離婚時の財産分与の期間制限~時効と除斥期間について~

離婚時の財産分与の期間制限~時効と除斥期間について~

離婚時の財産分与には「時効」や「除斥期間」という期間制限が適用されます。 離婚後に財産分与を請求する場合、早めに対応しないと財産分与を受けられなくなってしまう可能性があります。 ただし期限に間に合わない場合でも「調停」によって請求する方法があるので、正しい知識を持っておきましょう。

今回は離婚時の財産分与請求に適用される期間制限や時効と除斥期間の違いについて、解説します。これから財産分与請求しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

家の売却を考えて、この記事を読んでいる方は、不動産一括査定がおすすめです。下のフォームを入力すれば、 複数の会社の査定結果を比較 できるので、 高く・早く 売れる可能性が高まります。

  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

1.離婚後も財産分与請求できる

1-1.財産分与とは

財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力してつみたてた財産を離婚時に分け合うことです 。 婚姻中、夫婦の財産の多くは共有となりますが、離婚後は共有にしておくと不都合があるでしょう。そこで離婚時に財産を夫婦それぞれの取得分に分け合うのが財産分与です。

財産分与は夫婦で話し合って取り決めるのが基本ですが、合意できない場合には調停や訴訟で解決することもできます。

1-2.離婚後の財産分与

財産分与は離婚時に行っておくのが望ましいのですが、必ずしも離婚時に取り決めるとは限りません。話し合わずに離婚届だけ提出してしまうご夫婦もあります。

離婚時に取り決めなかった場合、離婚後も財産分与ができます。離婚後に財産分与したい場合には、請求したい側が元配偶者へ財産分与請求する必要があります。

2.財産分与の期間制限は時効ではなく除斥期間

離婚後に財産分与請求するときには、時効に似た「除斥期間」という期間制限が適用されます。 除斥期間とは、経過すると特別な手続きを経なくても権利が失われてしまう期間です。時効と違って「更新」(民法改正前は「中断」)や「援用※」などの制度が適用されません。※時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張すること 

離婚時財産分与請求の除斥期間は「離婚後2年間」です。離婚後2年が経過したら、財産分与請求できなくなると理解しましょう。

時効と除斥期間の違い

時効と除斥期間には以下のような違いがあります。 更新されない 時効の場合には、一定事由があると「更新」されます。たとえば債務者が「支払います」といって負債を認めると、時効が更新されてまた1からの数え直しになります。 一方、除斥期間には更新制度が適用されません。債務者が「払います」といっても除斥期間を過ぎると請求できなくなってしまいます。

援用が不要

時効の場合、必要な期間が経過しても特別な手続きを経なくても権利が失われるわけではありません。 債務者が「援用」して初めて時効の効果が発生します。

一方、除斥期間の場合、援用は不要で期間さえ経過すると権利が失われてしまいます。

財産分与請求権の場合には「除斥期間」なので、更新もなく援用も不要で期間が経過すると特別な手続きを経なくても権利が失われます。離婚時に取り決めなかった場合、離婚後に早めに財産分与請求しましょう。

3.財産分与が確定した後の時効

財産分与請求するときには「内容が確定した後の時効」にも要注意です。

離婚後に財産分与請求すると、通常は相手と話し合って財産分与の方法を取り決めるケースが多いでしょう。しかし、ただ取り決めた内容をすぐに実行してもらえるとは限りません。 財産分与が支払われるまでに数か月間など待たされる可能性もあります。この際には「取り決めに基づく請求権」に時効が適用されるのです。

この場合の期限は除斥期間ではなく時効で、期間は一般的な債権と同じになります。 期間は具体的には以下のとおりです。

・請求できると知ってから5年

・請求できる状態になってから10年

財産分与の除斥期間と時効の具体例

Aさん(元妻)とBさん(元夫)は元夫婦ですが、離婚時に財産分与の取り決めをしませんでした。 AさんがBさんに財産分与請求をしたい場合、離婚後2年以内に行わねばなりません(除斥期間)。 またAさんとBさんが話し合って財産分与方法を取り決めた場合、Aさんは約束した期日から通常5年以内に実際の財産分与の支払いを受ける必要があります(時効)。

4.離婚後2年以内に解決できない場合の対処方法

離婚後の財産分与請求は2年以内に行う必要があります。しかし、間に合わない場合には以下のように対応しましょう。

4-1.財産分与調停を申し立てる

除斥期間が経過しそうな場合、離婚後2年以内に家庭裁判所で「財産分与調停」を申し立てる必要があります。 申立てが2年以内であれば、調停中に2年が経過しても権利が守られるからです。 一方、離婚後2年が過ぎると、裁判所で申立てをしても受け付けてもらえなくなります。 特に財産分与の話し合いができない場合や相手と話し合っても合意できない場合には、早めに財産分与の調停を申し立てましょう。

4-2.調停が不成立になった場合の審判とは

調停はあくまで話し合いの手続きなので、合意できなければ不成立になります。 財産分与調停が不成立になると「財産分与審判」という手続きに移行します。 財産分与審判とは、審判官が財産分与の方法を決めてくれる訴訟に似た手続きです。

審判になると、お互いが合意しなくても審判官が財産分与方法を取り決めます。内容が希望通りになるとは限りませんが、合意できなくても財産分与を受けられるメリットはあるといえるでしょう。 また財産分与審判では通常財産分与割合が2分の1ずつになるため、相手方が「半分は渡せない」などと言っている場合にも有効な対処方法です。

5.除斥期間を過ぎても財産分与できるケース

以下のような場合、離婚後2年間の除斥期間を過ぎても財産分与を請求できます。

5-1.合意して話し合う

離婚後2年を過ぎても、お互いが納得して財産分与を行うなら問題ありません。 相手に財産分与を請求し、話し合って合意できるなら2年を過ぎていても財産分与を受けられます。

5-2.相手が悪質な財産隠しをしていた

相手が悪質な財産隠しをしていた場合には、「不法行為」が成立する可能性があります。その場合、隠された側は相手に損害賠償請求が可能です。 損害賠償請求の金額は財産分与を受けられなかった金額なので、実質的に財産分与請求できるのとほぼ同じ結果となります。

不法行為の時効は「不法行為と相手方を知ってから3年」です。相手による悪質な財産隠しが発覚したら、離婚後2年を過ぎていても早めに財産分与請求を行いましょう。

6.財産分与請求を有利に進める方法

財産分与請求を有利に進めたいなら、以下のように対応するようおすすめします。

6-1.事前に財産を調査しておく

適正な方法で財産分与を受けるには、相手による財産隠しを防がねばなりません。こちらがまったく把握していなければ相手は簡単に財産を隠せてしまうからです。 有利に話し合いを進めたいなら、事前に財産内容を調査しておくべきです。預貯金、保険、株式、不動産などできる限りの財産を把握しましょう。

6-2.資料を集める

財産があることがわかっても、証拠がなければ相手は「そんな財産はない」といってごまかす可能性があります。 事前にできるだけ多くの財産資料を集めましょう。 たとえば以下のようなものが証拠になります。

・預貯金通帳や取引履歴

・保険証書や解約返戻金に関する書類

・車検証や査定書

・不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)や査定書

6-3.不動産の場合、査定をきっちり行う

対象財産が不動産の場合、評価額の把握も重要です。 どのくらいの価値があるのか、不動産会社へ査定依頼を出して相場を把握しておきましょう。 不動産会社によっても査定額が異なるので、複数の会社へ査定依頼を出すのがおすすめです。ネットなら簡単に複数社へ査定依頼を出せるので、一括査定のサービスなどを利用するのもよいでしょう。

まとめ

離婚時の財産分与には「離婚後2年間」の除斥期間が適用されます。合意した後の請求権にも時効が適用されるので、早めに回収しなければなりません。 離婚後2年の除斥期間が迫ってきたら、家庭裁判所で財産分与調停を申し立てましょう。 困ったときには、ぜひ離婚問題に詳しい弁護士に相談してみてください。

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

執筆
法律専門ライター 元弁護士
松本陽子

弁護士としての実務経験を10年程度積み、ライターへ転身。法律知識や専門ノウハウを活かしつつ、ライティングのスキルを併せ持った稀有なライターとして各種メディアで執筆監修等の活動を行う不動産関係についても非常に詳しく、離婚時財産分与、任意売却、相続や瑕疵問題など「難しい内容をわかりやすく伝える」がモットー

公式サイト  Twitter  YouTube

この記事に関するキーワード

あなたの家はいくら?
今すぐ一括査定
無料

不動産を売るならまずは一括査定!
一度に複数の査定結果を比較できるので、より高く売れる可能性が高まります。

査定する物件の住所を入力
  • STEP
    1
  • STEP
    2
  • STEP
    3
  • STEP
    4

powered by オウチーノ × HOME4U

不動産サービス