マンション売却の内覧対応は「想像の10倍大変」中野のタワマン売却体験談

この記事では、1万件の物件を仕入れてきた不動産のプロ監修のもと、内覧対応の注意点について解説します!
中野のマンションを売却したAさん曰く「マンション売却の内覧対応は想像の10倍大変だった」とのこと。Aさんの売却活動を体験談形式で振り返りながら、なぜ大変だったのか、どういった点に注意すべきか解説します。
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1.今回の物件は中野駅のマンション!
1-1.中野駅周辺はどんな街?
中野は元々、「ブロードウェイ」や「中野サンプラザ」など、サブカルの街として知られていましたが、ここ20年ほどはずっと再開発が続きます。北口駅前の警察大学校が府中に移転し、その跡地に2012年に中野野四季の森公園が開園し、2棟の大規模なオフィスビルセントラルパークが竣工しました。オフィス、子育ての街として姿を変えていくきっかけとなりました。
1-2.中野駅周辺の今後は?
中野サンプラザ、中野区役所の建て替えなど、これら一連の開発は2029年まで続きます。「中野サンプラザ」が建て替え後の「中野サンプラザシティ」は、地上60階建てのコンサートホール、商業施設、住居、オフィスの複合施設となる予定です。
一方、中野駅の北側には多くの飲食店が並ぶ路地がいくつもあり、街が進化を続けながらも昔ながらの店が立ち並ぶ魅力のも中野の街の魅力の一つです。
1-3.中野サンプラザのレストランでの食事を
そんな中野の変わりゆく景色を楽しめるおすすめのスポットが中野サンプラザの20階のレストランです。洋食レストラン「121ダイニング」と日本料理「なかの」があり、窓からは中野の街を一望できます。1000円代で楽しめるランチでの利用がお勧めです。
2023年7月に、中野サンプラザが閉館する前に、ぜひ一度訪れて、進化する中野を目にしていただければと思います。そんな今後の発展も注目される中野駅周辺の売却相場は、オウチーノの「中野区の不動産売却相場」で確認できます。
2.マンション売却の内覧の体験談
2-1.中野駅北口から徒歩圏内の物件
今回の物件は、中野駅北口のサンロード商店街の先にある徒歩10分以内のマンション。50㎡台2LDKのマンションで人気の中野の物件、どのように内覧は進められたのでしょうか。
2-2.眺望の悪さがネック
眺望の悪さがネックの低層階の物件です。窓の外は、商業ビルとお見合いしており、決して眺めがいいとはいえません。一方、中野駅北口でも目立つ物件であるため、中野駅周辺で住まいを探している人たちには人気の物件です。
2-3.売り出し価格は高めに設定
売出価格を決めるにあたり、Aさんは自分で同じマンションの過去1年ほどの相場を調べました。眺めの良くない低層階の物件は、同じマンション内でも低めの価格で取引されていることに気づきましたが、ここ最近は都内のマンションの価格が値上がりしていると聞いていたので、高めの価格で売り出しました。
2-4.売却の方法は?
物件を売り出すにあたり、不動産会社と売却方法を相談したAさん。レインズ(不動産業者だけが閲覧できる不動産情報サイト)、ポータルサイトを中心に掲載をお願いしました。ポータルサイトの掲載だけでも十分に内覧客が集まることを見込んで、チラシの配布は行いませんでした。
また、ポータルサイトに自身の物件を掲載をする際、室内を撮影用のために整理することの手間やプライバシーのことを考え、室内の写真は撮影せず、マンションの外観写真を中心に売り出しました。
3.いざ内覧スタート!
3-1.内覧対応の流れ
人気の物件のため、物件を売り出し始めてすぐに週1、2件は内覧依頼が来るようになりました。内覧対応の流れはこんな感じです。
1.契約している不動産会社から内覧希望者がいることが伝えられ、内覧日のスケジュールを調整をする
2.内覧時間の前に部屋の掃除、換気をする
(予定時間よりも少し早めに来る場合もあるので、時間に余裕を持って準備)
3.部屋が明るく見えるように、すべての部屋の電気をつける
4,内覧客が不動産会社と一緒に訪問。簡単な挨拶を済ませた後、内覧開始
5,不動産会社の説明を受けながら室内、ベランダを内覧。気になった点があれば、都度、不動産会社、売主に質問
(人や部屋によるが内覧時間は30分前後)
6.内覧客が一通り室内を見終わり、質問なども済ませたら内覧は終了。簡単な挨拶をして、内覧者を見送る
7.その後、内覧客は不動産会社とマンションの共有部の内覧を行う
(必要に応じて売主も同行)
8,簡単に不動産会社に感想や意向を伝えて内覧終了
(その場で結論を出す人もまれにいるが、一度持ち帰って検討するパターンが多い)
9,不動産会社を通しての内覧客からの購入希望の連絡を待つ
3-2.内覧はいつ行われる?
約60㎡の2LDKの物件であり、内覧客は、家族連れと単身者の半々でした。基本的には、土日の内覧が多く、全体の8割ほど、残りの2割は仕事の都合などで、平日の昼間や仕事帰りの夕方から夜にかけての内覧でした。
Aさんは、自宅でのテレワークであったため、平日の内覧対応も特に問題なかったようですが、売却を成功させるために少しでも多くの内覧客に来てもらうも大切です。平日が仕事で家を空けている人も、売却活動期間中は、スケジュールを調整できるとよいでしょう。
3-3.内覧対応の注意点は?
内覧時の説明は基本的に不動産会社が行います。売主は、部屋の少し離れたところで待機しているほうが、内覧客も気兼ねなく内覧ができます。とはいえ、不動産会社からのコメントに補足したいことがあれば、状況に応じて売主からも説明しましょう。
また、売主に対して内覧者から直接質問をもらう場合もあります。Aさんの場合、「普段、洗濯物は外に干しているか」、「何時から何時まで部屋に日が入る?」、「駐車場に空きはあるのか」、「普段の買い物はどこでしている?」、「小学校までの距離は?」などの質問を受けたそうです。
初めて質問されたときにうまく答えられなかったものは、内覧対応が終わった後、自分で確認し次からは答えられるようにしておきました。売主が自信をもって答えることで、内覧者からの印象もアップします。
また、Aさんの物件は最上階近くにゲストルームがあり、マンションのウリの一つになっていました。実際にゲストルームを見たいという内覧客には、使っていない時間帯に限りですが、管理人にも相談し、ゲストルームにも案内しました。このように共有設備も内覧客の要望に合わせて、できる限り紹介しておきましょう。
3-4.用意しておくとよいものは?
スリッパがあれば十分です。Aさんの場合、コロナ禍の中での売却活動ということもあり、家のスリッパを使ってもらうことにも少し抵抗がありました。そのことを不動産会社に相談すると、使い捨ての紙のスリッパを用意してもらい、それを都度使ってもらうことにしました。
「お茶などを出したほうがいいのか」と気にする人もいるようですが、特に必要ありません。
4.想像以上に大変な内覧対応...なかなか決まらない...
4-1.部屋からの眺めがネックで見送り続出
内覧希望の連絡が当初から続いたので、早々に決まるのでは?と楽観的に考えていたAさん。しかし、内覧した後、「購入したい」という返事はなかなか来ません。不動産会社でその理由を聞いてみると、部屋からの眺望を理由に購入を見送った人が多かったようです。
売り出してから1か月半、6組の内覧客を案内しましたが、買付は入りませんでした。最初のうちは内覧対応を楽しんでいたAさんも、せっかくの休日が部屋の掃除と内覧対応で疲れてきてしまい、億劫になってきたため、400万円値下げすることにしました。値下げをすると、売却を依頼している不動産会社から、各不動産会社への告知と不動産ポータルサイト上での価格の更新が行われます。
しかし、値下げしたときの反応は、売り出し始めたときよりも鈍く感じました。これには理由があり、不動産のポータルサイトでは、新着物件が価格更新物件よりも優先して表示されます。そのため、売り出し時に相場価格+αの価格で売り出したほうが、最初から見込みの高い内覧客を集めることができます。中野駅周辺の不動産の相場はオウチーノの「中野区の不動産売却相場」で確認できます。
また、先ほど触れたように、今回の物件に関しては、タワーマンションであったため部屋からの眺めを期待して内覧したものの、実際の部屋からの眺めとのギャップにがっかりした人も多かったようです。ポータルサイトに物件を掲載するときに、部屋からの景色も掲載し、適切な値付けにしたほうが、確度の高い内覧客を集められたはずです。
購入希望者も、複数の物件を内覧して判断するため、不動産会社も多少割高な物件であっても、他の物件との比較のために勧めることはよくあります。今回のケースでも、売り出し期間中、中野駅近辺の似たような物件が先に売れたとのことだったので、「当て馬」として使われた可能性は高いでしょう。
内覧対応も、貴重な休みの時間が取られ、知らない人を家に呼び精神的な負担もかかります。様々な広告を出し、多くの人に売り出していることを知ってもらうことも大切ですが、適切な値付けで事前に伝えられる情報はきちんと伝え、確度の高い内覧客を集めることも大切です。
4-2.購入希望者現る!
値下げしてからも、当初よりはペースが落ちたものの、月に2、3件は内覧依頼が入りました。10組目の単身の内覧客は、今までにない様子でした。
内覧時、築浅の物件で壁紙や床がまだ綺麗なこと、システムキッチンや床暖房、浴室乾燥機などの住宅設備が充実しているがいいと言っていました。また、今までは窓からの眺めがネックになっていましたが、普段仕事が遅く夜にしか家にいないため、窓からの眺望も気にならないとのことでした。また、外の景色がわかりづらい空が暗くなってからの内覧だったため、それもプラスに働いたのかもしれません。
職場もすぐ近くで、いつも帰りが遅いのでとても助かるとも言っており、Aさんは今までにない手ごたえを感じました。帰り際、前向きに検討したいとの返事をもらいその内覧客は帰っていきました。
2週間後、売出価格から約400万円値下げする条件で、買付申し込みが入りました。元々、高めに売り出していたこともあり、Aさんんはその条件で承諾し、契約へと進むことになりました。
4-3,しかし、契約日前日に....
やっと売却活動が終わると、Aさんは安堵し、引っ越し先の子どもの保育園など手続きを進めていたのですが、契約日前日に不動産会社から1本の電話が。「ご相談したいことがありまして...」ということで、急遽、Aさんの自宅まで不動産会社の担当者が来ることに。
「実は、契約がキャンセルになりまして」
購入を家族から止められたとのことで、キャンセルしたいとの連絡が前日にあったとのことでした。Aさんはがっくりと肩を落とし、しかし、住み替えは既に決まっていたため、売却活動を続けることにしました。
なお、購入希望者は氏名、住所、購入希望金額などを記載、捺印した「買付証明書」というものを提出します。しかし、買付証明書は原則、法的拘束力はありません。そのため、売買契約書を取り交わす前にキャンセルになっても違約金は発生しないのです。売買契約書を取り交わし、買主の住宅ローンの本審査が下りるまで、気を抜かずに売却活動を続けることが大切です。
「住宅ローンの本審査が下りるまで」と書いたように、売買契約が終わった後でもまだわかりません。売主都合のキャンセルの場合は、売買契約時に支払われる手付金(売買金額の10%が業界目安)を受け取ることができますが、住宅ローンの審査に通らなかった場合は、白紙解除となり、違約金を受け取ることもできません。
4-4.ようやく売買契約が成立
すでに売り出し始めてから3カ月以上経っていたため、あとどれくらい続くのかと心配になってきたAさん。住み替え先の物件のリフォームも完了しており、そろそろ引っ越し予定です。貯金には多少余裕があったものの、引っ越した後も売却中の家の住宅ローンを支払い続けなければいけないことが少し気がかりでした。
と、色々不安がよぎりましたが、キャンセルから2週間後、内覧した13組の近くにお住まいの方が、住み慣れた街の駅近物件ということで再度、買付が入りました。
「日当たりが不安」ということでしたが、やはり400万ほど値下げしたことで双方合意。今回は売買契約書も取り交わし、住宅ローン本審査も問題なく通過し、契約から約2か月後、家を引き渡すことができました。
まとめ
以上、中野のマンション売却の内覧対応の体験談、いかがでしたでしょうか。
実際に内覧対応をしてみると、想像していたのと違っていた、なかなか買ってくれる人がいないなど大変に感じることもあると思います。この体験談を参考に、実際のイメージを掴んでもらえれば幸いです!
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