。

この過程で家計の見直しを図れればなお良しでしょう。たとえば無駄な基本生活費があればその分を住居費に振り分けて、毎月返済額をアップさせることも考えられます。

毎月返済額が分かったら、住宅ローンシミュレーションツールなどを使って、借入額の目安を算出しましょう。

オウチーノ住宅ローン「毎月の返済額から借入可能額を計算」

借入額を算出するにはほかに返済期間と金利が関係してきます。毎月の返済額が同じであれば、返済期間が長いほど多くのお金を借り入れることができます。

金利が低ければそれだけ借入額を増やせますが、そのためにやみくもに金利を低く設定してしまっては、シミュレーションの意味がありません。現在、多くの金融機関の変動金利は目を見張るほど低い利率ですが、この金利は将来上がる可能性を含んでいます。金利が上がると毎月返済額の見直しがあります。シミュレーションにあたっては、金利上昇のリスクを考慮し利率を設定すると良いでしょう。

購入時にかかる諸費用を忘れないで

ここまで住宅ローンの借入額について説明をしてきました。借入額がイメージできればそれに頭金をプラスしたものが、購入する不動産の価格の上限となります。

しかし、ここまできて落とし穴にはまってしまう人もいます。この落とし穴は「諸費用」と呼ばれるもので、不動産本体とは別にかかるお金のことです。

当初の計画から諸費用を予算化しておかないと、後になって慌ててその費用を捻出しなければなりません。

諸費用は新築マンションで不動産価格の5~7%、中古マンションで7~10%ほどかかります。貯蓄から捻出できればいいのですが、それが難しいときは頭金の一部を切り崩さなければなりません。その場合、借入額をもっと増やさないと予定していた物件を買えない事態に陥ります。これまで苦労して積み上げてきた計算プロセスが、諸費用を頭に入れておかなかったばかりに、水の泡になってしまう恐れがあるのです。

マンションを買ったときにかかる諸費用には「税金」「手数料」「保険料・保証料」があります。中古のほうが手数料が高くなるのは、固定資産税の清算分や不動産会社への仲介手数料の負担が大きいからです。保険料・保証料は住宅ローンを買い入れるときにかかるものですが、借入金利にこれらの費用が含まれているケースもあり、その場合はお金が別に必要となることはありません。

お金が必要になるタイミングも頭に入れておきましょう。お金が動くのは売買契約時と引き渡し時です。住宅ローンの融資が実行されるは引き渡し時です。そのため売買契約時にかかるお金は自前で用意しなければなりません。

売買契約時にかかるのは手付金と呼ばれる契約金で、一般的にはマンション価格の5~10%程度になります。これは新築でも中古でも同様です。不動産会社への手数料がかかるケースでは、費用の半額分をこのタイミングで支払うことが多いです。最低でもこれらの費用は住宅ローンに頼らず自前で貯めておく必要があります。

引き渡しのときに払うのはマンション本体価格から手付金を除いた分と、残りの諸費用です。住宅ローン融資が実行されることも踏まえて、自分が用意しなければならない金額をはっきりさせて引き渡しに臨むようにしましょう。

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執筆
2級ファイナンシャルプランナー
鈴木玲

出版社で5年、Webメディアで10年の勤務後に独立。独立後最初の確定申告で大きくつまづき、以後、本業のかたわら独学で社会保険、不動産、金融等の知識習得に励む。2018年、ファイナンシャルプランナーに。得意ジャンルは不動産で、実生活では中古マンションの購入、リフォーム、賃貸、売却を経験。やさしい日本語でにっぽんの制度や仕組みを説明する「やさしい にっぽん」を企画・運営。ほか執筆記事にパートだから社会保険に加入したくない。【2022年の条件は?】など。

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