不動産会社にだまされた!?大幅値下げに追い込まれた東浦和の4380万のマンション…

家をできるだけ高く売却したい…でも何から始めたら良いか分からない方、いらっしゃいませんか? 不動産の売却、最初のステップは「不動産会社と媒介契約を結ぶこと」です。
しかし、「媒介契約」には3つの種類があり、どれを選ぶかによってその後の売却活動は大きく左右されてしまいます。初動で失敗すると、思わぬ苦労や損に繋がりかねないので注意が必要です。 この記事では、200万円もの値下げをする結果になった東浦和のマンション売却の事例から、家を高く売るための媒介契約の選び方を解説します!
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目次
1. 売却は不動産会社に任せちゃえば安心?
2. 駅チカでリフォーム済み、条件の良いマンションだが…
3. そもそも専任媒介契約って?
4. 専任媒介契約のメリットとは?
5. 専任媒介契約のデメリットとは?
6. 専任媒介契約での失敗を防ぐには?
7. まとめ:最終的には「正直な不動産会社」を見つけるのが一番
1.売却は不動産会社に任せちゃえば安心?
今回は、安易に「専任媒介契約」を選択して200万円もの値下げをする結果になった東浦和のマンションを例に解説します。
2.駅チカでリフォーム済み、条件の良いマンションだが…

今回取り上げるのは、東浦和駅からは徒歩5分以内の、約70㎡・2LDKの物件です。
東浦和駅は戸建てがメインの町並みで、マンションは決して多くはありません。 マンションは広さで戸建てと比べられると不利ですから、駅チカ等のマンションならではの強みがないと正直売りにくい、そういう土地柄です。
この物件、築15年以上ながら外観やエントランスは綺麗な状態で、デザインも古臭さを全く感じさせません。大手デベロッパーが旧分譲主の物件で、線路沿いに位置しています。
本物件周辺の不動産相場は、オウチーノの「さいたま市緑区の不動産売却相場」で確認できます。
物件の条件は良いが苦戦…
今回の物件は、駅チカ・大手デベロッパー・リフォーム済みという好条件でした。線路沿いという弱点はありましたが、十分に戦えるスペックといえます。

しかし、結果的には3カ月を要し、200万円の値引きをすることになってしまいました。「大失敗」とまでは言いませんが…「成功」と喜べる数字でもありません。 売却期間はともかく、値下げは100万円未満で抑えたいところでした。
失敗と敢えて言い切りますが、原因は「専任媒介契約」にあるとプロは指摘します。 聞き慣れない「専任媒介契約」とは一体どういう意味なのでしょうか、そしてどうするべきだったのでしょうか?
この記事の解説者・谷尾があなたの家がいくらで売れるか無料で査定します
3.そもそも専任媒介契約って?
不動産の知識があれば避けられた失敗ですが、その背景を順を追って説明していきます。
専任媒介契約とはどんな契約形態?
不動産会社と結ぶ「媒介契約」には以下の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
この内、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、状況報告の頻度など細かな違いはありますが、本記事ではまとめて「専任媒介契約」として表現します。
専任媒介契約の特徴は「一社にしかお願いできないこと」と「契約期間が3カ月であること」に尽きます。 一般媒介契約では複数社にお願いできますし、契約期間に定めはありません。詳しくは以下の記事をご覧いただきたいですが、本記事ではこの2点だけ把握いただければ十分です。
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4.専任媒介契約のメリットとは?
1社にしかお願いできないとなると、複数社にお願いできる一般媒介契約よりも不利に見えますね。 もちろん専任媒介契約にも、お客様のメリットはあります。
メリット①調整がラク
一般媒介契約ですと、各社とそれぞれ媒介契約を結ばないといけないのはもちろん、各社が買い主候補のお客さんを内覧に引っ張ってきてくれるため、その時間調整は売り主本人がしないといけません。内覧は週末に集中しがちですので、油断するとバッティングしてしまいます。
その点、専任媒介契約でしたら、各内覧客との対応は1社にお任せできますので、調整は断然ラクになるでしょう。
メリット②一生懸命働いてくれる…?
不動産会社が売り主によく伝えるメリットはこちらです。
一般媒介契約ですと、他の不動産会社が競合になるため、必ずしも自社が仲介手数料を得ることができません。そのため広告費や労力を投入するのを渋ってしまいがちです。 一方の専任媒介契約であれば、売却活動を行うのは「一社のみ」です。
不動産会社の視点では「必ず自社の売上になるので、不動産会社が一生懸命に売却活動をしてくれる」…という点がよく説明されます。
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5.専任媒介契約のデメリットとは?
「一社のみ」というのが実はネックになります。一般媒介契約の場合、上記のとおり不動産会社からするとリスキーな契約形態と言えます。
逆に、専任媒介契約であれば、契約が打ち切られない限り、いつかは自社の売上になるものと見込むことができます。そのため、不動産会社は「専任媒介契約を取ること」を重要な指標として置いています。 たしかに、専任媒介契約した相手が誠実な不動産会社であれば、あなたのために高額での売却を目指して営業マンは必死で働いてくれるでしょう。しかし、ここにも落とし穴があります。
デメリット①非現実的な査定金額
超高額の査定価格を提示して売主の期待を煽り、「専任媒介契約」を得ようとするシーンが非常に多いです。
売り主の知識が浅い場合、想定を上回る高額査定に気を良くしまい、深く検討することなく他社を蹴り、「専任媒介契約」を結んでしまうのです。 結局は期待を裏切られることになります。
デメリット②囲い込み
悪徳不動産会社の常套手段が「囲い込み」です。 売主の不動産会社と買主の不動産会社が別々の場合は「片手仲介」と呼ばれ、当然ですが「売主の不動産会社」は売主からしか仲介手数料をもらうことができません。 しかし、売主の不動産会社と買主の不動産会社が同一の場合、その不動産会社は売り主と買い主の双方から仲介手数料を受け取ることができます。これを「両手仲介」といいます。
専任媒介契約を得た「悪徳不動産会社」は、売主のために高額売却を目指したりはしません。 もちろん、高値で成約させることができれば、それに比例して不動産会社が得る仲介手数料も高くなります。が、それでも高額売却のために頑張ることはありません。なぜでしょうか?
その秘密が「両手仲介」にあります。「両手仲介」であれば2倍の仲介手数料を得ることができるため、必死に高値で買ってくれる買主を「片手」で探すよりも、ぐっと価格を下げて「両手」で成約させてしまう方が「悪徳不動産会社」にとっては楽で儲かる選択肢となります。
「囲い込み」を狙う「悪徳不動産会社」は、当初は高額の査定を出して専任媒介契約を得ます。しかし、その値段では全く反応がなく、売主は不安な気持ちになります。そして、しばらく経ったタイミングで「売れないから値下げしましょう」と促してきます。そして自社が抱える買主に安値で売却させ、双方から仲介手数料を得ようとするのです。
不動産業界では「囲い込み」のことを、「干す」ということもあります。
デメリット③サボり
「囲い込み」ほど悪質ではありませんが、専任媒介契約を得た後に「サボる」不動産会社も存在します。一般媒介契約のように他社との競争がありませんから、「いつか売れるだろう」で放置されて塩漬けになることもあります。
売主にとってのゴールは当然「成約」なのですが、不動産会社の視点だと「専任媒介契約」を得ることが半ばゴールとなってしまい、その後の活動に身が入らないこともあるようです。
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6.専任媒介契約での失敗を防ぐには?
それでは、今回のような専任媒介契約にまつわる 失敗を回避する方法はあるのでしょうか。こちらも見ていきましょう。
方法①仲介手数料半額・無料の業者には注意しよう
仲介手数料が半額・無料であることをアピールする不動産会社は多いと思いますが、注意が必要です。 売り主から手数料を得ないのであれば、買い主から得るしかなく、買い主を容易に見つける手段として「囲い込み」が使われることがあるのです。
繰り返しますが、半額業者・無料業者が一概にNGというわけではありません。しかし、以下の事項について、より注意深く確認する必要はあるでしょう。
方法②一般媒介契約を複数の不動産会社と結ぼう
「一般媒介契約」を複数の不動産会社と結び、会社間で競争が起こるようにするのが1つの対策になります。
「一般媒介契約」には「自社の売上にならないかもしれないから力を抜く」かもしれないというデメリットはありますが、都心や駅近のような人気物件であれば問題になりにくいです。
今回も専任媒介契約の3カ月の期限が切れたタイミングで一般媒介に切り替え、価格を見直して成約に至っています。
方法③買主を装って問い合わせをしてみよう
「囲い込み」が行われているとき、不動産会社は他社が連れてきた買主は徹底的にブロックします。ですので、購入検討者を装って自分の物件に問い合わせをいれて反応を見るというのが1つの対策となります。
自分でやるのは気が引ける…という場合は親戚や友人に頼んでみてもいいでしょう。「売主が旅行で…」などの嘘の理由で内覧を拒否されていないかがチェックポイントとなります。
この際、ネットやチラシに掲載されている写真の写りもチェックしておきましょう。第一印象は重要です。
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方法④査定は複数社に依頼し、根拠も質問しよう、他社の査定額について聞いてもOK!
複数社の査定額を得ることはマストです。そして金額だけでなく、その根拠もきちんと確認し、過去の事例などから納得感のある数字であるか判断することが重要です。
飛び抜けた高額査定を提示した会社があったら、その金額を他の不動産会社に尋ねるのも有効です。
方法⑤専任媒介を選ぶなら金額と期間をコミットさせろ!
専任媒介契約は「調整がラク」ですし、「真面目で正直な不動産会社」であれば、決して悪いものではありません。 デメリットを防ぐための手段として、査定額とは別に「最低いくらで売却できそうか」を提示させ、その価格以上で一定期間内に成約できなかったら契約を打ち切ると伝えるのは有効です。
「いつか、そして安くても売れればいい」という不動産会社の考えが諸悪の根源ですので、リミットを設けるという対策です。 期間は3カ月が妥当でしょう。「この値段で売れないのであれば、契約は更新しない」と告げるのです。
本記事の解説者「谷尾」が売却で高く売るためのノウハウを教えます
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7.まとめ:最終的には「正直な不動産会社」を見つけるのが一番
売却予定の物件が人気エリアにあるなら、一般媒介がおすすめです。 もし専任媒介を選択する際は、「囲い込み」や「サボり」に気を付けて手を打つことも重要ですが、何より「真面目で正直な不動産会社」を選ぶことが一番ですので、会社選びには慎重になりましょう!
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今回の物件
項目 | 詳細 |
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市区町村 | さいたま市 |
最寄り駅 | 東浦和駅 徒歩0-5分 |
所在階/階建 | 1-5階 / 6-10階 |
築年数 | 10-15年・新耐震 |
広さ(間取り) | 65-70 ㎡(2LDK) |
向き | 西 |
売出価格 | 4380万円 |
成約価格 | 4180万円 |
売却時期 | 2021年1-3月 |
売却期間 | 3カ月 |
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