奨学金の概要と利用時の注意点とは?返済シミュレーションをしてみよう

奨学金の概要と利用時の注意点とは?返済シミュレーションをしてみよう

こんにちは、キッズ・マネー・ステーション認定講師、ファイナンシャル・プランナーの田端沙織です。

高校生のお子さんをもつ親御さんにとって、子どもの大学や専門学校への進学時期が近づいてくると悩ましいのが教育資金の用意ですよね。かなり大きな金額なので全額を捻出するのが難しいご家庭も増えています。国内で代表的な奨学金制度を運営している日本学生支援機構(JASSO)によると、2017年度では2.7人に1人の学生が日本学生支援機構の奨学金を利用していて、需要が年々高まっているそうです。

今回は、進学の強い味方になる奨学金制度の活用や概要をおさえ、利用する際に家族で話し合っておきたいことについて解説します。

進学の強い味方、奨学金制度の概要

奨学金とは、大学や専門学校に進学したいけれど、家庭の経済状況などで進学が難しい学生に対して進学費用をサポートしてくれる制度です。奨学金の出どころは大きく分けて3種類あり、国・地方自治体・大学等になります。どれか1つしか利用できないわけではなく、併用することも可能です。(一部併用不可もあり)

国内で最も多くの学生が利用している日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、返済が不要な「給付型」と返済が必要な「貸与型」があります。「貸与型」の中でも利息がつくものとつかないものがあり、貸与型でも利息がつかない「第一種奨学金」と超低金利の利息がつく「第二種奨学金」の2種類があります。

これらに加え、2020年4月から新制度が設けられ、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生を対象に「授業料・入学金の免除/減額」と「給付型奨学金の支給」がセットで申込みできるようになりました。

この制度の新設によって、以前より申込みできる学生が増える事と、学校への支払の負担軽減になりました。

奨学金制度は学力や家計年収などの条件が多く一見複雑ですが、分かりやすいリーフレットの配布がされていたり、学校の先生に詳しい方がいたりするかもしれません。読んで分からなくても諦めずに、調べたり人に聞いてみるなどして活用を検討してみてはいかがでしょうか。

奨学金制度の詳しい内容は、日本学生支援機構のホームページを確認してみてください。

▶日本学生支援機構ホームページ 奨学金

家族で話し合いたい、利用時の注意点

子どもに進学の意志があり奨学金の利用を検討する場合は、ぜひ家族で奨学金を借りた後のことも話し合っていただきたいです。それは、奨学金は子ども名義の借入金であり、卒業後約半年が過ぎたら毎月の返済が始まり、全額返し終わるまで返済が長く続くからです。

特に自宅から通学できない場合は1人暮らしや下宿することになりますので、学費以外に生活費もかかります。生活費も含めて借りるとなると、総借入金額が大きくなります。その分、毎月の返済金額が増えることになりますので借り過ぎず、在学中に足りなくならない程度の金額を計算して本当に必要な分だけ借りるように一緒に計算しましょう。

「晴れて卒業できたとしても借金を背負いながら、働くことが辛い」とこぼす学生もいます。また、卒業後、仮に20年間返済が続くと仮定すると、結婚や出産・住宅購入など様々なお金のかかるライフイベントが発生する期間と返済期間が重なる可能性は非常に高いため、より一層マネープランに留意しましょう。

もう一つの対策として、奨学金の利用だけでなく、併用して親が一部教育ローンを借りるという手もあります。金利は奨学金の0.233%(JASSO:2021年1月の基本月額利率固定方式)に比べ、安くても年1.68%(国の教育ローン:2020年11月2日現在)ですが、教育ローンは奨学金と違い入学金に充てることができます。

進学資金として誰がいくら借入するか、家族でよく話し合って決めることをお勧めします。

進学のための資金計画を立て、奨学金を借りた場合の返済シミュレーションをしてみよう

奨学金は、一般的に返済が15年以上と長く返していくものなので、きちんと返済できそうかシミュレーションをしてみることをお勧めします。学生生活でかかる生活費や学費の総合計金額を見ればいくら借りる必要があるか現実味が湧きますし、実際返済する場合は毎月の返済額がいくらで何年かかって返済が終わるのか見通しも立ちます。

日本学生支援機構のホームページでは、「進学資金シミュレーター」と「奨学金貸与・返還シミュレーション」が用意されています。進学でいくら借りる必要があり、給付や貸与の額がどの程度になるか、毎月の返済額と回数がどの程度になるか等が簡単にシミュレーションできます。ぜひ親子で一緒に計算してみましょう。

▶日本学生支援機構ホームページ 進学資金シミュレーター
▶日本学生支援機構ホームページ 奨学金貸与・返還シミュレーション

経済的理由から進学を諦めてしまう前に、まずは学校の先生や自治体の担当窓口などに進学するためにできる手立てはないか頼ってみましょう。自分から「困っています」と声を上げれば、きっと周りの人が進学に関する有益な情報を一緒に調べてくれたり、サポートしてくれるはずです。

1人、または家族だけで悩まず上手に奨学金を活用することで、学業に専念でき、将来の可能性を広げていくことができると良いですね。

執筆者:田端 沙織
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャル・プランナー
証券・運用会社で10年以上の勤務経験を活かし、FPサテライト(株)所属ファイナンシャルプランナー 兼 金融教育講師として、「正しく・楽しく・分かりやすく」お金のことや資産運用について伝える活動をしています。得意分野は資産運用。2男1女を絶賛子育て中。

キッズ・マネー・ステーション

キッズ・マネー・ステーションとは、「見えないお金」が増えている現代社会の子どもたちに、物やお金の大切さを知り「自立する力」を持ってほしいという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行います。2018年までに1000件以上の講座実績を持っています。