「賃借人」とは?読み方は?賃貸人との関係や意味・役割を解説!

「賃借人」とは?読み方は?賃貸人との関係や意味・役割を解説!

賃貸物件への入居にあたって、賃借人という言葉が出てくることがあります。入居後のトラブルを避けるためにも、賃借人がどのような立場にあるかを理解することが大切です。

本記事では賃借人や賃貸人の定義や、義務や権利について詳しく解説します。

賃借人とは

賃借人とは、家賃を払い賃貸物件に住む人を意味します。読み方は「ちんしゃくにん」で、英語表現は「lessee」や「tenant」などです。

民法第594条1項や第616条によると、賃借人は契約又はその目的物の性質によって定められた用法に従い、その物の使用及び収益をしなければなりません。

賃借人の義務と権利

賃借人には、いくつかの義務や権利があります。アパートやマンションの賃貸借契約を結ぶ前に、確認しておきましょう。

賃借人の義務とは

まず、民法第400条で賃借人に善管注意義務が課されています。善管注意義務とは、社会通念上要求される程度の注意を払って賃借物を使用しなければならないということです。

また、賃借人には賃料支払義務、契約内容遵守義務があります。賃料支払義務は、賃貸借契約で定められた賃料を支払う義務のことです。

契約内容遵守義務は、賃貸借契約書で定められた内容を遵守する義務を指します。入居者と契約者が異なることを隠して契約した場合、契約内容に違反するおそれがあるので注意しましょう。

さらに、2020年4月の改正民法で、修繕に関する要件の見直しや原状回復義務の明文化がなされました。原状回復義務とは、賃借物を返す際に賃借人が元の状態に戻さなければならない義務のことです。

ただし、善管注意義務を果たした上、経年劣化などで破損した場合は原状回復義務に該当しません。なお、区分所有法第46条では、マンションの管理規約が区分所有者だけでなく、賃借人などにも効力が及ぶことを定めています。

火災保険は義務でないが加入した方が良い

賃貸物件への入居時に、火災保険への加入は法律で義務付けられていません。しかし、万が一火災を発生させてしまうと、原状回復義務を果たすために大家さんに多額の賠償金を支払わなければならない可能性があります。

多額の損害賠償金支払リスクを軽減するためにも、火災保険には加入しておいた方が良いでしょう。

賃借人の権利とは

説明した通り、賃借人にはさまざまな義務が課されます。その一方で、義務をしっかりと守っていれば保護されるため、日本では賃貸人よりも賃借人の権利の方が強いのです。

例えば、賃貸人が賃借人に退去して欲しいと考えていても、正当な事由がない限り契約を解除できません。

なぜ賃借人の権利がここまで強いかというと、賃貸人の気分次第で安易に生活拠点を奪われてしまうことのないよう住んでいる人を守る必要があるためです。

なお、民法第605条では、賃貸借を登記すれば第三者への対抗要件を備えることが規定されています(賃借権の物権化)。

賃借人に関連する用語を整理

賃貸借契約では、賃借人以外に賃貸人や入居者などの用語が登場します。契約時に混乱しないよう、整理しておきましょう。

賃貸人とは

賃貸人とは、賃貸借契約においてアパートやマンションなどの賃貸物件を提供し、使用させる側のことです。貸主や大家と呼ばれることもあります。

入居者・占有者と賃借人の違い

基本的に、賃貸借契約で一方の契約者となるのが賃借人です。それに対し、入居者は実際に賃貸物件に住んでいる人、占有者は不動産を自分のもののように使用している人を指します。

また、区分所有者は分譲マンションなどの占有部分を所有している人のことです。

賃貸人の義務3つ

賃借人だけでなく、賃貸人にもいくつかの義務が課されています。主な義務は、修繕義務、使用収益をさせる義務、費用償還義務の3つです。

1. 修繕義務

民法第606条1項で、賃貸物件に問題が生じた際の賃貸人の修繕義務が定められています。ただし、賃借人の責任で発生したものであれば、賃貸人に修繕義務がないことが改正民法で明文化されています。

2. 使用収益をさせる義務

民法第601条で、使用収益させる義務が定められています。使用収益させる義務とは、賃貸借契約の目的を達成できるようにする義務です。

例えば、夜中の騒音がひどく賃借人の眠りを妨げる場合、賃借人が何かしらの関与をしなければならないことがあります。

3. 費用償還義務

民法第608条で、費用償還義務が定められています。賃貸物件に関して賃借人が必要な費用(必要費)を支出した場合は、賃貸人に請求可能です。

また、賃借人が物件の価値を高めるために費用(有益費)を支出した場合も、賃貸人が償還しなければなりません。

許可なしで賃借人ができない代表例3つ

賃借人には、許可なしでできないことがいくつか存在します。代表例3つを確認しておきましょう。

1. 部屋を他の人に貸す(転貸)

多くの賃貸借契約で、借りている部屋を他の人に貸すことを禁じています。無断で転貸すると契約違反になるおそれもあるため、転貸せざるを得ない場合は事前に賃貸人に相談しましょう。

2. ペットを飼う

ペット可のマンションでなければ、無断でペットを飼うことはできません。また、マンション管理規約ではペット可でも、賃貸借契約で禁じられる可能性があります。管理規約と賃貸借契約を両方チェックするようにしましょう。

3. 原状回復できない状態にする

賃借人には、原状回復義務が課されています。そのため、原状回復できないようなDIYを施すことは契約違反です。

判断の難しい場合

代表例3つ以外にも、ベランダでのパーティーや新たに光回線を引くなど、判断が難しいケースがあります。まずは、契約書に記載された禁止事項をチェックすることが大切です。

それでも判断がつかない場合には、のちのトラブルを避けるためにあらかじめ賃貸人に問い合わせ、周囲に迷惑をかけないことを意識しましょう。

入居前に賃借人の義務を把握しておく

賃借人とは、家賃を払い賃貸物件に住む人です。突然、生活拠点を奪われることを防ぐため、賃借人は賃貸人よりも保護されています。

ただし、保護されるためには賃借人の義務をしっかりと果たさなければなりません。入居前に賃貸人の義務をしっかりと把握しておきましょう。

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執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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