一軒家の購入にはいくらかかる?新築の相場と初期費用を解説!

一軒家の購入にはいくらかかる?新築の相場と初期費用を解説!

同じ地域の場合、一軒家はマンションと比べると割高な傾向があります。ただし、一戸建ては間取りも広く、収納量もあり、ランニングコストも抑えられることから、魅力も多いです。

「家を買うなら一軒家!」と思っている人の中には、一軒家はいくらするか気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では「一軒家購入の相場はいくらか」について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

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1.一軒家の種類

最初に一軒家の種類について解説します。

首都圏における過去10年間の建売住宅と注文住宅の平均面積を示すと、下表の通りです。面積は注文住宅の方が広い傾向があります。

種類 建売住宅 注文住宅
建物の面積 100.08平米 118.94平米
土地の面積 127.62平米 144.76平米

出典:建売住宅は公益財団法人不動産流通推進センター「2021不動産業統計集2不動産開発」、注文住宅の建物は国土交通省「令和3年度住宅経済関連データ(2)注文住宅の建築費(首都圏)」、注文住宅の土地は公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」より筆者が編集

1-1.建売住宅

建売住宅とは、戸建てディベロッパー(不動産会社やハウスメーカー等)が新築した土地付き住宅のことです。

新築物件の種類の一つですが、建物がすでに完成している状態で購入する点が特徴となります。

建売住宅は、戸建てディベロッパーが長年のノウハウを生かして建物が設計されているため、住みやすく、かつ、デザイン性が高い家も多い点がメリットです。また、注文住宅よりも割安な点もメリットとなります。

一方で、竣工済みの建物を購入することから、自分で自由な間取りにすることができないという点がデメリットです。また、戸建てディベロッパーが採算性を重視して建てているため、安い建材が使われていることが多く、物件も総じて狭い点もデメリットとなります。

1-2.注文住宅

注文住宅とは、更地の上に、新たに建物を建てる形式の土地付き住宅のことです。注文住宅も新築物件の種類の一つですが、発注者が建物をこれから建てる点が建売住宅とは異なります。

注文住宅は、自分で自由な間取りの家を建てられるという点がメリットです。元々土地を持っている人であれば、建築費だけで家を購入できる点もメリットとなります。

一方で、注文住宅は、ほとんどの人が家づくりに不慣れであることから、設計で失敗することが多いという点がデメリットです。注文住宅では、竣工後に多かれ少なかれ「ここの選択は失敗した」という部分が出てきます。また、建売住宅よりも割高となる傾向がある点もデメリットです。

2.一軒家の相場

この章では、一軒家の相場について解説します。一軒家の種類別相場は下表の通りです。

種類 建売住宅 注文住宅
首都圏の相場 5,000万円台前半 6,000万円台前半

2-1.建売住宅

首都圏における建売住宅は以下の通りです。

出典:公益財団法人不動産流通推進センター「2021不動産業統計集2不動産開発」

2019年においては、平均価格で「5,130万円」となっており、相場としては「5,000万円台前半」となります。

2-2.注文住宅(土地代込み相場)

首都圏における注文住宅(土地代込み相場)の相場は以下の通りです。

出典:建物は国土交通省「令和3年度住宅経済関連データ(2)注文住宅の建築費(首都圏)」、土地は公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

国土交通省によると、2020年における注文住宅の建築費の平均価格は「3,510万円」です。一方で、公益財団法人東日本不動産流通機構によると、首都圏の「100~200平米」の土地の平均価格は「2,810万円」となっています。

建築費は「3,000万円中盤」、土地価格は「3,000万円弱」となっており、土地代込みの注文住宅の価格は「6,000万円台前半」が相場です。

3.一軒家の購入に必要な初期費用

この章では一軒家の購入に必要な初期費用について解説します。

3-1.登録免許税

登録免許税とは、登記簿謄本に権利の内容を記載するときに発生する税金です。登記には「保存登記」と「所有権移転登記」の2種類があります。

保存登記とは、新築建物のように初めて所有権の記載を行う登記のことです。所有権移転登記とは、既に誰かの所有権登記がなされている不動産について、売買等の原因に基づいて所有者の記載が変更される登記を指します。

建物の場合、新たに所有権の登記を行うことから、建物の登記の種類は「保存登記」です。一方で、土地の場合、既に誰かの所有権登記がなされている物件を購入するため、土地の登記の種類は「所有権移転登記」になります。

また、住宅ローンを借りる場合は、「抵当権の設定登記」も必要です。抵当権とは、銀行が融資をする際に土地と建物に設定する担保権のことを指します。

登録免許税の求め方は以下の通りです。

所有権移転登記または保存登記
登録免許税 = 固定資産税評価額 × 税率

抵当権の設定登記
登録免許税 = 債権額 × 税率

マイホームの新築住宅では、以下の要件を満たすと登録免許税の軽減措置を受けることができます。

【登録免許税の軽減措置の要件】
・自己の専用住宅で、床面積が50平米以上であること
・個人が2024年3月31日までに新築または取得すること
・新築または取得後1年以内に登記を受けるものであること

登録免許税の本則と軽減措置が適用されたときの税率は下表の通りです。

登記の種類 本則 軽減税率
所有権保存登記(建物) 0.4% 0.15%
所有権の移転登記(建物) 2% 0.3%
所有権の移転登記(土地)※ 1.5% 1.5%
抵当権の設定登記 0.4% 0.1%

※2023年5月31日まで

建売住宅の平均面積は100.08平米、注文住宅の平均面積は118.94平米であるため、一般的な一軒家であれば軽減税率の適用を受けられます。

3-2.司法書士手数料

登記手続きは、司法書士に依頼することが通常です。 司法書士に依頼した場合、登記の手続き費用の相場は以下のようになります。

登記の種類 相場
保存登記 5.2万円程度
所有権移転登記 2.5万円程度
抵当権設定登記 4.0万円程度
合計 11.7万円程度

参考:司法書士連合会「報酬アンケート結果(2018年(平成30年)1月実施)」の関東地区平均値より

3-3.印紙税

印紙税とは、課税文書と呼ばれる文書を作成したときに生じる税金です。課税文書には、「不動産売買契約書」と「請負工事契約書」、「金銭消費貸借契約書」等があります。

建売住宅の場合、戸建てディベロッパーから土地と建物を同時に購入するため、売買契約書の印紙が必要です。それに対して、注文住宅の場合、建物は工事で新築することから、土地は売買契約書、建物は請負契約書の印紙が必要となります。

また、建売住宅か注文住宅か否かに関わらず、住宅ローンを借りる際は金銭消費貸借契約書の印紙が必要です。売買契約書および金銭消費貸借契約書の印紙税額は下表のようになります。

契約書記載金額 売買契約書※ 金銭消費貸借契約書
1万円未満 非課税 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 200円 400円
50万円超100万円以下 500円 1,000円
100万円超500万円以下 1,000円 2,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円 10,000円
1,000万円超5,000万円以下 10,000円 20,000円
5,000万円超1億円以下 30,000円 60,000円
1億円超5億円以下 60,000円 100,000円
5億円超10億円以下 160,000円 200,000円
10億円超50億円以下 320,000円 400,000円
50億円超 480,000円 600,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

※2024年3月31日まで

また、請負工事契約書の印紙税額は下表の通りです。

契約書記載金額 請負工事契約書※
1万円未満 非課税
1万円以上 100万円以下 200円
100万円超200万円以下 200円
200万円超300万円以下 500円
300万円超500万円以下 1千円
500万円超1,000万円以下 5千円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円
1億円超5億円以下 6万円
5億円超10億円以下 16万円
10億円超50億円以下 32万円
50億円超 48万円
契約金額の記載のないもの 200円

※2024年3月31日まで

3-4.不動産取得税

不動産取得税とは、土地や建物の不動産を取得したときに課される税金です。 住宅の不動産取得税の計算式は以下の通りになります。

不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 3%※
※2024年3月31日までの税率です。また、2024年3月31日までの土地の不動産取得税の課税標準額は、土地の固定資産税評価額に(1/2)を乗じたものとなります。

住宅の不動産取得税には軽減措置があります。 床面積が「50平米以上の240平米以下」の新築住宅では、評価額から1,200万円を控除して不動産取得税が計算されます。

【新築建物の不動産取得税】
新築建物の不動産取得税 = (固定資産税評価額 - 1,200万円) × 3%

また、土地については、以下のいずれかの大きい方の金額を控除することが可能です。

【住宅の土地の不動産取得税】
控除額 いずれか大きい方
・4.5万円
・土地1平米の評価額 × (1/2) × 住宅の床面積の2倍(200平米まで) × 3%

不動産取得税
住宅の土地の不動産取得税 = 固定資産税評価額 × (1/2) × 3% - 上記の控除額

住宅の不動産取得税の軽減措置は効果が大きく、一般的な住宅では不動産取得税がゼロ円になることも多いです。

3-5.消費税

不動産の場合、消費税は建物価格に対してのみ発生します。 建売住宅か注文住宅かに関わらず、土地は非課税、建物は課税となります。 その他、仲介手数料や司法書士手数料等には消費税がかかります。

3-6.住宅ローン関連費用

住宅ローンを借りる際は、銀行に対して事務手数料が発生します。 事務手数料の相場は、「5~10万円」程度とする銀行や「借入額の2.2%」とする銀行もあります。

また、住宅ローンには保証料も発生します。 保証料の相場は、金利に上乗せするタイプは「金利+0.2%」が相場です。 現金一括払いのタイプは、借入額や返済期間にもよりますが、60~120万円程度となります。 保証料は、事務手数料を高くすることで無料とする金融機関も多いです。

3-7.損害保険料(一括契約の場合)

火災保険や地震保険といった損害保険に一括契約で加入する場合には、初年度に損害保険料が発生します。

損害保険料は長期一括契約をすることで安くなることが通常です。 長期一括契約の保険料は、単年の保険料に下表のような長期係数を乗じて求めます。

【長期係数の例】

  保険期間   火災保険長期係数 地震保険長期係数
2年 1.85 1.90
3年 2.70 2.75
4年 3.50 3.60
5年 4.30 4.45
6年 5.10
7年 5.90
8年 6.70
9年 7.45
10年 8.20

例えば、5年契約の火災保険に加入する場合、4.3年分の保険料を支払えば5年間分の火災保険を付保することができます。

3-8.仲介手数料(注文住宅の土地のみ)

注文住宅では、土地を先行して購入するため、土地の購入時に仲介手数料が生じます。 仲介手数料は、取引額に応じて不動産会社か受領する上限額が決まっており、その上限額は下表の通りです。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額の5%
200万円超から400万円以下 取引額の4%+2万円
400万円超 取引額の3%+6万円

仲介手数料には別途消費税がかかります。

仲介手数料は、上限額がそのまま相場となっていることが多いです。

3-9.設計料(注文住宅のみ)

注文住宅の場合、建物の設計料も生じます。 設計料の相場は、ハウスメーカーや設計事務所も兼ねた工務店等の場合は、建築費の1~3%程度です。

それに対して、設計と施工を別会社とし、独立した設計会社に設計を依頼する場合には、建築費の5~8%程度が相場となります。

4.一軒家購入シミュレーション

諸経費を含めた一軒家購入のシミュレーションを行います。 シミュレーションをするにあたり、建売住宅と注文住宅について以下の想定を設定します。

種類 建売住宅 注文住宅
建物の面積 100.08平米 118.94平米
土地の面積 127.62平米 144.76平米
建物固定資産税評価額※1 861万円 1,023万円
土地固定資産税評価額※2 2,187万円 2,481万円
物件購入価格 5,130万円 6,320万円
建物価格(請負金額) 3,078万円※3 3,510万円
土地価格 2,052万円※4 2,810万円
住宅ローンの借入額※5 4,104万円 5,056万円

※1:国税庁「地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和3年分用】令和3年度 住宅経済関連データ」における木造の全国平均単価「17.2万円/平米」より求めた建築費の50%として計算
※2:国土交通省「2022年の地価公示」の東京圏住宅地の単価「24.48万円/平米」より求めた土地価格の70%として計算
※3:物件価格の6割を建物価格と想定
※4:物件価格の4割を土地価格と想定
※5:頭金を2割として想定

建売住宅を例に、登録免許税と不動産取得税の計算方法を示します。(いずれも住宅の軽減措置を適用可)

【登録免許税】
建物登録免許税(保存登記) = 固定資産税評価額 × 0.15%
             = 861万円 × 0.15%
             = 1.3万円

土地登録免許税(所有権移転登記) = 固定資産税評価額 × 0.3%
                = 2,187万円 × 0.3%
                = 6.6万円

抵当権の設定登記 = 債権額 × 0.1%
         = 4,104万円 × 0.1%
         = 4.1万円

【不動産取得税】
建物の不動産取得税 = (固定資産税評価額 - 1,200万円) × 3%
          = (861万円 - 1,200万円) × 3%
          = 0円(マイナスの場合はゼロ円)

土地の不動産取得税は、まず控除額を求めます。

控除額 = 土地1平米の評価額 × (1/2) × 住宅の床面積の2倍(200平米まで) × 3%
    = 17.14万円 × (1/2) × 200平米 × 3%
    = 51.4万円 > 4.5万円

51.4万円は4.5万円よりも大きいため、控除額は51.4万円を採用

土地の不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 3% - 上記の控除額
          = 2,187万円 × (1/2) × 3% - 51.4万円
          = 32.8万円 - 51.4万円
          = 0円(マイナスの場合はゼロ円)

諸費用をシミュレーションすると下表の通りです。

項目 建売住宅 注文住宅
建物登録免許税(保存登記) 1.3万円 1.5万円
土地登録免許税(所有権移転登記) 6.6万円 7.4万円
抵当権設定登録免許税 4.1万円 5.1万円
司法書士手数料(税込) 12.9万円 12.9万円
印紙税(売買契約書) 3.0万円 1.0万円
印紙税(請負契約書) 1.0万円
印紙税(金銭消費貸借契約書) 2.0万円 6.0万円
建物不動産取得税
土地不動産取得税
建物消費税 307.8万円 351.0万円
事務手数料(借入額の2.2%) 90.3万円 111.2万円
損害保険料※6 47.8万円 53.2万円
仲介手数料(税込) 99.3万円
設計料(建築費の1.5%)+消費税 57.9万円
諸経費合計 475.8万円 707.5万円
物件価格 5,130万円 6,320万円
諸経費率 9.3% 11.2%

※6:損害保険の設定条件

建物構造:木造(H構造)
家財評価額:700万円
契約期間:5年契約
保険内容:「火災、落雷、破裂、爆発、風災、ひょう災、雪災」のみ
地震保険:付保する

まとめ

以上、一軒家購入の相場はいくらかについて解説してきました。 一軒家には「建売住宅」と「注文住宅」、「既存住宅」の3種類があります。

首都圏における一軒家の相場としては、建売住宅が「5,000万円台前半」、注文住宅が「6,000万円台前半」、既存住宅が「3,000万円前半」程度です。

諸費用としては、「登録免許税」や「印紙税」等が生じます。 費用の概算が分かったら、資金計画を立てることから始めましょう。

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執筆
不動産鑑定士、宅地建物取引士
竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

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