「年収260万」の40代男性、突如降りかかった3300万の相続税「払えない…」急いで不動産を売りに出した結末は【兵庫県/売却体験談】

相続税がこんなにも高いなんて思ってもいませんでした。3300万もの額を一括で支払うなんて、当時の私には到底不可能…。相続したマンションを売って税金の支払いにあてるしかありませんでしたが、納付期限が目の前まで迫り、まさに絶体絶命の状態でした。(兵庫県/40代男性)
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~わたしの売却体験談~
大きな金額が動くだけに、絶対に失敗したくない家の売却。しかし、不動産の知識がない中で思い通りの結果を得るのは難しいものです。そこで、実際に家の売却を経験した方の話から、失敗しないためのポイントを学びましょう。
体験者 | Kさん/40代男性/契約社員 |
物件の所在地 | 兵庫県宝塚市 |
物件種別 | マンション(3LDK) |
築年数 | 約15年 |
購入価格 | 不明 |
売却価格 | 3550万円 |
売却期間 | 約3か月 |
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「相続税が払えない」下した決断は…
両親が新築でマンションを買ったのは15年くらい前でした。駅から徒歩3分ほどと立地も良く、見晴らしも良い3LDKの部屋です。両親で2人暮らしをしていましたが、数年前に父が亡くなり、その後すぐ母も亡くなりました。両親は他にも不動産を持っていましたが、私がすべて相続することになりました。
母が亡くなるまで相続のことなんて考えたこともありませんでしたが、提示された相続税の額を見て絶句しました。3300万円…。
相続の大部分が不動産だったため、現金はほとんどありません。私の年収は260万ほどで、貯金でも到底払えない金額でした。その頃のことは正直あまり覚えていませんが、気付けば納付の期限は3か月後にまで迫っていました。
「このままでは、相続税が払えない…」
追い込まれた私は、両親が住んでいたマンションを売却して、すべて相続税の支払いにあてることにしました。
とにかく急いでいたので、とりあえず複数の不動産会社に査定をお願いできるネットの一括査定サービスを使いました。そして3社、自宅に来て査定してもらい、査定額は3社とも3000万前後でした。「それだと相続税が足りないな…」と思いながらも、3社のうち1番説明が丁寧で担当者の熱心さが伝わってきた大手のA社と媒介契約を結ぶことにしました。
このとき、売却活動を不動産会社1社にしかお願いできない「専任媒介契約」にするか、複数の不動産会社に同時にお願いできる「一般媒介契約」にするか迷いましたが、A社の担当者が「専任媒介契約にしてくれた方が売却活動に力を入れられるので、早く売れやすい」と言うので、とにかく時間がなかったこともあり結局A社と「専任媒介契約」を結びました。
納付期限が迫っていたため、必ず3か月以内に売らなければいけないというリミット付きです。
さらにA社が出した査定額は3300万ほどでしたが、私としては、相続税を全額払えるかつ、多少は手元にお金が残る価格で売りたいと考えていました。
「3600万円で売り出したいです」
「け、けっこう強気ですね…」
担当者は少し困った様子でしたが、駅から近いことや部屋の状態が良いことを踏まえて、「いけると思います、頑張ります」と言っていました。
Kさんは「早く売る」と「高く売る」の両方を希望しているようですが、それは容易なことではありません。果たしてKさんの売却はうまくいったのか?それは続きを見てもらうとして、ここでは「急いで売らなければいけない場合」について解説します。相続や借金、離婚など様々な理由で急いで売りたいケースがあるでしょう。
不動産会社に売却を依頼するときに結ぶ契約には、1社としか結べない「専任媒介契約」と複数社同時に結べる「一般媒介契約」がありますが、急いでいる場合は「大手」の不動産会社と「専任媒介契約」を結ぶのがおすすめです。 「大手」の方が買ってくれそうな見込み客を多く抱えていますし、「専任媒介契約」だと利益が他社に流れるリスクがないため、一般媒介契約と比べてチラシやポスターなど、より広告費かけて売り込みができるので、Kさんの担当者も言っていたように“早く売れやすくなる”と言えます。
ですが、あくまでもこれは「急いでいる場合」です。基本的に、少しでも高く売りたいのなら、複数社が競争になる一般媒介契約一択です。
他にも注意してほしいことがあります。それは、「急いでいる」ことをお客さんに知られないようにすることです。急いでいることに漬け込んで相当な値下げを要求してくる場合もあるので、知られないようにしてほしいと不動産会社にお願いしておきましょう。
納付期限が数週間後に迫りピンチになるも…
慌ただしく始まった売却活動の一方で、私は売る部屋の片付けにも頭を抱えていました。当時は県外で働いていたので、休みの日に帰って荷物を出したり、業者に依頼したりと、この作業が1番大変だったかもしれません。
売却の方はA社に任せっきりの状態でしたが、担当者がこまめに電話やメールでお客さんの状況を伝えてくれたので、少しは安心できました。
高めの価格設定でしたが、やはり物件の条件が良かったのか内覧はコンスタントに入っていたようです。ですが、なかなか成約までたどり着きません。
そんな状況が2か月以上続き、ついに相続税の期限が数週間後に迫りました。
このタイミングで購入者が現れても、相手の住宅ローン審査に1~2週間かかることを考えると、期限に間に合わないかもしれない、金融機関にお金を借りるしかないかも…と、まさに絶体絶命の状態でした。
そんな時、「物件を買いたい」という人が現れました。
住宅ローン審査に時間がかかることを心配していましたが、なんとその方が、現金一括を希望していたのです。現金一括ならもちろんローン審査の心配は不要です。
私はすぐにその方の希望を受け入れ、結局50万値下げした3550万円で成約することができました。
「これで相続税が払える…!」
怒涛の3か月でしたが、なんとか期間内に相続税全額を納めることができました。本当にギリギリでした…。
期間と金額、両方の縛りがある中でお客さんを見つけてきてくれたA社には本当に感謝しています。最後に現金一括のお客さんが現れたのは、運が良かったと思うしかありません。
今回の経験を通して、信頼できる不動産会社に出会えるかどうかが、売却の結果を左右すると感じました。最初の段階で複数の会社と連絡をとって、そこから自分に合う、信頼できる担当者を見つけることが大事だと思います。
それと、最初に「3600万で売りたい」と強気な価格を希望しましたが、私はそれほど無茶な価格ではないと思っていました。なぜなら、普段から近所の不動産会社のガラスに張り出されている物件を見たり、同じマンション内の売り出しポスターに目を通していたので、高すぎる、安すぎるの感覚が分かっていたからです。
確かに相場よりは高い金額でしたが、同じマンション内のほかの部屋と比べると、エントランスからの距離が近かったり眺めがよかったりと、他に負けない「強み」があると思っていました。自分の不動産の価値を自分で分かっておくことも、売却においては重要なのだと思います。
相続税は突然やってくるものだとは思いますが、意外と納付期限が短いことと、金額が大きい場合にどうするか、ということは事前に考えておいた方が良いです。私のように、いざというときに慌てないために…。
期限ギリギリのところで現れた「現金一括」の買主…。正直、Kさんのケースはラッキーだったとしか言えません。 通常、売り急いでいる場合は結局は数百万円も安く売ってしまうことになる場合も多いです。相続税は、期日までに現金一括で払えない場合、申請が認められれば分割で払える「延納」という制度もありますから、「不動産を急いで売る」以外の選択肢もあると安心です。
さて、Kさんの場合は、ご自分で相場を知ったうえで、売出価格を決めたようですね。価格を決めるとき、不動産会社に任せるのではなく、自分で相場を調べて適正な価格を考えることはとても大事なことです。希望の価格を不動産会社の担当者に伝えたときに、「それは相場より高すぎるから、もっと安くした方が良い」と言われることもあると思いますが、あまりにも現実離れした金額でない限りは、売主の希望でまずはスタートしてみて良いと思います。不動産会社の営業マンでも、正確な相場の出し方を分かっていないこともありますから、その言葉をすべて鵜吞みにするのではなく、自分で近所の物件情報を調べたりして、ある程度価格の感覚を持っておきましょう。
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※この記事は、実際に家の売却を経験した方へのインタビューをもとに構成しています。プライバシーの観点から、内容は一部変更しています。
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