個人が家を貸すにはどうしたら良い?流れや税金・注意点を解説!

個人が家を貸すにはどうしたら良い?流れや税金・注意点を解説!

自宅や親から引き継いだ一軒家を貸したいと思っている方も多いと思います。古い家であっても、条件が整っていれば貸すことは可能です。

一方で、個人が家を貸す場合であっても、貸主として借地借家法の制限を受けます。借地借家法は貸主ではなく借主を守るための法律であるため、貸主にどのような制限がかかるかを知っておくこともトラブルを避けるポイントです。

この記事では「家を貸す」をテーマに解説します。ぜひ最後までご覧ください。

家の売却を考えて、この記事を読んでいる方は、不動産一括査定がおすすめです。下のフォームを入力すれば、 複数の会社の査定結果を比較 できるので、 高く・早く 売れる可能性が高まります。

  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

1.家を貸すときの相場

首都圏における一戸建て賃貸の賃料相場(月額)は下表の通りです。

地域 賃料 平米単価 面積
東京都 15.9万円 2,014円/平米 78.81平米
埼玉県 8.7万円 1,154円/平米 75.67平米
千葉県 8.1万円 1,009円/平米 80.78平米
神奈川県 12.1万円 1,464円/平米 82.93平米
首都圏 12.3万円 1,549円/平米 79.52平米

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2020年・年度」

首都圏全体としては、月額12.3万円が平均です。単価の平均は1,549万円/平米であり、延床面積の平均は79.52平米となっています。

2.家を貸すメリット

メリット、デメリット

この章では家を貸すメリットについて解説します。

2-1.安定収入となる

家を貸すと、家賃の安定収入が得られるという点がメリットです。一戸建ては、ファミリー層が長期間借りてくれることが多く、入居者の出入りも少ないことからワンルームマンションよりも収益は安定しているといえます。

2-2.副業として認められやすい

副業が禁止されているような会社でも、家を貸すような不動産賃貸業は認めてくれる会社が多いです。サラリーマンの中には相続で親のアパート経営を引き継ぐ人もいますので、不動産賃貸業は禁止される副業に該当しないことが一般的となっています。

基本的には認めてくれるはずですので、家を貸す前に会社の了解を取ってから堂々と始めるようにしましょう。

2-3.資格は必要ない

家を貸すのに資格や免許は不要です。賃貸業は宅地建物取引業の許可対象ではないため、何も資格のない人でも始めることができます。大家業は資格を必要とせず、誰でも気楽に始められるという点がメリットです。

3.家を貸すデメリット

家を貸すデメリットについて解説します。

3-1.入居者が決まらないこともある

家を貸すデメリットとしては、入居者が決まらないこともあるという点です。一軒家は、持っているだけでも固定資産税等の維持費が生じます。

空室が続けば、維持費を自腹で負担し続けることになります。借手が長期間見つからないような物件であれば、売却した方が経済的な負担は軽いです。

3-2.リフォーム等の空室対策が必要になることもある

家を貸すには、リフォーム等の空室対策が必要になることもあるという点です。リフォームに関しては、売却と賃貸で考え方を分ける必要があります。

売却は所有権が移るため、売却後、買主が自由にリフォームすることが可能です。そのため、売却の場合、リフォームせずとも売れる物件は多いといえます。一方で、賃貸の場合、貸しても借主に所有権は移りません。借主は入居後に自由にリフォームできないことから、賃貸ではリフォームしないと貸せない物件は多いです。

古い家を貸すには、ユニットバスやキッチンの交換、エアコンや温水洗浄便座の設置等のリフォームが必要になるケースがあります。リフォームの必要性については、賃料査定時に管理会社の意見を聞きながら決めるようにしましょう。

3-3.修繕費が発生する

一戸建てを貸す場合、不動産の所有権は貸主にありますので、経年劣化等で壊れた修繕は貸主の費用負担で行うことが原則です。例えば、エアコンが寿命で壊れた場合には、貸主が修繕する義務があります。また、シロアリの駆除や外壁塗装等の大規模修繕も貸主の費用負担です。

4.家を貸す方法!流れはどうなる?

家を貸す流れについて解説します。

4-1.賃料査定を依頼する

家を貸すには、最初に賃料査定を依頼することが通常です。実際に家の中も見てもらい、いくらで貸せるかを査定してもらいます。

一戸建ての賃料は、マンションとは異なり管理会社によって提示賃料に差が開く傾向があります。そのため、賃料査定は1社だけではなく、複数の管理会社に依頼し、高く貸してくれる会社を見つけることがポイントです。

4-2.管理会社を選定する

賃料査定を終えたら、管理会社を選定します。管理会社は賃貸借契約の締結や更新業務だけでなく、空室時に新たな入居者を探してくれるため、重要な存在です。

管理会社選びが一戸建ての賃貸経営の成否を決めるといっても過言ではありません。管理会社は実績が豊富で信頼できる会社を選ぶことがポイントとなります。周辺で多くの賃貸物件を管理しており、アパートだけでなく戸建て賃貸の管理実績がある会社を選ぶことがコツです。

また、管理会社を見極める目安として、賃貸住宅管理業に登録されているか否かも一つの目安となります。管理戸数が200戸以上の会社は賃貸住宅管理業の登録義務があります。賃貸住宅管理業に登録するには、賃貸不動産経営管理士等の業務管理者が設置されていることが要件です。賃貸住宅管理業の登録業者であれば一定の信頼感はありますので、管理会社選びの参考にしてみてください。

4-3.借主と賃貸借契約を締結する

管理会社を決定したら、管理会社は入居者を探してくれます。近年の住宅の賃貸では、連帯保証人を取るのではなく、借主に家賃保証会社に加入してもらうことが一般的です。

家賃保証会社とは、借主に家賃不払いが発生したときに、代わりに家賃を支払って売れる会社のことです。家賃保証会社には借主が保証料を支払いますので、貸主に費用負担は発生しません。

また、家賃保証会社は管理会社があっせんするため、貸主は特に自分で探さなくても大丈夫です。家賃保証会社は借主の与信をある程度審査することから、貸主は家賃保証会社の審査が通った人と賃貸借契約を締結できます。

5.家を貸すときの税金

家を貸すときの税金

家を貸すときの税金について解説します。

5-1.固定資産税および都市計画税

固定資産税および都市計画税は、家を貸しても引き続き貸主の負担です。固定資産税および都市計画税は、1月1日時点の不動産の所有者に課される税金であるため、所有者である以上貸しても納税義務者のままということです。

5-2.不動産所得に対する所得税および住民税

家を貸した場合、不動産所得が発生すると所得税および住民税、復興特別所得税等の税金が生じます。不動産所得とは、個人が不動産賃貸業を行ったときに得られる所得のことです。不動産所得は家賃収入ではなく、以下の式で求めた利益を指します。

不動産所得 = 収入金額 - 必要経費

一般的に必要経費として認められる主な費目は以下の通りです。

【必要経費に認められる主な費目】
・固定資産税および都市計画税
・損害保険料(火災保険、地震保険)
・修繕費(入退去時に生じるクロスの張り替え費用等)
・管理委託料
・入居者募集費用(仲介手数料やAD※)
・減価償却費

※ADとは自分の物件に優先的に借主を紹介してもらうために、管理会社に支払う動機付け費用(インセンティブフィー)のこと

不動産所得は他の給与所得等と合算した上で税率が決まります。所得税の税率は累進課税方式と呼ばれ、合計所得が上がるほど税率が上がります。所得税の税率は以下の通りです。

【所得税の累進課税率】

課税される所得金額(課税標準) 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

参考:国税庁「所得税の税率」

所得税は以下のように求めます。

所得税 = 所得 × 税率 - 控除額

また、復興特別所得税は求められた税率に2.1%を乗じて求めます。 住民税の税率は、所得に対して10%で計算される自治体が多いです。

6.家を貸すときの火災保険

一戸建てを貸すときの火災保険について解説します。

アパートや一軒家等の種類を問わず、賃貸物件では「貸主は建物」、「借主は家財」に火災保険を掛けるのが基本です。建物は貸主の資産であるため、自分の資産を守るために貸主は建物には火災保険をかけておく必要があります。

自宅では所有者が建物と家財の両方に火災保険を掛けていることが一般的です。もし元々自宅だった一軒家を貸す場合、家財の火災保険は無駄になってしまいますので、家財の火災保険は解約するようにしてください。

また、賃貸物件では、借主に「借家人賠償責任補償」もセットで掛けさせることが一般的です。借家人賠償責任補償とは、貸主に対する補償のことです。万が一、借主の原因で火災を発生させた場合、貸主は自分で掛けていた火災保険で守られます。

ただし、貸主に補償した保険会社が借主に損害賠償を請求することもあり、それに備えるために借主は借家人賠償責任補償にも入ることが通常です。火災保険に関しては、借主に「家財の火災保険と借家人賠償責任補償」に入ることを条件とすることが一般的となっています。

7.トラブルを避けるための家を貸すときの5つの注意点

家を貸すときの注意点

一戸建てを貸すときの注意点について解説します。

7-1.ローン返済中は原則として貸せない

住宅ローンを返済中の物件は、原則として貸せないことになっています。理由としては、銀行との間で締結している金銭消費貸借契約の資金使途に違反してしまうからです。

住宅ローンを借りたときの資金使途はマイホームの購入であり、収益物件の購入ではありません。そのため、自宅を貸す場合には、原則として住宅ローンが完済している物件を貸すことになります。

ただし、住宅ローンを返済中の物件でも、転勤等の必要やむを得ない事情が発生した場合には、家を貸すことを認めてくれる銀行は多いです。転勤のような一時的に家を貸すことをリロケーションと呼びます。リロケーションを行う場合には、事前に銀行に了承を取って貸し出すことがポイントです。

7-2.貸す前に売却とも比較する

家を貸し出す前に、売却とも比較して検討することが注意点となります。家は、売るよりも貸す方が難易度は高いです。

売買よりも賃貸の方が「より良い立地条件が求められる」というのが難易度の高い理由となります。貸せる物件は基本的に売れますが、売れる物件でも貸せない物件は多いです。いざ貸そうとしても借主が見つからない物件は多く、維持費を考慮すれば貸せない物件は早めに売る方が賢いといえます。

なお、元自宅は一旦貸してから3年を経過してしまうと、売却時に3,000万円特別控除と呼ばれる節税特例を利用することができなくなります。また、相続した親の実家は、一度でも貸してしまうと売却時に3,000万円特別控除が利用できません。

そのため、少しでも売りたいと考えている人は、安易に貸さずにそのまま売った方が税金面で損をしないことが多いです。検討の結果、売却の方が良いと判断した場合には、売却時の税金の特例制度も調べておきましょう。

7-3.普通借家契約か定期借家契約かを選ぶ

賃貸借契約には、普通借家契約定期借家契約の2種類があります。両者の違いは、普通借家契約が更新できる契約であるのに対し、定期借家契約更新できない契約という点です。

普通借家契約は借地借家法によって借主の権利が強く守られており、契約期間満了時に借主が更新をしたいと申し出たら更新ができる契約になります。仮に貸主から更新拒絶を行いたい場合、貸主には正当事由と立ち退き料が必要です。正当事由とは、借主を退去させるための正当な理由であり、立ち退き料とは正当事由を補完するための金銭のことになります。

一方で、定期借家契約は貸主の権利も守られており、契約期間満了時に確定的に契約が終了する賃貸借契約です。定期借家契約にはそもそも更新という概念がないため、契約期間満了時に借主は強制的に退去することになります。もちろん、貸主には正当事由も立ち退き料も不要です。

賃料相場に関しては、普通借家契約の方が借主にとって有利な契約であることから、普通借契約の方が家賃は高くなります。いわゆる「家賃相場」といわれるものは、普通借家契約を前提とした賃料であり、住宅における定期借家契約の賃料は相場よりも低いことが一般的です。

自宅を貸す場合、賃貸借契約の種類は目的によって適切な方を選びます。今後、長期的に賃貸経営をするのであれば、賃料の高い普通借家契約の方が有利です。

それに対して、リロケーションのように一時的な賃貸で確実に家を取り戻したい場合は、定期借家契約の方が適切となります。また、将来、更地にして売りたい、またはアパートに建て替えたい等の計画がある場合も、定期借家契約とするのが適切です。

7-4.管理会社に入居審査をしっかり行ってもらう

一戸建てを貸すには、管理会社に入居審査をしっかり行ってもらうことがポイントです。入居審査が甘いと、入居者トラブルが発生することがあります。

入居者トラブルとは、例えば以下のような内容です。

【入居者トラブル】
・家賃を滞納させる
・家賃の支払いが遅い
・排水管を詰まらせる
・ゴミ出しルールを守らず近隣住民と揉める
・部屋を汚部屋にしてしまう
・ペット禁止や禁煙等の禁止事項を遵守しない
・屋中に騒ぐ
・夜逃げしてしまう
・自殺して事故物件にしてしまう

このような入居者トラブルを防ぐには、管理会社に適切な入居審査をしてもらう必要があります。

入居審査で重要なのは、管理会社による「人を見る目」です。トラブルを起こさない人は、収入のような定量的な面で一概に判断はできず、受け答えや振る舞い等の定性的な面で判断されることになります。

入居審査は管理会社が行いますので、貸主としては実績のある信頼できる管理会社を選ぶことが現実的な対策です。実績のある管理会社は経験値も豊富なので、人を見る目も十分に備わっています。

7-5.原状を記録しておく

一軒家を貸すときは、貸し出す前の状態(原状)を記録しておくことが注意点となります。理由としては、原状があやふやの状態で貸してしまうと、借主の退去時に原状回復で揉める可能性があるからです。

原状回復とは、「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。

簡単にいうと、借主がわざと壊したもの等は借主の費用負担で元の状態に戻させることができます。逆に言えば、貸し出す前から元々壊れていたものは借主に原状回復を負わせることはできないということです。

古い家を貸す場合、貸し出す前から元々損傷している部分というのは少なからずあります。貸し出す前の原状を写真等で記録しておけば、どちらが壊したかが明確になり、トラブルにならずに済みます。原状の写真は、貸す前に借主と共有しておくとさらに安全です。

なお、日焼けによる床の色あせ等の「経年劣化」や、画鋲の跡等の「通常損耗」に関しては、原則として借主に原状回復を負わせることはできないことになっています。借主に対する過剰な原状回復の要求はトラブルの原因となりますので、原状回復についても一定の知識を身に着けておくことをおすすめします。

まとめ

以上、家を貸すことをテーマに解説してきました。

家を貸すことには、「副業として認められやすい」や「資格は必要ない」等のメリットがあります。それに対して、「入居者が決まらないこともある」や「リフォーム等の空室対策が必要になることもある」等がデメリットです。

家を貸すには、管理会社に賃料査定を依頼することが最初のステップとなります。家を貸す注意点としては、「貸し出す前に売却とも比較する」や「管理会社に入居審査をしっかり行ってもらう」等がありました。

家を貸す概要がわかったら、早速に賃料査定から依頼してみましょう。

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

執筆
不動産鑑定士、宅地建物取引士
竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

この記事に関するキーワード

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

不動産サービス