「借地借家法」とは?読み方や意味を解説

「借地借家法」とは?読み方や意味を解説

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借地借家法とは

借地借家法(しゃくちしゃっかほう)とは、その名の通り「土地」と「家(住居)」の貸し借りについての法律です。英語では「Act on Land and Building Leases」と言います。 この記事では、借地借家法の趣旨や意味、歴史をわかりやすく解説していきます。

まず、借地借家法第一条は、次のように定められています。

この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。

引用元:借地借家法第一条

分かりやすく説明すると、借地借家法は「『建物の所有を目的とする土地の貸し借り』『建物自体の貸し借り』についての期間や権利、更新やその他特別な事項について」定めている法律です。

土地や建物の貸し借り(以後、賃貸借と言います)が行われる場合、一般的には借りる側(以後、賃借人と言います)の立場が弱くなります。しかし、土地や建物は生活の基盤です。そのため、これらの賃借人を保護するためにあるのが、借地借家法です。

民法を補完するために、「建物保護法」「借地法」「借家法」という3つの法律がで定められていましたが、これらを統合して分かりやすくするために「借地借家法」が誕生しました。 借地借家法は時代に即して適宜改正がされており、最近では2021年に改正が行われています。

借地借家法において、借地の部分については、他人の土地に建物を所有する目的で地上権または土地の賃借権を有している借地人の保護が目的とされています。 一方、借家の部分については、純粋に他人の建物を借りている借家人を保護することが目的です。

借地権の種類について

借地権には、大きく分けると「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3つの種類があります。1つずつ詳細を紹介します。

まず、「借地借家法」が施行される1992年8月よりも前に、建物の所有を目的として土地を借りた場合の借地権が「旧借地権」です。

存続期間は建物の構造によって異なり、更新することにで半永久的に借りることができるのが特徴です。

次に「普通借地権」です。 「普通借地権」は借地借家法で定義されており、「旧借地法」のように建物の構造で存続期間が変わることはありません。存続期間は30年以上です。 建物が存在している限り住み続けることができる権利なので、借地上にマイホームを建てる場合などに使われます。

最後に、「定期借地権」です。 「定期借地権」には契約期間の延長がありません。また、定期借地権は、各種条件に合わせてさらに4種類に分かれます。

50年以上の長い存続期間になる「一般定期借地権」が、一つ目の種類です。存続期間終了時には建物を取り壊す必要がありますが、マイホーム取得時に土地にかかる費用を安く抑えたい場合などに利用されます。

二つ目の「建物譲渡特約付借地権」は、契約が満了しても更地にする必要がなく、建物をそのまま地主が買い取ることが前提の借地権です。存続期間は30年以上です。解体費用がかからなず、売却する手間もないので、アパートやマンション建築時などに使われます。

三つ目は「事業用定期借地権」です。こちらはその名の通り、事業用に土地を借りる場合の借地権です。存続期間は10年以上50年未満の範囲です。ただしこれは2008年の法改正後に定められたもので、改正前に契約したものは10年以上20年以下となっています。

一般定期借地権と同様、契約の更新はなく、存続期間終了後は更地にして所有者に返還する義務があります。 建物の取り壊しが必要なので、入れ替えが頻繁に起こる事業(コンビニエンスストアなど)の出店で利用されます。

最後の種類は、「一時的な目的の借地権」です。短期間の使用に特化しており、借地借家法における存続期間の規定を受けません。そのため、1年未満の存続期間を設定できます。工事現場や建築現場で使用するプレハブ・倉庫・仮設事務所などの建築時に利用されます。

存続期間について

ここからは、普通借地権の存続期間についてもう少し詳細に紹介します。

普通借地権の存続期間は、契約で30年以上と定めた場合には、その期間となります。逆に、30年より短い期間の定めは無効となります。(借地借家法第九条)
特に期間についての特約がなければ、存続期間は30年となります。(借地借家法第三条)

また、普通借地権は契約の更新が可能です。
更新後の存続期間は、最初の更新後は20年、2回目の更新後は10年とされています。
契約でこれらの規定より長い存続期間を定めることも可能です。(借地借家法第四条)、逆に、規定よりも短い存続期間の定めは無効となります。(借地借家法第九条)。

立ち退きについて

賃貸人側が立ち退きを要求する場合は、正当事由が必要であるとされています。

借地の立ち退き

借地について説明します。

まず、存続期間が終了する必要があります。

借地権の存続期間満了時に、賃借人が更新請求をしたときは、建物がある場合に限り、契約は更新したものとみなされます。また、賃借人から借地契約の更新請求がない場合も、賃借人が土地の使用を継続する場合、契約は更新されたものとみなされます。(借地借家法第五条)

つまり、存続期間が終了し、賃借人から契約更新請求がなく、賃借人による土地の使用継続がない場合、期間満了を理由として契約終了が可能です。

ただし、賃借人からの更新請求や土地の使用継続がある場合でも、賃貸人が遅滞なく異議を述べ、かつその異議に正当事由がある場合には、契約を終了することができます。(借地借家法第五条)

ここでいう正当事由は、土地使用の必要性を職業や家族構成・収入、契約の過程、土地の利用状況、立退料などを勘案して考えられます。立退料を払えば契約を終了できるわけではありませんので、注意が必要です。

建物の立ち退き

次に建物の場合です。

民法では建物の賃貸借について50年を超えることはできないとされていますが、借地借家法第二十九条は民法の適用を排除しているので、50年以上の賃貸借契約も可能です。
また、建物の賃貸借契約の最低期間は1年となっています。

建物の立ち退きの場合も、これらの存続期間が終了する必要があります。そして、期間満了の1年前から6か月前までの間に「更新しない旨の通知」または「条件を変更しなければ更新しない旨の通知」をしなかった場合は、同一条件で契約更新したものとみなされます。(借地借家法第二十六条)

つまり、期間満了による終了をしたい場合、期間満了の1年前から6か月前までの間に、更新拒絶通知をし、なおかつ、更新拒絶に正当事由がある必要があります。

ここでいう正当事由は、土地の場合と同様、契約の過程、利用状況、立退料などに加えて、賃貸人本人または家族にとってに居住必要性、建物の老朽化などを勘案して考えられます。

建物の場合も、立退料を払えば契約を終了できるわけではありませんので、注意が必要です。

減額請求について

借地借家法には、賃料の減額請求についても定められています。(借地借家法第十一条・第三十二条)

(地代等増減請求権)
第十一条 地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。 2 地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。 3 地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

引用元:借地借家法第十一条

(借賃増減請求権)
第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

引用元:借地借家法第三十二条

これらは強行規定と解されており、その内容は強制的に適用され、特約によって排除することはできないという判例があります。

つまり、賃料増減額請求は強く保護されているので、増額を否定する特約以外の規定は無効となります。(増額の否定は立場の弱い賃借人側に有利なので認められます。)

しかし、定期借家の場合には、これらの規定適用されません。(適用除外と言います)そのため、賃料増減額を否定する特約も有効です。

賃料減額を求める意思表示をした後は、適正賃料額が確定するまで、次のような流れとなります。   まず、今まで通りの家賃を支払う必要があります。  

借地借家法三十二条三項で、賃料減額請求時には、賃貸人が相当と考える賃料を請求できるとなっているからです。 その後、裁判で適正賃料の減額が決定した後、家賃を払いすぎているとなった場合は、結果的に払いすぎとなった金額に年10%の利息がついて変換されます。  

この時、賃料減額の効果は、減額を求める意思表示をした時を起点に考えられます。

過去の改正・旧法について

明治~大正期は、現代と比べて借家に住む人や借地に家を建てる人が多い状況でした。しかし、民法にある「賃借権(お金を払って借りる権利)」は債権のため、土地や家の所有者が変わると、新しい所有者に対抗(借りる権利があると主張すること)できませんでした。つまり、所有者が変わると住むとことがなくなってしまうのです。

しかし、土地の所有者が変わるたびに住居を失っていては、生活が成り立ちません。

このように立場の弱い借地人や借家人を保護するために、土地や建物の賃貸借に関する法律が3種類制定されました。 一つ目は、明治42年制定の「建物保護法」です。この法律では、借地上の建物について保存登記(その建物について初めて行われる所有権の登記のこと)しておけば、その土地の借地権を第三者に対抗できると定められていました。 二つ目と三つ目は、大正10年制定の「借地法」と「借家法」です。借地法が借地権について、借家法が借家権について定めていました。

これら3つの法律に加えて様々な判例が積み重なっている状況を整理するために、現在の「借地借家法」が平成4年8月に施行されました。

借地借家法は時代に流れに合わせて改正が行われています。最近では2021年に、借地借家法第38条について、定期借地権の設定や定期建物賃貸借における契約に係る書面、事前説明書の電子化が可能となる改正が行われました。これらは公布日より1年以内に施行される予定です。

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執筆
オウチーノニュース編集部

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