「その家6000万で売れますよ」不動産屋からの驚きの一言、信じたばっかりに…【杉並区/50代男性】

「その家6000万で売れますよ」不動産屋からの驚きの一言、信じたばっかりに…【杉並区/50代男性】

査定額はどの不動産屋も4500万円前後だったのに、その会社だけは「この家なら6000万円で売れますよ!」と言ってきたんです。半信半疑でしたが、不動産のプロがそう言うなら…と、結局その会社と媒介契約を結んでしまいました。今となってはこれが失敗だったと思っています。(杉並区/50代男性)

~わたしの売却体験談~
大きな金額が動くだけに、絶対に失敗したくない家の売却。しかし、不動産の知識がない中で思い通りの結果を得るのは難しいものです。そこで、実際に家の売却を経験した方の話から、失敗しないためのポイントを学びましょう。

体験者 Tさん/50代男性/会社員
物件の所在地 東京都杉並区
物件種別  一軒家(4LDK)
築年数 約15年
売却価格 5200万円
売却期間 6カ月

転職を機に住み替えを決意。しかし不動産会社に翻弄される…

杉並区の一軒家は子どもが小学生の時、15年ほど前に購入しました。売ることになったのは私の転職がきっかけです。収入が減ることになったので、月15万ほどのローン、40万ほどのボーナス払いを続けるのは厳しくなり、近くで賃貸を探して、一軒家は売ることに決めました。

不動産屋から驚きの言葉が

まずは一軒家を買ったときの不動産会社A社に相談しに行きましたが、なぜか対面で話をするのを避けられているような感じで、メールでのやりとりもうまくいかなかったのでここはやめました。
そのあとネットの一括査定を試して、5、6社から査定額をもらいました。大体どの会社も4500万前後でした。こんなもんか…と思いながらB社に話を聞きに行ったとき、

「このあたりでこの物件なら6000万円で売れますよ」

「えっ、6000万!?」

「過去にもこれくらいで売れた経験があります。うちに任せてくれたら頑張ります!」

正直ちょっと疑いました。ほかの社は4000万台なのに本当に6000万で売れるの…?
でもいざ高い価格を言われると、それで売れるんだったら頑張ってもらおうかなと思ってしまうんですよね。それと、この高い価格につられてしまったのにはもう一つ理由がありました。

過去の苦い経験から、「今度こそは」という思いで…

実は、家の売却は2回目でした。一軒家を購入するとき、それまで住んでいたマンションを売った経験があったのです。そのとき、マンション内のほかの部屋も同時に売り出されていたので、不動産屋に勧められてほかの部屋より400万ほど安く売り出しました。
すると、売り出した直後に「早速4組内覧したいと言っています」とその不動産屋から連絡があったのです。結局、そのまま売却が決まりましたが、後から “安すぎたんだ”と気づきました。不動産屋に言われるがまま値段を決めてしまいましたが、もう少し高くで売れたかもしれない…と後悔していたのです。

──こんな経験があったので、一軒家はできるだけ高く売り始めようという気持ちがありました。目の前に出された6000万という価格。家族も「6000万で売れたらあれも買える、これも買える…!」と喜んでいました。そしてB社の担当者が一言、

「専任媒介契約にしていただけたら、もっと積極的に売り込みます!」

こうして私はB社と専任媒介契約を結び、6000万円で売却活動をスタートさせました。

たにお社長の解説

Tさんの1回目のマンション売却では、不動産会社が「両手仲介」をとるため、わざと安い価格を提案してきたのでしょう。両手仲介とは、売主、買主の両方を同じ不動産会社が担当することです。両方から仲介手数料が入るため、手っ取り早く利益を得ることができます。Tさんのケースもすぐに買い手を見つけられるように安い価格で売り出し、ほかの不動産会社がお客さんを見つけてくる前に、自分のお客さんに売って両手仲介を叶えようとした可能性が高いです。不動産会社に言われるがままに価格を決めるのではなく、自分自身で相場と照らし合わせて価格を決めることが大切です。

「6000万は無謀」1か月で契約は打ち切りに

結局、6000万では売れる気配はありませんでした。2、3組内覧があっても、なかなか成約にはつながりません。B社の担当者は、

「いやあ、なかなか買い手の反応がないんですよ~」

と言うばかり。反応がないんじゃなくて、売り込みしていないのでは…?と思っていました。この時点で、6000万という高すぎる価格で売り出してしまったことを後悔していました。
そんなとき、いくつか他の不動産会社から「うちでも売りたい」と連絡がきていました。B社への不信感もありましたし、1社だけにお願いするよりたくさんの不動産会社にお願いした方が良いのではないかと思い、B社とは1カ月で契約を打ち切りに。複数同時に売却をお願いできる一般媒介契約に切り替えました。
そこからは5700万円に値下げして売却を仕切り直しましたが、今度は会社ごとの対応の違いに驚くことになりました。

うそを言ってまでお客さんを連れてこなくても…

例えばC社。内覧でお客さんを連れてきてくれたのですが、そのお客さんが
「2、300万値下げしてくれるって話だったよね?」 と営業マンに言ったのです。
もちろん私はそんな話はしていません。 さらにD社からは、突然連絡がきて「今家の前にいるんですけど内覧できますか?」と言われたこともありました。

そんな中、E社はとても親身になってくれました。不動産ポータルサイトにはプライバシーの観点から家の中の写真は載せていなかったのですが、E社の担当者は
「部屋の写真があった方が売れやすいので、加工で家具を消すこともできますよ」とか、
「ネットには載せないけど、興味を持ってくれた人には個別に写真を見せても良いですか」
とか、積極的にいろんな提案をしてくれました。最終的にはこのE社がお客さんを連れてきてくれて、5200万で売ることができました。
すぐに売ってしまいたいと売却活動を始めたのに、結局6か月もかかってしまいました。どうしてこんなに長引いてしまったのだろう…E社の担当者からはこんなことを言われました。

「B社の6000万円はあまりに無謀でした。はじめからまともな不動産会社にお願いしていればもっと高くで売れたはずです」

これから家の売却をする人には、「不動産屋からの甘い言葉に乗るな」と伝えたいです。6000万円というほかにない高値を提示された時点で、もっと疑って、その価格の根拠をしっかり聞いておけばよかったです。
それとあと一つ、6000万で売り出した時、実は近所に相続関係の格安の物件がたくさん売りに出ていたことを後から知りました。そりゃあ売れないわけです。最初から自分で近所の物件を調べていれば…と今になって思います。言わなくても不動産屋が調べてくれる、と思っていたら大間違いです。

たにお社長の解説

まず、B社はなぜ「6000万」という売れるはずのない価格を提案してきたのでしょうか。それは、「専任媒介契約」を結ぶためです。「一般媒介契約」なら複数の不動産会社と結べますが、専任媒介契約は一社としか結べないため、必ず自分の会社の利益になります。そのため、わざと高すぎる価格を出して「専任にしてくれたら、この価格で売れるように頑張る」と言ってくるのです。当然高すぎると売れませんから、徐々に売主に値下げを提案し、結局は高くでは売れないことが多いです。高く売るのなら一般媒介契約一択です。しかし、面と向かって高い価格を提案されたら断りづらいですよね。そんなときは、「検討します」と言って、別の不動産会社に「この価格で売れる見込みがあるか?」と相談してみましょう。
一方、専任のメリットは「広告費をかけられる」ことです。どうしても専任媒介契約を結ぶ場合は、「チラシは何万部配布するのか」「新聞折込はするのか」「土日に見学会を開いてくれるのか」など、どんな売却活動をしてくれるのか事前に聞いておくことが重要です。

あなたの家がいくらで売れるか、たにお社長が無料で査定します。また、高く売るためのノウハウもアドバイスしますので、ぜひ一度ご連絡ください。
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※この記事は、実際に家の売却を経験した方へのインタビューをもとに構成しています。プライバシーの観点から、内容は一部変更しています。

執筆
オウチーノニュース編集部

マイホーム購入のダンドリ、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいの基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説。宅地建物取引士や司法書士、税理士、FPなどの不動産・お金の専門家が、監修・執筆した記事を配信しています。
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