【2022年】日本の不動産価格は今後どうなる?価格の推移と将来の見通し・予測を解説!

【2022年】日本の不動産価格は今後どうなる?価格の推移と将来の見通し・予測を解説!

近年はテレワークの普及によって新たなライフスタイルが浸透しつつあり、不動産価格の予測は従来よりも難しくなってきました。

「Aが生じたらBになる」といった単純な方程式にはあてはめにくく、全国一律に不動産価格が同じように動く状況でもなくなってきました。

2022年以降、金利上昇の懸念やウクライナ情勢といった不安要素も出てきており、「不動産の価格はいつ暴落するのか」など、今後の不動産価格について気になっている人も多いと思います。

この記事は「不動産価格の推移と今後」について解説します。

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1.不動産価格の30年推移

最初に不動産価格の30年推移を確認します。

1-1.土地価格の推移

過去30年における東京圏(首都圏)の住宅地の平均価格の推移は下図の通りです。

過去30年における東京圏(首都圏)の住宅地の平均価格の推移 出典:国土交通省「地価公示」

日本の地価は1991年のバブル崩壊をピークに下がり続け、2006年まで下がり続けます。その後、一旦は上昇するものの、2008年のリーマンショックによって再び下落します。

さらに2013年頃から始まった日銀の異次元金融緩和政策により、住宅ローン金利が低下したことで、住宅取得需要が増加し不動産価格が上昇に転じていきました。

1-2.戸建て価格の推移

過去30年における首都圏の中古戸建ての推移は下図の通りです。

過去30年における首都圏の中古戸建ての推移

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構1234  ※2020年までは年度統計、2021年は暦年統計を使用。1999年までは新築戸建ても含む。

戸建ての価格は2013年頃からゆるやかな上昇を続けています。

1-3.マンション価格の推移

過去30年における首都圏の中古マンションの推移は下図の通りです。

過去30年における首都圏の中古マンションの推移

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構1234  ※2020年までは年度統計、2021年は暦年統計を使用。

マンションも2013年頃から上昇していますが、その勢いは戸建てよりも強く、バブル期に匹敵するまで価格が上がっています。

2.地価公示から見るエリア別の動向

2022年の地価公示から見るエリア別の動向について解説します。

2-1.全国

2022年の地価公示は、全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年ぶり上昇しています。 工業地は6年連続の上昇です。

2021年は新型コロナウイルスの影響により、住宅地と商業地が一旦下落しましたが、わずか1年足らずで回復し、2022年には全国平均で上昇に転じています。

また、工業地に関しては、近年のインターネット通販の拡大により大型倉庫が建てられる物流適地の価格は上昇し続けています。

2022年の地価公示の特徴としては、全国的に一律の値動きをしたわけではなく、北海道や福岡等の地方都市の価格が大きく上昇した点です。 福岡市の商業地では2021年と2022年も価格が上昇し続けており、新型コロナウイルスの影響をほとんど受けていない結果となっています。

一方で、東京の銀座や大阪市の中央区の商業地は2021年と2022年の2年連続で価格が下落しつづけており、異なる値動きが生じている状況です。

2-2.首都圏(東京圏)

2022年における首都圏(東京圏)および他の都市圏の地価公示の変動率は下表の通りです。

都市圏 住宅地 商業地 工業地
東京圏 +0.6% +0.7% +3.3%
大阪圏 +0.1% 0.0% +2.5%
名古屋圏 +1.0% +1.7% +1.6%
地方四市※ +5.8% +5.7% +7.4%
全国平均 +0.5% +0.4% +2.0%

※地方四市:北海道札幌市、宮城県仙台市、広島県広島市、福岡県福岡市

東京圏の地価公示は、全用途で昨年を上回り、上昇している状況です。 2022年の地価公示の結果を見ると、東京圏だけが一人勝ちしているような状況にはなく、むしろ勢いは地方の方が高くなっています。

2-3.東京

2022年の東京の地価公示は、かなり例外的な値動きをしました。 土地の価格は中心部の価格が上昇し、それに引っ張られて周辺部の価格も上昇するのが一般的となっています。 中心部が上昇すれば周辺部も上昇し、中心部が下がれば周辺部も下がるのがセオリーです。

しかしながら、2022年の地価公示では、千代田区と中央区、港区といった都心三区の商業地は下落したにも関わらず、都心三区以外の区部の商業地の価格は上昇するという結果になりました。

商業地の変動率は、低い順から中央区が▲1.3%、千代田区が▲1.2%、港区が▲0.3%です。 それに対して、高い順からは中野区が+2.3%、杉並区が+2.1%、荒川区が+2.0%となっています。

銀座のような日本一の商業地を抱えている中央区が下落しているのに、中野区や杉並区等が上がっているのは、今までであれば少し考えにくいです。

都心三区の商業地の価格が下落したのは、テレワークの普及によりオフィスの賃貸需要が減ったことが大きな理由となっています。

また、銀座は外国人観光客が減ったことに加え、飲食店の賃貸需要が減ったことも下落要因です。

一方で、中野区や杉並区といった周辺区では商業地にもマンション用地としての需要があり、マンションディベロッパーによる土地取得合戦も手伝って、価格が上がるという結果になっています。

3.不動産価格に影響を与える指数

不動産価格に影響を与える指数について解説します。

3-1.取引件数の推移

取引件数は不動産の価格の先行指標とされています。 取引件数が上がれば不動産価格が上昇し、取引件数が下がれば不動産価格も下落するという関係です。

以下に、首都圏における中古マンションと中古戸建て、土地(100~200平米)の取引件数と価格の値動きの推移を示します。

首都圏中古マンション取引件数と成約単価

首都圏中古戸建取引件数と成約単価

首都圏土地取引件数と成約単価

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

首都圏の取引件数は、2020年から2021年にかけて、マンションも戸建ても土地も全て伸びており、それに伴って価格も上昇しています。

2020年は新型コロナウイルスの影響により取引自体が停滞しましたが、2021年は2020年の反動で取引件数が増えています。

中でも顕著な動きがあったのは戸建てです。 テレワークの普及によって仕事部屋の確保が必要となり、広い間取りを求めて戸建てを購入する人が増えました。

通勤日数も大幅に減ったことから、職場から遠くても通勤圏内であれば購入する人が増え、都内から千葉県や埼玉県等の郊外に引っ越す人の動きも生じています。

テレワークは新型コロナウイルスが終息してもある程度は残ると考えられ、今後も郊外の戸建て需要は伸びると予想されます。

3-2.株価の推移

株価の不動産価格の先行指標です。 株価が上がれば遅れて不動産価格も上がり、株価が下がれば遅れて不動産価格も下がるという関係です。 以下に、1975年から日経平均株価と全国の地価公示平均価格の推移を示します。

地価公示平均価格と日経平均

出典:地価公示「国土交通省」日経平均「日経平均プロフィルヒストリカルデータ」

長期的なスパンで見ると、土地価格のピークは株価のピークに1~2年程度遅れて訪れることがわかります。

直近では株価のピークは2021年となっており、2022年からは下がり始める気配はあります。

2021年が株価のピークだとすれば、土地価格のピークは2022年または2023年になる可能性はあります。

不動産は株価に遅れて反応することから、今後の不動産価格の動向を知るためにも株価には注視したいところです。

3-3.金利の推移

金利も不動産価格に影響します。 昨今は住宅ローンの金利が低いことで住宅取得需要が喚起され、不動産価格が上がっている状況です。

以下に、2012年から2021年までの10年物国債利回りと地価公示の全国平均価格の推移を示します。(10年物国債利回りは10年固定の住宅ローンの金利に影響を与えるため、金利の値動きを表す指標とされています。)

国債利回りと地価公示

出典:国債利回り「財務省」地価公示「国土交通省」

過去10年においては、金利と土地価格の値動きは反転している傾向があり、金利が下がることで不動産価格が上がっている状況です。

日本では、2013年頃から日銀が異次元金融緩和政策という低金利政策を始めたことで、そこから住宅ローンの金利も一気に下がりました。

マンション価格も戸建て価格も金利が低くなり始めた2013年頃から連動して上昇しており、金利が不動産価格に与える影響は極めて大きいといえます。

4.不動産価格の今後の見通し

不動産価格の今後の見通しについて解説します。

4-1.金利の動向

2022年に入って以降、住宅ローンの10年固定金利が徐々に上昇し始めています。 理由としては、世界的にインフレが生じている中、米国や英国、韓国、ニュージーランド等の中央銀行が利上げに踏み切っており、それに引きずられる形で日本の10年物国債の利回りも上がっているためです。

住宅ローンの10年固定金利は10年物国債の利回りの影響を受けるため、大手銀行は2022年以降店頭金利の引き上げを立て続けに行っています。

金利は上昇傾向にありますが、今のところ顕著な影響は出ていません。 理由としては、店頭金利は実際に借りる適用金利よりも高い傾向にあり、実際にはまだ多くの人が低い金利で住宅ローンを組めるからです。

また、変動金利は今も総じて低金利であることから、変動金利も組み合わせることでまだ低い金利で住宅ローンを組むこともできます。

さらに、日銀もまだ低金利政策を継続するスタンスを取っているため、金利は何とか抑えられています。

ただし、日本もこのままインフレが続けば、日銀も利上げに踏み切らざるを得ないと予想されます。

4-2.物価上昇

国内では昨年の2021年から既に住宅関連の物価上昇が生じ始めています。

代表的なものは、ウッドショックと呼ばれる輸入木材価格の高騰です。 ウッドショックは、新型コロナウイルスにより世界的にテレワークが普及したことから、アメリカや中国で木造住宅の需要が高まったことが原因とされています。

主要国が住宅用の木材を多く輸入したため、木材の国際価格が上がり、日本も木造の建築費が高くなってきています。

また、同様に新型コロナウイルスにより給湯器の価格も上昇しています。 給湯器は大手給湯器メーカーがベトナムの工場で部材を生産している状況です。

ベトナムの工場が新型コロナウイルスで営業を停止したことから、給湯器の部材を調達できなくなり、価格も上がってしまいました。

さらに2022年以降はウクライナ情勢が加わり、今後は様々な物価が上昇する懸念も出始めています。

建築費が高騰すれば、住宅取得を見送る人も増えてくるため、不動産価格が下がる可能性は高いです。

加えてインフレ抑制のために金利も上がれば、不動産市況は一層冷え込むことも予想されます。

4-3.消費者の心理の変化

住宅ローン金利や物価の上昇が懸念される中、消費者心理にも変化が生じ始めています。 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会の「不動産の日アンケート(2022年2月)」によると、2021年は「買いどきだと思う」人の割合が減っています。

買い時だと思う人の割合

出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「不動産の日アンケート(2022年2月)」

2021年の買いどきだと思う人の割合は10.5%であり、過去7年間の中で最も低い水準です。

また、同アンケートでは買いどきと思わない理由も聞いており、以下のような結果となっています。

【買いどきと思わない理由】
1位:不動産価値(価格)が下落しそうだから 28.8%
2位:⾃分の収⼊が不安定または減少しているから 26.5%
3位:地震や⽔害などの天災が⼼配だから 9.6%

「不動産価値(価格)が下落しそうだから」と思っている人が最も多く、買主ももう少し待てば価格が下がるだろうと予想している人が一定数いることがわかります。

買い控える人が増えれば住宅需要は減退しますので、不動産価格は下がる可能性は高いです。

ただし、金利が上がりそうなときは、今のうちに購入しておこうという駆け込み需要があることも予想されます。

そのため、住宅需要が急激に落ち込むことは考えにくく、2022年は相応に住宅需要が強く発生する可能性も考えられます。

4-4.再開発の動向

2022年の地価公示では、福岡の商業地の価格上昇が大きく目立ちました。 全国の商業地上昇率トップ10のうち、福岡市の商業地が7地点もランクインしています。

福岡市は2015年から「天神ビッグバン」と呼ばれる再開発を行っています。 期間限定で割り増し容積率(敷地面積に対する建物の延床面積の割合)がもらえる仕組みの制度であり、オフィスビルの建て替えが立て続けに起こっている状況です。

ここ数年、街が新しく生まれ変わり続けており、2021年も商業地の価格が上昇し、新型コロナウイルスの影響はほとんど見られませんでした。 福岡のように再開発推進中の街は、恐らく来年も不動産価格は上がるものと予想されます。

仮に全国的に土地価格が下落しても、局所的に土地価格が上昇する地域は今後も発生するものと見込まれます。

まとめ

以上、不動産価格の推移と今後について解説してきました。 2022年の地価公示は全用途平均で2年ぶりに上昇しており、新型コロナウイルスの影響は脱しつつあります。

ただし、金利や物価が上昇していることから、買いどきと思う人は減少している状況です。 一方で、再開発が行われている地域では、今後も値上がりは続くものと期待できます。

取引件数は回復傾向にありますが、株価は下落、金利は上昇しており、不動産価格の下落懸念が色濃く出始めています。

当面は、駆け込み需要によって一瞬価格が上がる可能性もあることから急激には下がらず、一進一退を繰り返しながら緩やかな値動きをしていくのかもしれません。

記事のおさらい(編集部)

不動産価格の直近の動向は?

地価公示を見てみると、新型コロナウィルスの影響も落ち着いてきた模様。2022年は全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年ぶり上昇、工業地に限っては6年連続の上昇です。ただし全国的一律的な動きではなく、北海道や福岡などの地方都市の価格が大きく上がった影響だといえます。詳しくは地価公示から見るエリア別の動向をご確認ください。

不動産価格の上昇が期待できるエリアは?

現在、全国的に見ても福岡市の商業地の価格上昇には目覚ましいものがあります。同市は2015年から「天神ビッグバン」と呼ばれる再開発に着手し、オフィスビルの建て替えが次々に進められているのです。福岡同様に、再開発推進中のエリアは来年以降も不動産価格の上昇が見込めるでしょう。詳しくは再開発の動向をご確認ください。

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執筆
不動産鑑定士、宅地建物取引士
竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

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