「特定居住用財産の買換え特例」で課税を先送りできる!適用期間も解説

河野 雅人
監修: 公認会計士・税理士 河野 雅人
「特定居住用財産の買換え特例」で課税を先送りできる!適用期間も解説

マイホームを売却して利益が出た際、特定居住用財産の買換え特例で課税を先送りできます。特例は他にも存在するため、事前に制度の特徴を比較しておくことが大切です。

本記事では、特定居住用財産の制度の概要や期限がいつまでなのかについて説明します。

家の売却を考えて、この記事を読んでいる方は、不動産一括査定がおすすめです。下のフォームを入力すれば、 複数の会社の査定結果を比較 できるので、 高く・早く 売れる可能性が高まります。

  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

マイホームを売って利益が出た場合の税金

まず、マイホームを売却して利益が出た場合の税率や税金の計算方法を把握しておきましょう。

所得税・復興特別所得税・住民税の税率

不動産を売却した年の1月1日における不動産の所有期間が5年を超える場合、長期譲渡所得として税金を計算します。長期譲渡所得に対する税率は、所得税15%、住民税が5%です。

一方、不動産を売却した年の1月1日における所有していた期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として税金を計算します。短期譲渡所得に対する税率は、所得税30%、住民税9%です。

いずれも、2037年までは所得税額に2.1%乗じた金額が復興特別所得税として別途課されます。

出典:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

出典:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」

税金の計算方法

まず、不動産売却額から取得費や譲渡費用を差し引いた後に、特別控除額を控除したものが課税譲渡所得金額です。課税譲渡所得金額に対し、所有期間に対応する税率を乗じることで、課される税金を計算できます。

出典:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

譲渡益が出た場合に使える特例

不動産売却で譲渡益が出ていても、特例を適用すると税金がゼロになったり、軽減されたりすることがあります。主な特例は3つです。

3,000万円特別控除

マイホームを売却した際、いくつかの要件を満たせば所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度が、3,000万円特別控除(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)です。例えば、2,000万円譲渡益が出ていても、本特例を利用すれば税金が課されません。

出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率の特例は、売却する年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている場合、いくつかの要件を満たすことで通常の税率よりも低く計算できる制度です。税金は、所得金額が6,000万円以下の部分に税率10%を乗じ、6,000万円超の部分に15%を乗じた後に600万円を足して算出します。

出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

特定居住用財産の買換え特例

特定居住用財産の買換え特例は、マイホームを売却後に代わりのマイホームに買い換えた際に、譲渡益の課税を将来に繰り延べられる制度です。本記事で詳しく解説します。

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

(補足)譲渡損が出た場合に使える特例もある

譲渡益だけでなく、譲渡損が出た場合にも適用できる特例があります。例えば、マイホームを買い換えたケースや、住宅ローンが残っているマイホームを売却したケースで、損益通算や翌年以降3年間繰越控除可能です。

出典:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

出典:国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

特例の利用には2021年12月31日までの売却が条件でしたが、2023年12月31日まで延長することが閣議で決定されています。

出典:財務省「令和4年度税制改正の大綱」

特定居住用財産の買換え特例を詳しく解説

ここから、特定居住用財産の買換え特例の制度について、概要や条件を詳しく説明します。

制度の概要

主に租税特別措置法(措置法)第36条の2に規定されている特定居住用財産の買換え特例は、一定の条件を満たした人がマイホームを買い換える際に税金が繰り延べられる制度です。

売却額から取得費や売却費用を控除した所得(譲渡所得)にかかる税金(所得税と復興所得税の税率15.315%、住民税率5%)が繰り延べられます。

出典:国税庁「措置法第36条の2《特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例》関係」

ただし、売却益が3,000万円以下の場合、3,000万円特別控除で計算できるため、そもそも税金が発生しません。

特例の適用期間

マイホームに住まなくなってから、3年を経過する日の年の12月31日までに売却しなければ、特例を適用できません。

特例が適用されるための条件

本来の制度と異なる「特例」のため、さまざまな要件が設定されています。適用期間以外の主な要件は以下の通りです。

  • 所有期間が10年を超える
  • 他の特例を受けていない
  • マイホームが日本国内にある
  • 売却代金が1億円以下である
  • 買い換える建物の床面積が50㎡以上、土地の面積が500㎡以下
  • 親族など特別な関係がある者に売却しない
  • 買い換えるマイホームが取得の日から25年以内に建築された者である

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

なお、自分のケースで要件を満たしているか確認したい場合は、国税庁で毎年公開されているチェックシートを参考にできます。

出典:国税庁「特定の居住用財産を売却した場合の買換えの特例チェックシート・措法36条の2(令和3年分)」

特例の申請の方法

特例申請する際の方法を解説していきます。

申請の流れ

申請は以下の流れで進めていきます。

  1. マイホームを売却する
  2. 特例適用できるかチェックする
  3. 必要書類を揃える
  4. マイホーム売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告する

申請時の必要書類

確定申告時に必要な書類は主に以下の通りです。

  • 譲渡所得の内訳書
  • マイホームの登記事項証明書
  • 住民票の写し
  • 買い換えた居住用財産の売買契約書写し
  • 売却したマイホームが要件を満たすことがわかる各種証明書

必要書類については、毎年国税庁で公開しているチェックシートも参照してください。

特例適用にあたって知っておくべきポイント4つ

最後に、特例適用にあたって知っておくべきポイント4つを紹介します。

1. 他の特例との違い

まず、特定居住用財産の買換え特例は譲渡益がある場合に利用できる制度です。また、3,000万円特別控除や10年超所有軽減税率が売却でも使えるのに対し、本特例は売却後に取得(買換え)をしなければなりません。

2. 本特例のメリットと使うべきケース

税金の納付を先延ばしにできるため、資金面の負担を減らせる点がメリットです。ただし、非課税になる制度ではないため、次のマイホームを売却する際に納税しなければなりません。

今、多額の税金を納付すると生活に支障をきたすという場合に、検討するとよいでしょう。

3. 住宅ローン控除との関係性

特定居住用財産の買換え特例は、住宅ローン控除と併用できません。特例を適用する前に、どちらを適用した方が良いかあらかじめ検討しておきましょう。

4. 2022年(令和4年)時点も特例を利用できるか

もともと、特定居住用財産の買換え特例は2021年12月31日までが適用期限でした。しかし、2023年12月31日まで延長することが閣議で決定されています。

出典:財務省「令和4年度税制改正の大綱」

売却時には特定居住用財産の買換え特例を検討

マイホーム売却後に新たに購入して転居する場合、特定居住用財産の買換え特例を適用できます。一定の要件を満たせば、譲渡所得にかかる税金を先延ばしにできるため、その時の資金負担を抑えられます。

ただし、他の特例と併用できない面があるため、適用前にどの特例が自分にとって良いか確認するようにしましょう。

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

河野 雅人
監修
公認会計士・税理士
河野 雅人

東京都杉並区に事務所を構え、高品質・低価格のサービスを提供している。趣味はスポーツ観戦。大手監査法人勤務の後、会計コンサルティング会社を経て、税理士として独立。中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援している。独立後10年間で法人税申告実績約300件、個人所得税申告実績約600件、相続税申告実績約50件。セミナー、研修会講師年間約10件。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
コンテンツポリシー

この記事に関するキーワード

関連記事

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

不動産サービス