不動産鑑定の費用はいくら?料金相場や安く抑える方法を解説

不動産鑑定の費用はいくら?料金相場や安く抑える方法を解説

相続の遺産分割で資産価値を把握したい場合や、関連会社間で不動産取引を行う場合には、不動産鑑定評価が必要となることがあります。

不動産鑑定評価の料金は一般的に馴染みがないため、どれくらいの費用がかかるのか知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では「不動産鑑定の費用」について解説します。 ぜひ最後までご覧ください。

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1.不動産鑑定士に鑑定評価を依頼すると費用がかかる

不動産鑑定士に鑑定評価依頼をするとコストがかかる

不動産鑑定士とは、不動産の適正な価値を評価する国家資格者のことです。 不動産の価格を評価することを生業(なりわい)としていますので、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼すると有料となります。類似のものとして、不動産の価格を出すものに不動産会社による無料査定というものが存在します。どちらも同じく不動産の価格を出すものですが、不動産鑑定士に依頼すると有料で不動産会社に依頼すると無料となります。不動産会社に依頼すると無料となる理由は、不動産会社は査定だけでは費用を請求できないためです。

不動産会社が受領できる仲介手数料は売却が決まったときに報酬を請求できる成功報酬型の手数料となっています。不動産会社が行う査定は、仲介の営業行為の一環であり、査定時はまだ売却が決まっていない段階であることから、査定費用を顧客に請求できないのです。 よって、不動産会社に依頼する査定は必ず無料となります。

ただし、不動産会社の無料査定は、あくまでも売却を前提としたときしか利用できません。 裁判所や税務署に提出する証拠資料として適さないものとなります。よって、売却以外の目的で資産価値を知りたい場合や、裁判所や税務署に提出する証拠資料を揃えたい場合には、不動産鑑定士による有料の鑑定評価書が必要となってくるのです。

2.不動産鑑定料の料金相場

不動産鑑定料の料金相場

この章では不動産鑑定料の料金相場について解説します。

2-1.費用計算の基本となる鑑定報酬額表

不動産鑑定評価書の手数料に関しては、仲介手数料のように計算方法のルールは存在しません。料金は不動産鑑定事務所の各社がどのように決めてもよく、完全に自由競争となっています。現在の不動産鑑定料は完全に自由競争ですが、かつては業界内に「基本鑑定報酬額表」と呼ばれる標準の料金表が存在しました。

20年くらい前までは、各社は基本鑑定報酬額表に基づいて料金を請求していましたが、今ではその慣習は減っています。料金は自由競争で決まるため、現在では基本鑑定報酬額表は「使っても、使わなくてもよい」という位置づけとなっています。

ただし、大手の不動産鑑定事務所では、未だに基本鑑定報酬額表に近い価格水準で鑑定料金を決定していることから、基本鑑定報酬額表は今でも鑑定評価手数料の相場に大きな影響を与えるものとなっています。従来、鑑定協会で広く用いられていた基本鑑定報酬額表を示すと、下表のとおりです。

基本鑑定報酬額表

基本鑑定報酬額表では、鑑定評価手数料が「鑑定評価額」と「物件の類型」の2つで決まることがポイントです。 物件の類型とは、「宅地」や「農地」、「借地権」といった不動産の分類のことを指します。

例えば、土地(宅地)の鑑定評価手数料を確認してみます。 鑑定評価額が1,500万円超2,000万円以下の場合、該当するのは一番左の「宅地/建物」の列で、2行目の「20,000千円以下」にある「226千円」です。

よって、例えば鑑定評価額が1,800万円となる土地の鑑定評価を依頼した場合、費用としては22.6万円かかるということになります。

しかしながら、現代の鑑定評価業界では、料金の過当競争が進んでいるため、必ずしも基本鑑定報酬額表で費用が決まらないです。

鑑定評価手数料を決定する方法自体も自由であり、「基本鑑定報酬額表を使う会社」や「作業量の積立で請求する会社」、「固定額で請求する会社」等があります。

また、基本鑑定報酬額表も各社は独自の金額のテーブル表を設定しており、かつて業界内で標準的に使われていた料金表よりも安くなっていることが多いです。

2-2.土地の不動産鑑定評価費用

土地は、「2-1 費用計算の基本となる鑑定報酬額表」で紹介した基本鑑定報酬額表では、一番左にある「宅地/建物」の列に該当します。 15,000千円以下で196千円となっているため、概ね20万円以上が相場です。

公益財団法人東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場の動向(2021年)によると、2021年における首都圏の100~200平米の土地の価格は「2,948万円」となっています。

2,948万円は、基本鑑定報酬額表で見ると「宅地/建物」の列の「30,000千円以下」の行で「264千円」が該当します。

首都圏の土地価格(100~200平米) 鑑定評価手数料
2,948万円 26.4万円

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

首都圏の標準的な広さの土地では、鑑定評価手数料の相場は25万円前後となります。 もう少し広い土地だと鑑定評価額も上がる可能性があるため、一般的に個人が依頼する規模の土地の鑑定評価手数料の相場は20~30万円程度です。

2-3.戸建ての不動産鑑定評価費用

戸建ての鑑定評価手数料は土地に加え建物も評価対象となることから、土地の鑑定評価手数料よりも高くなることが一般的です。

戸建ては、「2-1 費用計算の基本となる鑑定報酬額表」で紹介した基本鑑定報酬額表では、右から3番目にある「建物およびその敷地」の列に該当します。 15,000千円以下で316千円となっているため、安いものでも概ね30万円以上が相場です。

公益財団法人東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場の動向(2021年)によると、2021年における首都圏の中古の戸建ての価格は「3,451万円」となっています。

3,451万円は、基本鑑定報酬額表で見ると「建物およびその敷地」の列の「40,000千円以下」の行で「452千円」が該当します。

首都圏の土地価格(100~200平米) 鑑定評価手数料
3,451万円 45.2万円

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

よって、首都圏の戸建ての鑑定評価手数料は45万円前後となります。 ただし、戸建ては鑑定評価の手順が比較的簡単であるため、実際には30万円程度でも受ける会社は多いものと推測されます。

2-4.マンションの不動産鑑定評価費用

マンションの鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に定められている手順にかなりボリュームがあるため、手数料が戸建てよりも高くなることが一般的です。

マンションは、「第2章1 費用計算の基本となる鑑定報酬額表」で紹介した基本鑑定報酬額表では、右から2番目にある「区分所有権」の列に該当します。 15,000千円以下で415千円となっているため、安いものでも概ね40万円以上が相場です。

公益財団法人東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場の動向(2021年)によると、2021年における首都圏の中古マンションの価格は「3,869万円」となっています。

3,869万円は、基本鑑定報酬額表で見ると「区分所有権」の列の「40,000千円以下」の行で「640千円」が該当します。

首都圏の土地価格(100~200平米) 鑑定評価手数料
3,869万円 64.0万円

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

よって、首都圏のマンションの鑑定評価手数料は65万円前後です。 ただし、実際にはもう少し安く受注する不動産鑑定事務所も多いと思われます。 マンションの鑑定評価は、実際には40~65万円程度が相場であると推測されます。

2-5.費用は相続等の目的では決まらない

不動産鑑定の費用を調べている人の中には、「不動産鑑定 費用 相続」といったキーワードで検索している人もいるようです。

個人が不動産鑑定を依頼するケースとしては、例えば相続の遺産分割協議や離婚の財産分与において資産価値を知るために利用することがあります。

そのため、「相続」や「離婚」といった目的で鑑定評価を取る場合、「相続で鑑定評価を取るとしたらいくらなのか?」ということを単純に知りたいのだと思います。

しかしながら、不動産鑑定の費用は、「相続」や「離婚」といった目的で決まるものではありません。

ほとんどの不動産鑑定事務所では、料金は「鑑定評価額」と「物件の類型」によって決まるのが通常です。

例えば、アパートを相続する場合において、相続人間で財産を分けるためにアパートがいくらなのかを知りたいといったことがあります。

アパートは土地と建物で構成されているため、類型としては「建物およびその敷地」に該当します。 「第2章1 費用計算の基本となる鑑定報酬額表」で紹介した基本鑑定報酬額表では、右から3番目にある「建物およびその敷地」の列のことです。

アパートの鑑定評価額が5,500万円だとした場合、「60,000千円以下」の行に該当するため、鑑定評価手数料としては52.7万円前後ということになります。

ただし、不動産鑑定事務所によっては割引等も適用されます。 特に近く複数物件があるようなケースでは、割り引いてくれる不動産鑑定事務所も多いです。

必ずしも基本鑑定報酬額表通りには価格は決まらないため、まずは見積もりを取ることをおすすめします。

3.不動産鑑定士に依頼する不動産査定の費用

不動産査定の費用

多くの不動産鑑定事務所では、不動産鑑定の他に「不動産査定」というサービスも行っています。

不動産鑑定と不動産査定の違いは、不動産鑑定が国の定める不動産鑑定評価基準に則って価格を出すのに対し、不動産査定が不動産鑑定評価基準に則らずに価格を出すという点です。

「鑑定」という言葉は不動産鑑定評価基準に則ったものにしか使えないため、不動産鑑定事務所では不動産鑑定評価書以外のものを「不動産査定」という言葉で表現しています。

不動産査定といっても、不動産会社が行う無料査定とは異なり、不動産鑑定事務所の不動産査定は有料であることが通常です。

不動産鑑定事務所による不動産査定の費用相場は、「15~30万円程度」が一般的となります。

不動産査定の場合、鑑定評価書のように鑑定評価額の大きさで決まるものではなく、固定額を採用している会社が多いです。

不動産査定書を20万円と設定している会社であれば、査定額が1億円の物件でも、1,000万円の物件でも同じ20万円としていることがよくあります。

不動産査定書は、例えば大企業が保有している不動産の資産価値を把握するときや、M&Aをする際に買う側の企業が売る側の企業の資産価値を知るとき等に利用されます。

不動産鑑定事務所の不動産査定は、特に裁判所や税務署に証拠資料として提出する必要もなく、鑑定評価よりも費用を安く抑えたいときに利用されるのが一般的です。

4.不動産鑑定士に依頼する時点修正の費用

時点修正の費用

時点修正とは、過去に一度鑑定評価した不動産を、再度価格時点を変更して行う評価のことです。

例えば、投資法人がREIT(不動産投資信託)に組み入れている物件を定期的に評価し直す際に時点修正が利用されます。

時点修正の鑑定評価は、個人や中小企業が利用するケースはほとんどありません。 利用者はREITの投資法人や大企業等の限られた人たちです。

また、時点修正の鑑定評価を受注する事務所も大手の不動産鑑定事務所が中心となっています。

時点修正は依頼者も受注者も大手であることから、相場は高く形成されており、1回あたり概ね30~50万円程度です。 時点修正は、最初に鑑定評価を依頼した会社に継続発注することが一般的となっています。

5.不動産鑑定士に依頼する調査の費用

不動産鑑定事務所には、不動産に関する専門的な調査を行って「意見書」を書いてほしいといったニーズが舞い込むことがあります。 調査費用は、調査の内容によって費用が変わるのが通常です。

ただし、調査の内容が価格や賃料となる場合には、不動産査定書に準じた価格になることが多いといえます。

不動産査定書の相場は15~30万円程度ですので、調査内容が価格や賃料に関するものであれば、同じく15~30万円程度が相場です。

6.不動産鑑定料が高い理由

不動産鑑定料が高い理由

不動産鑑定料が高い理由は、価格の算出方法が不動産鑑定評価基準に則らなければいけないためです。

不動産鑑定評価基準とは、国土交通省が定めて不動産の評価額を決定するプロセスが規定されたルールブックになります。

「鑑定評価書」という名が付くものであれば、どんな不動産も不動産鑑定評価基準に定められた手順に従って評価をしなければならず、不動産鑑定士が自分の判断でプロセスを勝手に省いてはいけないことになっています。

不動産鑑定士が相場をよく知っている物件であっても、鑑定評価書となると不動産鑑定評価基準に従って評価しなければならず、評価書の作成には時間がかかってしまうのです。

なお、不動産鑑定は評価の手順が国の定めた不動産鑑定評価基準に則っていることから、証拠力が高くなっています。

同じ国の機関である裁判所や税務署は、自分たち(国)が定めた不動産鑑定評価基準に従った評価であれば、適正な方法で評価されたものとして認めざるを得ないのです。

7.不動産鑑定料を安く抑える方法

不動産鑑定料を安く抑える方法

この章では不動産鑑定料を安く抑える方法について解説します。

7-1.同じ都道府県内の不動産鑑定事務所に依頼する

不動産鑑定料を安くするには、同じ都道府県内の不動産鑑定事務所に依頼するのが鉄則です。

不動産鑑定業界は、各都道府県の縄張り意識が強く、各県の不動産鑑定士協会に属する鑑定士が自分たちの県の鑑定評価がやりやすくなるような仕組みを整えています。

そのため、埼玉県の物件の鑑定評価を依頼するなら、埼玉県内の不動産鑑定事務所が他県の事務所よりも安くなることが一般的です。

7-2.一人社長の不動産鑑定事務所に依頼する

不動産鑑定料を安くするには、一人社長の不動産鑑定事務所に依頼するのも方法の一つです。

不動産鑑定業界は、不動産鑑定士が一人で経営している一人社長の事務所が多数を占めます。

一人社長の事務所の事務所は、例えば事務員を雇っていないこと等から間接経費が少なく、コストを抑えることができます。

大手の事務所であれば一人の鑑定士が一日10万円稼がないといけないところを、一人社長の事務所であれば一日5万円稼げば十分ということも考えられます。

1つの鑑定評価書の作成に丸4日間かかるとしたら、大手の事務所は40万円となってしまう手数料が、一人社長の事務所なら20万円でも可能なわけです。

鑑定評価書は同じ不動産鑑定士が行っていますので、一人社長の事務所だからといった品質が下がるわけではありません。 大手にこだわらず、一人社長の事務所に依頼するのも一つといえます。

7-3.相見積もりを取る

不動産鑑定評価業界は価格の過当競争が進んでいますので、相見積もりを取ることも効果があります。 不動産鑑定は、銀行や税理士から要請されて取得することが多いです。 銀行や税理士はいくつか不動産鑑定事務所を知っています。

依頼する前に複数の不動産鑑定事務所を紹介してもらい、しっかりと相見積もりを取ることで価格を下げることができます。

まとめ

不動産鑑定のまとめ

以上、不動産鑑定の費用について解説してきました。 不動産鑑定士に鑑定評価を依頼すると、費用が発生するのが通常です。 鑑定評価の料金相場は、基本鑑定報酬額表がベースに形成されています。

不動産鑑定費用は、土地は約20万円~、戸建ては約30万円~、マンションは約40万円~が相場です。 費用は主に評価額で決まり、相続や離婚といった原因で決まるものではありません。

不動産鑑定士に依頼する不動産査定の費用は、15~30万円程度が相場です。 時点修正は、30~50万円程度が相場となります。 調査費用は調査の内容にもよりますが、不動産査定に準じて15~30万円程度が相場です。

不動産鑑定評価書は、不動産鑑定評価基準に則って評価をしなければならないため、高くなっています。 不動産鑑定料を安く抑えるには、相見積もりを取ることが最も効果的です。 不動産鑑定の費用相場がわかったら、早速に鑑定の依頼をしてみましょう。

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執筆
不動産鑑定士、宅地建物取引士
竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。大手ディベロッパーで長く不動産開発に関わってきたことから土地活用や賃貸借を得意としている。普段は不動産鑑定業だけではなく、法人や個人を問わず貸主や借主からの相談も多く受けている。大阪大学出身。

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